コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価
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最後の予定調和に向けてひたすら前に進む作品ですが、嫌いじゃないです。
自分以外の家族が聾唖者である女子高生がヒロインのお話。
ストーリーは他の人も書いていますが、最後の予定調和に向けて途中フラフラしながらもひたすら進みます。
ベタと言えばベタですが、嫌いじゃないです、この手のつくり。
というか、障碍者を聖人君子みたいに描く安いテレビドラマに比べれば、性欲も品格も差別もありのまま描くのは清々しいです。
特に気に入ったのが2点
〇音が聞こえないのに父親は車で大音量のヒップホップを流します。その理由は振動を感じるのが好きだから。これが伏線になっているとは思わなかった。終盤、聞こえない娘の歌を〇〇を通して感じる描写はいいですね。
〇あと、発表会で聾唖の立場に置き換わる描写についても、以前どっかで見た気もしますが、いいですね。
残念だったのは、
彼氏役の子はイケメンなのですが、ずば抜けた音楽の才能があるようには見えなかったこと。
彼を抜擢してヒロインとペアを組ませる理由はあるのかな・・
事業が簡単にうまくいったり試験になんとか間に合ったり、ご都合主義もそれなりにありますが、そこらへんは、まあ、気にしない。
フランス映画のリメイクとのことですが、元の作品も見たくなりました。
(アマゾンプライムで無料で見られるようです)
さらりと巧い!
また名画に出会ってしまった。
不覚にも3箇所のアハ体験で心持っていかれ泣いた。
歌の恩師が自分に与えてくれる事、人の感情が動くってどんな事か、改めてしみじみ。
あちらの人はクソ上手かガチ音痴かのどちらかしか居ない。本当に不思議。教え方が上手いんだろうな。
一箇所、絶妙で抜群の神演出に鳥肌立った。
一瞬彼らの世界が垣間見えた事で、この映画全体の見え方が変わる。
そんでこの父ちゃん、クソかっこええ。
最後、ちゃんと届いてほしい人に伝わるような歌い方をしてたところに、、、もうアカン。久々にキタなコレ。
良き映画。胸熱。演出に乾杯!!
感動的な話風
2022年劇場鑑賞18本目。
耳が聞こえないお父さんお母さん、お兄ちゃんの手話通訳や漁の手伝いをしながら高校に通う歌のうまい女の子の話。
障害者の家族あるあるで、避けられない家族の世話や、自分より障害者の兄弟姉妹の方ばかりかまって自分は犠牲になっている、という話をよく聞きます。もちろんうまいことやっている家族もいるのですが、この物語は17歳という年齢を迎え、やりたい事と家族のフォローの両立に悩むわけてす。
上記のタイトルの感想になった理由はとにかく両親、特に母親が娘に依存しすぎています。ラストに向かってようやく普通のレペルの親子愛になったかなという感じだったので特段感動には至りませんでした。シチュエーションは面白かったです。活かしきれてなかったかなあ。
夢中は最強!結局どれだけ信じられるか
鳥肌立ったし、目頭熱くなったし、なにより感情的に満たされた。プロットの枠組みとしては英国の炭鉱モノはじめ結構よく見るジャンルの王道感動系ではある。田舎町から夢に向かって羽ばたく自己実現モノとしていわゆるサプライズというものはほとんどない。…のだけど、見事に作品としての核を損なうことなく、しっかりとハートウォーミング心温まるほっこりカミングオブエイジ青春モノとして最後は期待通りの答えを期待以上の形で与えてくれる。大きな一歩を踏み出す、そのさまに裏切られない。分かっていてもやっぱり心の中はガッツポーズが出ちゃうよう。ステキな家族の形と愛にほっこり♪一風変わったパパ最高!
それを可能にしているシアン・へダー監督の温かな眼差しと主演エミリア・ジョーンズの輝き、キャストの素晴らしい魅力に抗えない。既に似た経験をしてきた(?)『シング・ストリート』の主人公が意中の相手役。そりゃ歌上手い。『シング・ストリート』といったら本作のお兄ちゃんもいい。家族というかけがえのない存在に足を取られて、なかなか抜け出せないという葛藤・障壁。けどそれは間違っても犠牲の上に成り立つような、そういう後ろ向きなものとは決して違う。だからそこに愛がある、応援したい背中がある。見てる方も前向きな気持ちになれる!そうやって心鷲掴みにされてしまった。例えば『ベック』の残念すぎる(歌声聞かせない)逃げの演出とは根本的に違うそれ。
勝手に関連作『リトル・ダンサー』『シング・ストリート』『リトル・ミス・サンシャイン』『フィッシャーマンズ・ソング』
私の時間
エール未鑑賞
聾唖の漁師の家族の中で唯一健聴者である娘が歌うことに目覚める話。
幼い頃から家族の通訳をしていた女の子と、彼女に頼り切りな両親。クソ兄貴だけは違うようだったけど、特に母親は…。
そんな家族の中で育ってきた女子高生が合唱部に入り、才能を見出されレテたことで変化し、家族との関係も変わっていく成長の物だけど、本人よりも家族の成長の方がメインという感じ。
それにしても主人公が良い子過ぎですね。
コミカルさもありつつみせる家族愛が優しく温かくて面白かったし、眠っていた力が大爆発みたいなやり過ぎもなくて良かった。
上手い副題
あいのうたとは、本当に上手い副題ですね。文字通りあいのうたでした。
登場人物全員悪人が好みですが、この作品のようにほぼ全員善人なる
ものも素晴らしいと思います。
疲れてる、ちょっと疲れてる、なんかうんざりする、そんな思いを抱え
てる方に是非観て頂きたい、ほんの少しだけかも知れませんが、その
憂鬱を忘れさせてくれる、そんな作品です。
注目!
元ネタとなったフランス映画「エール!」を観ているのでスルー予定だったのだけど、あまりにも評判が良くて鑑賞。結果、大正解!
正直、こっちの方が良いかもと思います。
違いは大きく二つあって…
1. 元は農家の娘だったんだけど、どうしても家族を助けなくてはならない、という理由が薄い。本作は漁業であることで健常者の必要性が明確で、その分カタルシスが強い。
2.主人公の魅力についての説得力がスゴい!
フランス版の主人公の魅力が弱い訳ではないんだが、エミリア・ジョーンズの素朴さと優美さがないまぜになったルビーの説得力がスゴい!
オーディションのシーンなど、ニコニコしながら観ちゃいますね…
とにかく、エミリア・ジョーンズ、注目です!
お涙頂戴じゃないのにウルウルが止まらなかった。
両親と兄は聾唖で自分だけ健常者の主人公ルビーは歌が大好き。家業の漁業に出ている時も大声で歌っていた。で、学校の合唱部に入ったルビーは先生に才能を見出され、音大への進学を薦められる。しかし、通訳が必要な両親は進学に反対。本人も家族の為に自分の人生を捧げようと考える。そりゃそうだ、仕事ができなくなったら生きていけないもんな。しかしそれ程仲が良くない感じの兄は妹の独立に賛成。果たして両親はどう転ぶのか?
最近流行りのジェンダーレスとはまた違う障害者の社会活動がテーマ。実際、聾唖者だけで漁に出る事は危険すぎると思う。そりゃ問題視されるでしょ。
とにかく、ルビー役のエミリア・ジョーンズが可愛くて歌が上手い。個人的には清原果耶ちゃんに似てるな〜って観てた。合唱したりデュエットしたり恋をしたりと、大好きなドラマのグリーをバージョンアップした様な楽しさ。
家族で喧嘩をしても手話なので、うるさくなくてちょっとコミカル。声に出さなくても手話で会話できるって事は、言葉の通じない外国人家族と同じに思えた。
愛のある人達ばかりで、心が癒されっぱなしで、ずーっとウルウルしっぱなし。
皆んなに観て欲しい超超オススメ映画です。
音、音楽って素晴らしい
王様のブランチの映画コーナーでレコメンドされているのを見て、早速鑑賞。
音のない世界に連れていかれた時、早く聴かせてと渇望しました。
聴こえるのが「普通」として生きていますが、聞こえない世界が教えてくれることがあると、知りました。
音や音楽に包まれて、癒しの時間を過ごしました。そして、しっかり涙活できました。
#06 『エール』のほうが絶対良かった
この作品だけ見ると家族愛が描かれてて、皆さん良いと思うんだろう。
でも『エール』の大ファンだった私にはなんかテーマが違って感じて嫌〜。
家族の変なところが振り切れてないし、主人公が家族の犠牲になってるところが全面に押し出されているのがなんだかな〜。
原作は主人公がもっと純粋に歌が好きだったような。
そして家族も地域にもっと馴染んでたような。
どこかで『エール』をもう一回上映して。
手話は世界で一番優しさを秘めた言語なのかもしれない。
本作に感銘を受けた人は、
是非「ふたりだけの微笑」も見てほしい。
お互いを分かり合えなんて、
綺麗事は言えない。
何故ならば、私は聾唖者の苦悩を知らないからだ。
全てを分かり合えないし、
分かち合えない。
それでも、ほんの少しでも相手に伝えようとする姿が涙を打つ。
想像以上に素晴らしい作品
歌が好きな女の子が家族の為じゃなく自分の為に生きるって映画かなって思ってたら、全然違った。
親という立場からすごくユーモラスだけど自分本位な前半が物語が進むにつれ、それぞれの思いや近況の変化が描かれて、彼女が歌うたびに何故か涙か出た。
後半のはっとする演出と主人公が自己犠牲をしてるのではなく本当に愛情深い家族だからこそやれたことだったんだと感じて最後は号泣だった。
主人公だけでなく子供だった人は誰でも親の期待や希望に大なり小なり自己犠牲をした時があるんじゃないかと思う。
彼女の歌は素晴らしいしストーリーも笑えて泣けて素晴らしいので是非いろんな人に見てほしい。
エミリア
の声が本当に一番好きな音質で、歌声をいつまでも聴いていたくなります。歌手なら音盤買うくらい好き。エンドロールで普通に終わりそうなので残念だなーと思ったら、ちゃんと歌ってくれました。もっと泣かしに来るかと思いきあ、丁寧に作られていて文句なし★5つです。
そして響くあいのうた
これは素晴らしい作品、みんな観てほしい
耳の不自由な一家に産まれた、抜群の歌唱力を持つ女の子の物語
ちょっと違うからって悪気なくからかう側と、耳が聞こえないから無造作に大きな音を立てちゃう側の間にずっと挟まれて生きて、自我を殺してるところに埋もれてる際立った才能
それぞれの人の強さと弱さが優しさでつながりあってって、そして響くあいのうた
拭いても拭いても涙が
描かれるのは人生。泣いた。
あざとい泣かせの装置と勘繰る障碍と才能の皮肉が、
みるみる物語に溶け込み普遍的な何かに達する喜び。
結果描かれるのは障碍、音楽、才能、家族、職業でなく、
ただ人生という当たり前に泣いたのだと思う。
フラガール 、エースをねらえ、の系譜にまた秀作。
これが映画だ。
そうだ、手話から始めよう‼️
たまにあるんです、こういうのが。
ルビーの歌声の一部しか流れていない予告編なのに、〝これはきてる❗️絶対泣くだろうな〟と高い満足度が設定されてしまい、いい映画であることがデフォルトになってしまう(『クライ・マッチョ』なんかもそのひとつでと思います)。
なので、実際に見て予想通りだとアレ⁈こんなもんだったっけ?という感じで、期待していたほどは刺さってこない(感じがする)。
そのせいなのか、感動した、というよりも、感心した、という印象のほうが強く残りました。
早朝3時に目覚まし時計をセット、父と兄の操業する漁船でともに働き、新規事業も手助けしつつ授業は居眠りして体力を回復、そのまま自分の歌のレッスンに向かう。こんな健気な若者を応援しないわけにはいかない。
家族の身体的な障害に限らず、貧困や虐待など、自分が生まれた家族の状況を当たり前のように背負い、自分の人生に〝選択肢〟はないのは仕方がないことと思い込まされている人たち。
もしそんな人が身近にいたら、どんなにささやかであっても、その人を応援する側につかなきゃいけないよね。
そんなことを爽やかに感じさせてくれるとても暖かで心地良い映画です。
【追記 2022.1.27】
お母さん役のマーリー・マトリンさんが気になり、アカデミー主演女優賞を獲得した『愛は静けさの中に』を鑑賞。
顔のすべてのパーツが純正品で完璧に整っている、そんな感じの綺麗な方でした。
この作品の中でも「子どもは私と同じ聾唖であって欲しい」というようなセリフがありました。『コーダ』の脚本と繋がっていたのですね。脚本家のリスペクトが伝わってくるようです。
『愛は…』の原題はChildren of a Lesser God
全知全能ではないやや劣った神の子どもたち、すなわち機能の不完全な障害のある子どもたち。
邦題も悪くはないけれど、原題のニュアンスのほうが、愛の意味がより大きく寛く響いてきます。そして、完璧に整った顔のマーリーの存在自体が別の何かを問いかけてくる。
そんな映画でした。
泣いて笑って、笑って泣いて…
でかい音量でhiphopをならしながらクルマを走らせ、その振動音(ビート)を楽しむ漁師の親父、激しい身振り手振りで話し、笑い、泣き、怒る家族たち。なんてお喋りな人たちなんだ。健聴者で生まれたルビーが歌手になるのは必然だった。
歌を歌うときの気持ちを言ってみなさいと音楽教師に言われたときに、ルビーがその思いを手話で表現したとき僕は泣いた。そうか、この子にとってのNATIVEは家族と語り合うときの手話なんだ。そういうことなんだ。
最後のオーディションでルビーは「青春の光と影」を歌った。そしてその会場にこっそり忍び込んできた家族たちを見つけ、ルビーは手話を交えて歌い始めた。生きること、生きることの素晴らしさには、必ず光と影(both side)がある。それこそが素晴らしいんだ。僕は号泣した。
切なく爽やか
家族の中でただ1人の健聴者である少女の勇気が、
家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を
描いたヒューマンドラマ。
と聞いただけで鑑賞マストでございます。
主人公ルビーを演じたエミリア・ジョーンズは
お見事でした。
いやいや、両親とお兄さんも(実際に聾唖者)
素晴らしい家族愛を
表現してくれました。
ラスト10分はずっと号泣。
鑑賞後の爽快感。
あぁ、スッキリした。
明日からまた頑張れる。
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