「本当に作りたいものを作ったという熱意が溢れていた」大河への道 燕さんの映画レビュー(感想・評価)
本当に作りたいものを作ったという熱意が溢れていた
クリックして本文を読む
志の輔さんが書いた新作落語を、中井貴一さんが映画化したという本作。映画への愛が感じられる作品だと思った。
途中、プロデューサーにラストシーンを変更されたことで20年筆を絶っていた脚本家が登場したが、昨今の映画業界への批判を象徴しているように感じた。スポンサーや俳優のプロダクションの意向という横槍によって、せっかくの良さを台無しにされる映画が増えていると言われて久しい。この風潮が日本映画の衰退を招いているのだと思う。
きっと中井貴一さんは俳優として、映画人として、危機感を感じてこの作品を製作したのだと思う。
「ロシアに日本の国を奪われないため日本地図を製作しなければならない」「幕末、日本を植民地にしようと考えていたイギリスは、伊能忠敬の地図をみてびっくりし、日本侵略を諦めた」等のセリフも、ウクライナ危機に揺れる昨今の情勢に重なって考えさせられた。
伊能忠敬やそのチームの方々一人一人に敬意を払いたい。
コメントする