「座布団は一枚くらいかな。」大河への道 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
座布団は一枚くらいかな。
立川志の輔の落語が原作で、郷土の偉人伊能忠敬を巡って、現代と過去を行ったり来たりする構成や、それぞれの時代で役者さんが二役を演じているのが面白く、時代劇としてフツーに楽しめます。とは言え、落語的な楽しさはあまり感じられず、勘定奉行の手先をあちこちに振り回しておちょくるのは落語的ではあるけど、演出のしかたが真っ当すぎて残念。どうせなら、お上にバレないようにあの手この手でごまかし続けるギャグと、今は亡き師匠と元女房や弟子達の人情話を縦軸に、市役所員が上司をごまかしながら大河ドラマの企画をするのを横軸にするくらいの落語的な諧謔さがほしいです。役者では中井貴一が安定の役どころ、松山ケンイチはちょっともったいない使い方かな。北川景子の仇っぽい姐御振りが、意外にはまっていてよかったです。
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