コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価
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『サウンド・オブ・メタル』と併せて観たい一作。
絆の深い家族だからこそ、胸に刺さるような一言を発することもある、それを痛切に理解させてくれる一作。
才能ある若者が、優れた指導者に見出されて未来を切り拓く。そんな物語はこれまで多く作られてきたけど、本作の主人公ルビーの持つ歌唱力という長所を、耳の聞こえない彼女の家族は直接体験することができません。そのもどかしさを抱きつつ、それぞれがどのように人生の決断をしていくのかが丁寧に描かれます。
漁業を営むルビーの家族は、時にかなりの憎まれ口を(手話で)叩くものの、深い愛情と絆で結ばれていることが、仕草の端々に伝わってきます。その一方で、漁船には必ず聴者が一人乗り込まなければならないという規則、そして仕事上の交渉の際に手話通訳が必要、といった現実上の要請もあり、学業と仕事の両方をルビーに背負わせざるを得ない状況にあります。さらに子どもを手放したくないという愛情、そして彼女の才能を理解してやれないという苛立ちがないまぜになって、ルビーが音楽の道に進みたい、という願いにも簡単には同意しません。諍いの時に交わされる言葉は、それが偽りのない心情に裏打ちされていることが分かるだけに、一層鮮烈です。
ルビーの家族を演じた3人の俳優はもちろん、本作のために手話を猛練習したというエミリア・ジョーンズの演技は素晴らしく、本当に家族のようです。彼女の才能を見出す音楽教師を演じるエウヘニオ・デルベスは、出身の設定からして彼そのもので、エキセントリックな指導場面を非常に生き生きと演じていました。一生懸命覚えたと思われる手話で対話する下りは、短いけど爆笑。
最初は軽薄に見えていたルビーの兄が、父と共に逆境を跳ね返していく姿は頼もしく、ルビーを産んだ時を回想する母の言葉の重さは深く胸に突き刺さります。そして終盤の、音にかかわるある演出に、『サウンド・オブ・メタル』を思い起こし、スクリーンを通してだけど、彼らの中に”入り込んだ”ような気がしました。
いい塩梅で爽やかに感動できます。
リメイク元の作品「エール!」は未見です。人間の内面や闇をぐりぐりとジリジリと炙り出すような・・・ヒリヒリしてゲロ吐きそうになるヒューマンドラマが好きな捻くれ者の私でも、さわやかなカンドー話は大好きなんですよ。
本作は家族愛っす!離れることのない心。伝わり合う愛情。嫌いだけど好き、好きだけど嫌い。だって家族なんだもん、大切なんだもん!聾唖の家族を歌声が繋技、そして未来の道を照らす・・・なんとまぁグッド・ストーリー!!!
いー塩梅の波風立ちます。
いー塩梅のスポ根、成長物語。
いー塩梅のユーモア。
いー塩梅の涙腺刺激。
いー塩梅の結末。
濃すぎず薄すぎずベタすぎずの感動エンタメ。ホント、いー塩梅(拍手)
本作のキーとなているであろう歌声の聴かせ方(見せ方かな?)は「ずるいっ!」って心で叫んじゃいましたよ。泣いちゃいますよ、これ。もー。やるなぁ。クライマックスの演出が良いのです。お父さん目線の一連の展開はマジでずるいよ。でもって、ラストのお父さん・・・なんだよ。なんだよー!です。
みなさん、最後の最後のお父さん、大注目ですよ。私はここで涙腺のダムは最大の決壊です。見せ方がいいんだよなぁ。普通で。それがいい。(ネタバレっぽく書いちゃってすみません)
これ見よがしの感動を大上段に構えた映画ではありませんが、爽やかな後味で劇場を出られます。おすすめですねー。
たくさんの人に観てほしい
久しぶりに映画館で観賞しましたが、この作品を選んで良かったです。
常に一緒だった家族が、ルビーの夢によって変化していく。自立においての葛藤は、子どもだけでなく大人にも言えることで、成長の過程でどれだけ互いに愛情があったのか窺えます。歌はやはり声だけで伝えるものじゃないことが分かる。なにより無音シーンが心に響きました。
PG-12なのがもったいないです。家族で、また若い方にも観ていただきたいので。夫婦仲が良すぎたせいでしょうか。合唱の先生も癖があって面白かったです。ルビーの友達も奔放のようでいて優しいのが分かる。
たくさんの人に観てほしいです。
君の声に恋してる
はい。よく私の馬鹿レビューを覗きに来て頂きました。
ありがとうございます。
いきなり映画の感想ですが、良かった❗️泣いた❗️笑った❗️こんな映画を待ってました。
脇道に逸れます。
割と最近の事です。知人のカナダ人のピアニストと話しをしていた時です。彼の知人が帰る時。突然・・・
♪さよなら さよなら さよーなら
えっ‼️カナダ人が何故、オフコースを知ってるの?
彼は言いました。日本に来て22年だよ。
なるほどね。
最近雑誌で知ったんですが・・・オフコースの「さよなら」にインスパイアされた名曲って知ってますか。誰でも知っています。それは・・・
山下達郎の「クリスマス・イブ」
「さよなら」の最後は
🎵 外は今日も雨 いつか雪になって僕らの心の中に
降り積もるだろう
かたや「クリスマス・イブ」の冒頭は
🎵 雨は夜更け過ぎに雪になって Silent night Holy night
ねっ?おんなじでしょ?達郎さんはこれなら俺にも作れると感じて作りました。
いやね・・・オフコースも山下達郎も大好きなのに気づかなかったのか‼️私は。ほんとに馬鹿だ‼️
それで、カナダ人のピアニストに聞いたんですよ。山下達郎は知ってる。彼曰く・・・
声が素晴らしい。
嗚呼・・・流石です。声は国境を越える。時代を越える。
コンサートは割と行ってますが、声に感動して泣いたのは達郎さんだけ。君の声に恋してる。
さて映画の感想ですが。私は主役のエミリア・ジョーンズの声に恋したようです。
この映画は家族、お仕事、青春、恋愛、色々な要素がありました。しかし着地点は音楽です。名曲を散りばめていましが・・・
Both Sides Now (青春の光と影 ジョニ・ミッチェル)
そうなんだよな。物事は一面からみちゃダメ! 上からも下からもね。オーディションのシーンね。先生、ミスタッチはグッドジョブ‼️
なんかねテーマが違うのは百も承知ですが、「天使にラブソングを」を思い出しましたよ。日本人は大体好きな映画です。
あと、フランス映画の「エール!」がベースらしいんですが、関係ないです。良い映画です。だってサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」だってパロディだったはずなのに、元歌より数段上の知名度。
もう一回言いますが エミリア・ジョーンズの歌声が本当に素晴らしい。いや多分、泣く映画じゃ無いんですが、頰を濡らしました。恥ずかしい。後ろの人も鼻をすすってました。同じ気持ちかな?
帰りは鼻歌で、青春の光と影。
大満足です‼️
読んで頂きありがとうございした。
家族愛に笑って泣ける
ほっこりと感動する
フランス映画「エール!」は当時上映中だった映画館で鑑賞した。歌の才能のある女子高生が家族の困難を乗り越える成功物語だったと記憶している。若い恋も盛り込んだ王道の作品である。
本作品はその「エール!」のリメイクで、あちらが農家だったのに対して本作品は漁師の一家という違いはあるが、家業にピンチが生じているときに娘に歌の才能が発見されるというドラマチックな展開はまったく同じだ。展開が同じなのにまたしても感動してしまうのは、物語に力があるからである。それが分かっているからこそのリメイクなのだ。
あとは登場人物をどれだけ魅力的に描き切るかの勝負であり、本作品はそれに見事に成功している。特に主人公ルビーのキャラクターがいい。寛容で愛と優しさに満ちているが、時折は17歳らしい癇癪も起こす。
イタリア人の音楽教師はズケズケと物を言うが、若い頃の情熱を失っていない。永遠の青年である。この教師の存在がなければ物語が成り立たない重要な役どころだ。ルビーの両親はあけすけキャラで憎めない。父親には哲学があり、母親はリアリストで視野が狭いが、いずれもルビーに対する無償の愛がある。
聾唖や盲目、その他のハンディキャップがある人は世の中にたくさんいる。大事なのは彼らのことを理解することではない。目が見える人に盲目の人のことは理解できない。大事なのは、ハンディキャップの有無に関わらず、その人の人格を重んじるということである。
人格を重んじるということは即ち、その人たちが生きやすい社会を作るということである。ハンディキャップのある人のために税金を多く割いたからといって、それを不平等だと主張するような人がいない社会を作ることである。そういう社会は未だに実現されていない。
さて、ルビーの歌はたしかに上手いが、歌で生きていけるほど上手いのかは、映画を観ていても分からない。しかし家族はルビーの自立を手放しで喜ぶ。多分自分たちはなんとかなる。家族はどこまでも楽観的だ。これからも沢山の不運が家族を見舞うだろうが、この家族なら笑って乗り越えていけそうである。
ほっこりとするいい作品だと思う。
やばし!ティッシュ必携!
障害者を扱う作品は、良い子ちゃんぽくなりがちだけれどもこれは違いました。予想以上に心を揺さぶられる作品でした。
「ブリムストーン」や「ゴーストランドの惨劇」でさんざんひどい目に遭っていたエミリアちゃんがふっくらたくましくなって登場!コーダの苦労、孤独をはつらつと演じていました。
ろう者の寂しさ、コーダの寂しさ、頼らざるを得ない、やらざるを得ない関係、なんか切なくなってしまって涙を抑えることができませんでした。
ろう社会と聴こえる社会の間にいるコーダは、彼らにしかわからない寂しさや苦労があるのだろうことを考えました。
私の知り合いのろう者が、「生まれた孫が聴こえない子で嬉しかった」と言っていたのを思い出しました。
コーダ あいのうた
この映画を観て泣かない人っているのかな?
予告が7割
評価とんでもないことになってるじゃん!★4.3って何事ですか!? そこそこ楽しみにしていたけど、これはやばそうだ。結構期待に胸をふくらませて鑑賞。うん、期待しすぎてました笑笑
テーマだけ見るとすごく重めな映画に感じるけれど、笑えるシーンやほっこりするシーンがかなり多く、雰囲気も居心地もかなりいい。軽快なステップでストーリーが進んでいき、だれることなく最後まで突っ走る。この手の映画であっという間と感じるのはなかなか珍しい。大体は途中で飽きちゃうんだけど、本作は全くそんなことは無い。非常に優しくて温もりのある映画でした。
何より登場人物のカッコ良さ。
主人公の真っ直ぐすぎて優しすぎる性格に心掴まれるし、兄の何気ない優しさににんまりしてしまう。何より、V先生がすごくいい先生でした。厳しいけど情熱的で頼りになる大人ってこの年齢の子供にとっては偉大だよなぁ。指導の仕方も完璧だし、ラストシーンも泣きそうになるし。
そしてこの映画の見所はもちろん音楽。
主人公の歌声が心に響くのはもちろんのこと、ボリュームを上げたらバックの音楽だけになったり、イヤホンを外したら音楽が聞こえなくなったりと、見せ方も上手い。オーディションでの選曲も良くて、終わったあとは気持ちがスッキリする。特に意外なことも無いんだけど、心が癒されて爽快な映画でした。
ただ、予告が内容のほとんど。
これは作品の評価ではないかもしれませんが、予告が映画の内容を見せすぎていて純粋に楽しめなかった。次こうなるんだろうなぁって予想が出来てしまうし、予告以上だったとも言えなかった。
あと、そこまで飛び出していい所がない。
正直ここまで評価される理由はわからなかったかな。いい映画だけど、別に平凡っちゃ平凡でテンポの良さやキャラの描きはお見事だが、そこまで感動できるわけでも響く訳でもないので、個人的にハマらなかっただけなのか★4.0以上つけるほどでは無いのかなと思いました。
まぁまぁ、でもいい作品でした。
手話を勉強したいと思いました。もっと多くの人と触れ合いたい。英語の次に手話が大事じゃない?
劇場で彼女の歌声を聞いて欲しい
CODA(コーダ)は音楽記号として有名ですが、聴覚障害(聴こえない...
Coda
涙と一緒に心が洗われた感じ
何より、エミリア・ジョーンズ
やはりオリジナルの『エール!』との比較からになりますが、ストーリーは大筋で同じであるものの、設定や細かい部分は『エール!』よりも現実感高く、観やすくなっています。
『エール!』は「超が付くほど強烈なキャラクターのママ」に対して、「どこまでも家族のために自己犠牲の選択を採る娘」に同情。そして最終局面における「オーディションでの直接的なメッセージとなる歌と演出」で一気に涙腺崩壊させられるという、かなり「力業」でもっていかれる映画でした。
それに比べると『コーダ』のママは全然マイルドだし、娘のルビーの主張も唐突さはないし、ちゃんと10代の若者らしく、112分はスムースで安心して観ていられます。
特に、『コーダ』の良さは何よりルビー演じるエミリア・ジョーンズの歌唱力ですね。『海賊じいちゃんの贈りもの(14)』や『ブリムストーン(16)』でも好演を見せてくれていましたが、大きくなり演技だけでなく、とても「いい声」をしていて、おじさん(私)はとても喜ばしく思いながら拝見しておりました(笑)。
そして劇中歌の楽曲もよく、特にオーディションでルビーが歌うジュディ・コリンズの『Both Sides Now(青春の光と影)』は私も大好きな歌なので感動もひとしおでした。勿論、サントラもすぐにダウンロードしたし。
まぁ、日本での「AppleTV+未配信」にはユーザーとして少々思うところありましたが、結果的にはやはり劇場で観て良かった作品だったと思います。
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