コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価
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涙涙なのですが…
主人公ルビーの熱演、胸打つ美しい歌声。実際にも聾唖者が演じる家族。ルビーを音楽の世界に導く音楽教師。役者の演技は文句のつけようもなく、「気持ちよく」号泣させてくれるストーリー展開。
でも、でも、アカデミー賞作品賞の受賞には心底驚いた。今のアメリカが求める世界なのかな。
一方、アメリカ現地でも「ホールマーク・ムービー」と揶揄されてもいるそう。正直、あまりの分かりやすい「感動もの」に居心地の悪さも感じてしまった。そんな自分が恥ずかしいような複雑な気分。
似た題材、似たシーンのある傑作、1988年アメリカ映画「旅立ちのとき」(R.フェニックス主演)を思い出す。こんな素晴らしい映画を作るのもまたアメリカ。
垣根を超えて
私はこれまでの人生で、周りに聾唖者がいなく、
自身も健聴者だったため
この映画を観て、自分の先入観に気づくことがありました。
聾唖者の母にとって、
生まれる子供は健聴者であってほしいと思うはずというのは私の勝手な思い込みでした。
そうか、子供が健聴者だと、違う世界になってしまう感覚になるのかぁと…。
それから、子供の人生は親のものではないのだから、
応援してあげてよってお母さんに対して思いましたが、
誰かに子供は歌の才能があると言われても、聞いたこともなく、誰かと比べることもできなかったらどう才能があるのか分からない、
だからずっと家族といてほしいって言ったのかもしれないなと思いました。
生活は貧しく、死活問題にもなってしまう
漁を禁止されたり問題は色々起こるのですが
家族がみんな幸せそうで、悲壮感がないのが良かったです。
まさに障害は不便であっても不幸ではないってこういうことなのかと思いました。
映画の中で、家族の愛情が伝わるシーンがいくつもあって、そのたびに胸が熱くなりました。
言葉でなくても愛を伝える方法って沢山あるんですね。
あとエミリア・ジョーンズの歌声にはのっけから感情を揺さぶられてしまいました。
シンプルで快活な映画
アカデミーで受賞される前と取ったあとの計二回観賞しました。やはり、面白かった。聴覚障がい者と健聴者の二つの視点で描かれた本作は作る側と観る側の「多様性」を取り込んだ傑作でした。ろう者の家族は近所では変わり者として扱われていたが、暴力や村八分のような扱いはされていなくて、漁師として扱われていたことに少し安心した。
兄のレオはルビーの親友といい感じすぎる関係になっていたり、労働組合を作ったりして急展開が激しい内容でしたが最後には丸く収まって本当に良かった。
ベルナンド先生も個性的で高慢な印象でしたが、音楽に対して情熱を持っていたり、資質のある生徒には道を導く模範的な先生でした。
手話でヘルペスを表すシーンも面白かったですが、何より痛感したのが聴覚障がい者は「娯楽」を楽しむ機会がほとんどない、ということを教えられました。今後、耳の聞こえない人でも楽しめる映画が作られたら、もっと映画業界も面白くなりそう。
歌声が好きすぎる…
「エール!」ほどには・・・
フランス版が気に入っていたので、ほぼ「エール!」のシーンを思い出しながらの鑑賞となった。
彼氏にパッとしない感が・・・
汽笛が聞こえない、ろう者の操船は可能なのか?(免許取得の可否)
(実際、劇中でも聴者の乗船義務を課せられていた)
主人公の歌声も悪くはないのだが、際立って優れている感じがしなかった。
(致命的な部分?)
「エール!」は後半、グッとくるものがあったが、本作は焼き直し感と相まって、予定調和的な終わり方だったかなと・・・
無音の部分、完全無音なので、かえってリアリティがないような印象。聞こえそうで聞こえないもどかしさが良かったのに(聴者の論理?)。
アメリカには、ルノーカングーのような小洒落たファミリーカーがないのか、クルマのシーンにも、さほどにワクワク感がなかったような・・・
「エール!」は何回も観ているが、本作の場合は・・・ちょっと微妙。
音のある/なしを超えたメッセージが伝わってくる
ため息がでました。
事前情報の泣けるとかは要らなかったです。一応ティッシュ持参で行きましたが、大事なのはそこじゃないと思います。
アカデミー賞受賞作品において私が共通して思うのは、その作品でしか感じられないような特別な時間を持っていることだと思います。
自分たちは理解者だと、そんな幻想に近い盲信に気付かされる場面があり素晴らしかったです。
あとは自分の生き方を考えさせるだけの説得力がありました。そういうと説教臭いのかと思うかもしれませんが、悩み抜いて、深く理解し合う、そのような経験が私にもこれからあるとは思えない。そう思うと少し嫉妬を感じました。この映画は理解し合う事の素晴らしさを教えてくれました。なので最後にため息が出てしまいました。心が暖かくなるときに出るため息です、
2022年1番他人に薦めた名作
予想以上
う〜ん…アカデミー賞?
ケチはつけたくないけど…。泣けるけど…。
ストーリー展開の先が見えて、最後もうまくまとまってなんだかなぁ…。
私は心にグサって引っかからない。浅い感覚しか残らなかった。
手厳しいようだけど、家族愛的なストーリーはやり尽くされた印象で(もちろん、聴覚障害の家族は稀な題材で難しい挑戦だったとわかる)
もっとシビアで、現実的で、ずっと映画を見終わった後でも考えつづけたくなるような、簡単に気持ちを言葉にできないような深みのある映画に出会いたい。
これがアカデミー賞?「ドライブマイカー」の方が演者、演出、音楽、脚本のセンスが数段上!これは自信を持って言えます。
静かにその作品世界をしばらく浮遊していたくなるような。
何度でも違う角度から考察してしまいたくなるような。
そんな深い思考を与えてくれるものに出会って行きたいです。
日本映画に期待しています。
澄んだ歌声と温もりの手話が包む世界。
この展開って、日本でも良くある「家族だから」論だなぁ。
家族だから協力して当たり前という謎ルールで、個人の将来をぶっ潰していく。
ルビーは「私の責任じゃない!」としっかり自分の意見を言えてたが、多くは手伝わざるを得ない状況に追い込まれ、その癖全く感謝されず結局駒の1つである事を悟りながら年老いていく。
諦めと共に、頭の片隅では一生悔いが残るのよね。。
頼る方も、狭い世界の中で、偏った知識の中で、それしか頭に浮かばない。
だから、コンサートの後「俺の為に歌ってくれ」と言える父親の心の豊かさに心が震えた。
真に相手を思いやると言う事は、己のエゴや不安や執着を超えてなお、その人の意見に寄り添おうと努力できるかどうか。
凄く難しいんだよ。
フランス版を見ていたので、どうかなと思っていたけど、娘のオススメも...
やっと聾唖者に陽の当たる作品
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