「THIS IS 仮面ライダー。」仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル kenkenさんの映画レビュー(感想・評価)
THIS IS 仮面ライダー。
多分、平成ライダーから観始めた人には理解しがたいのかもしれませんが。
石ノ森章太郎氏が提唱した「仮面ライダー」は、不幸がデフォルトなのです。
一号からして、悪の組織に拉致され、怪人へと改造され、たまたま人間としての良心が残っていたから、「悪の力を正義のために使う怪人」なわけで。
仮面ライダーは、完全無欠の正義のヒーローではないのです。
自身の不幸と対決し、乗り越え、悪をくじく。
正しいかどうかではなく、自身の信じる正義に従って闘う。
あくまでも「正義という概念のワガママ」を貫くのが、仮面ライダーなのです。
映司は、手の届く人を救いたかった。
そのためなら、自分の命は投げ出しても良かった。
それが叶わなかった、叶えたい、それがもともとの欲望な訳で。
そこに「アンクともう一度会いたい」が加わった。
10年が経過して、ようやくすべての欲望を満たした。
完璧なゴールだと思います。
仮面ライダーは、そのすべてが欲望にまみれていて、大体はそれを叶えています。
だから、映司にも叶えさせてあげてもいいじゃないですか。
そこをゴールと断定して、そこから逆算で本を書いて。
この映画よりステキなストーリーを描ける人がいたら、是非ともご教示いただきたいですね。
バッドエンドだから、なんだと言うのか。
映司は、完璧な仮面ライダーになったと、オレは感じました。
追記。
「小林靖子さんが書いていれば…」的な感想を言われている方が多く見受けられますが…
もしも靖子にゃんが書いていたら、きっとアンク以外は全員死亡だと思いますよ?
その方が、オーズのエンディングとしては、不条理が際立つハズ。
満たされてしまった上に死ぬことも許されないアンク、そして理解者ゼロ。
その後は視聴者にお任せ、みたいなことになるのだろうと感じます。
とりあえず靖子にゃんを理解したい方は、アマゾンズを観ましょう。
彼女こそ、石ノ森チルドレン筆頭だと、嫌というほど植え付けられますよ。