「かたじけない」大河への道 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
かたじけない
着想が面白いですね。原作である立川志の輔さんの創作落語「伊能忠敬物語~大河への道」こそが素晴らしいのだと思いますが、一方、今作の脚本も細部までよく練られていて、さらに現代と江戸時代の両方を同じ俳優でキャスティングするというアイデアがうまく奏功していてより一層楽しくなったと思いました。とりわけクライマックスでお殿様に拝謁する場面、方や知事に対面する場面がよかったですね。このシーンを観られただけでも大満足でした(笑)。少し前にDVDでみた「キネマの神様」(21)の北川景子さんの和服姿もとても美しかったのですが、今作でも江戸時代パートの北川さんの艶やかさが眩しかったです。ふとした瞬間、若い頃の吉永小百合さんに重なって見えてハッとしました。そう思うと鼻にかかった声も少し似ているような気がしました。中井貴一さんのコメディエンヌぶりも可笑しくて、他の脇役もみなさんいい味わいがあって、よい作品でした。今あるのはこうした無名の人々の苦労あってのこと、そのことを知ることが明日への糧になるような気がしました。
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