「とてもいいものをみた気分になる」コーダ あいのうた ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
とてもいいものをみた気分になる
正直それほど心を射抜かれることはなかったのだけど、泣けることこの上ない。選ばれたキャストがほんといい味を出してる。聾唖の家族だけでなく、音楽の先生までこなり濃い。特に父親は凄まじい。兄が泣かす。
聾唖の家族の通訳のように生きてきた娘の自転車で港町を駆け抜ける日常や悔し涙の表情がいい。そして言葉が通じないからこそのギャグも随所に決まってる。そして聾唖家族が知るよしもない音楽の力を発見するその場面。自分の娘が天賦の才能を持つ娘だとわかる表現がにくい。やりようによってはあざとくなりそうだけども泣ける。そしてオーディションがまた泣かす。青春の光と影か。ここにきて手話が圧倒的な表現力で迫る。歌は伝えること、という先生の最初のコーチングのそれがミックスされて、とても幸せな気分になった。
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