「落語と映画の間に」大河への道 おおさかさんの映画レビュー(感想・評価)
落語と映画の間に
中井貴一が立川志の輔の新作落語を気に入って制作した町おこし奮闘喜劇。
地元の誉れ伊能忠敬を忠敬オタクの公務員がひょんなことから大河ドラマにしようと悪戦苦闘する様と実際の江戸時代の忠敬周辺の人々の日本地図作りの闘いが交差する。原作の新作落語はおそらく面白いと思われるが映像にすることで喜劇センスを求められた結果、せっかくの題材の面白みがかなり喪われ喜劇部分とシリアス部分のバランス、面白みをうまく演出できていないように感じる。
ただクライマックスはとてもエモーショナルでありそこまでの下準備がうまくいっていれば傑作になったのではないだろうか。
飄々と我が道をいく老脚本家を橋爪功が好演。ただそれぞれ二役演じた豪華な助演陣は現代と江戸でのシンクロがもっと明確になれば、という点で惜しい。映画の面白さは細部に宿るもの、ということを強く感じた一作です。
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