デューン 砂の惑星 PART2のレビュー・感想・評価
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帝国の逆襲だという意味がわかった
PART3が確約されたような作りでニヤけました。
「砂漠の救世主」部分も食い込んでるし、作れたらいいなあとすっとぼけてみせるヴィルヌーヴは策士です。
成長したアリア出てるじゃないですか!
これで製作はなくなりましたなんてことになったら、全世界のフレメンが暴動を起こしジハードとなるでしょう。
21世紀を代表する映画になりましたね
世界観や壮大さは申し分ないが
Part2の上映前に、急ぎPart1を自宅で視聴。
原作は見ていないが、世界観もさることながら、新スターウォーズ的な物語が始まるのではないかと期待。
Part2こそはと思いIMAXで視聴。
迫力はすごいのだが、ストーリーが重要なところで省かれてしまっている点が残念すぎる。
Part1では倒せそうもない敵役ハルコンネン家が、ここまで小物化してしまっていては歯ごたえがない。
せっかくの戦闘シーンも味気なく見えてしまう。
そもそも戦闘シーンも今回は省きすぎな感じも・・・
音響はハンスジマーということで、ノーラン監督作品が好きな自分にとっては楽しみの一つだったが、もうお腹いっぱいと言わんばかりの重低音がずっと鳴り響く。
原作を映像化した作品として価値があると思うし、ストーリーの煩雑さもPart1もう一回見ればちゃんと理解できると思う。題材もよいが、ストーリーが雑なため残念な感じ。
・・・こんなことを言いつつ、三部作で完結ならそれでちゃんと評価はしたいのでPart3も観にいこうかなとは思っている。
恒星間航行に必要とされるスパイスを唯一生産できる砂の惑星アラキス。...
恒星間航行に必要とされるスパイスを唯一生産できる砂の惑星アラキス。
皇帝より新たな支配を命じられたアトレイデス家は、宿敵ハルコンネン家の急襲に遭い、ほぼ全滅に近い。
生き延びた息子ポール(ティモシー・シャラメ)と母レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)は砂漠へ逃亡。
スティルガー(ハビエル・バルデム)率いる砂の民フレメン集団と出逢い・・・
というのが前作までの話で、今回はその続き。
宿敵ハルコンネン家の追手が迫り、皇帝の陰謀も絡み、ポールはフレメンたちの伝説「外からやって来て、フレメンたちを救う救世主」と目され、フレメンを率いてハルコンネン家と戦う・・・と展開する。
そう展開するのは観客たちは百も承知、これまで数多く観てきた物語だから。
そうすると興味の焦点は「描写」ということになるわけで、砂の惑星を中心とした画面は圧倒的な画力がある。
砂漠の描写のみならず、フレメンたちが集う洞穴の様子、ハルコンネン家のコロッセウムなど迫力ある映像が、悠揚と描かれます。
なので、いやぁほんとに素晴らしい、の一言でレビューを終えたいが、いやいや映画は画力だけはないよね。
物語の語り口、主人公を中心とした人間同士の葛藤とか、画力だけでは描けないところもみたいわけで。
その点からすると、かなり淡泊な印象は否めない。
ポールは予知能力を得て、自分がフレメンの救世主として頂点に立ったあとの悲惨極まりない戦闘がつづく世界を予め検知している。
それでも、その地位に立たざるを得ない・・・というあたりがわかりづらい。
また、ポールが救世主の座に就くのを、陰謀めいた考えから支え、フレメンの教母の座に就くのが母のレディ・ジェシカなのだが、彼女の陰謀めいた考えもあまりうまく描かれない。
どうもこの物語、主題は「生物学的な血統の継続」、つまり、生物としての生き残りを描いたもののようで、物語を裏で動かしているのがベネ・ゲセリットと呼ばれる高次の能力を有する女性たち。
男性諸氏は、彼女たちにとっては駒のひとつに過ぎず、ポールもその例外ではないのかもしれない。
とすると、映画のラストでポールは皇帝の娘イルーラン姫(フローレンス・ピュー)を選ぶが、選ばれなかった「砂漠の春」の正名を持つフレメンの娘チャニ(ゼンデイヤ)の確執が、こののち描かれることになるのだろうか。
また、ベネ・ゲセリットの教母(シャーロット・ランプリング)とフレメンの教母レディ・ジェシカとの確執も描かれることになるのだろうか。
そして、真の砂漠の救世主はレディ・ジェシカの胎内にいるポールの妹ということになるのであろうか。
となれば興味深い。
個人的には、ポールの物語は脇に置いておいて、という気分です。
体感する異世界、映像美と人物の圧倒的存在感
IMAXにて鑑賞
いやぁ、言葉がないとは、このことですね。
とにかく観てくだされ、できればIMAXで、としか言いようがありません。
パート1より、はるかにパワーアップしてます。
パート1観てなくても、何なら後から観ても、充分楽しめます。
ロングランになりそうだから急ぐ必要はないけど、行動範囲にIMAXシアターがあれば迷わず選択することをお勧めします。
【以下ネタバレ注意⚠️】
四條畷のイオンにIMAXシアターが一昨年入ったので観に行きました。
日常的な買い物ついでに、異世界体験ができちゃうんですから有り難いことです。
圧倒的な映像美。
五体に響き渡るハンス・ジマーの重低音。
それらに伍して存在感を魅せつける俳優陣。
いくら韓国映画が凄かろうと、中国映画のCGレベルが世界水準になろうと、こればっかりは、ヴィルヌーヴにしか出来なかったでしょう。
もう、とにかく166分圧倒されて、エンドロールが終わるまで、客席を立つ人もいなかったですね。
ショップで、パンフレットありますかと訊いたら、売り切れでした。
公開2日目で、ですよ。
どうしても欲しかったので、数軒ほど他の近隣の映画館に電話したら、どこもまだ充分在庫ありますとのことで無事入手できました。
これ、おそらくIMAXをわざわざ観に来るような客は、最初から熱心でパンフレットもほとんど買う人ばかりだったか、観たらあまりにも素晴らしかったのでパンフを購入する人が多かったのか、のどちらかのはずです。
どっちにしても、本作のIMAX体験は公開2日足らずでパンフ売り切れになるぐらい凄いってことだと思います。
いやぁ、それにしても凄かった。
ある世代の映画ファン、SFファンにとっては、『2001年宇宙の旅』(1968年)以前と以後とで、別の世代では『スター・ウォーズ』(1977年)以前と以後とで、歴史が変わったと言えるように、これからは、ヴィルヌーヴの『DUNE』が歴史の画期になることは確実だと思います。
だって、出てる俳優からして凄すぎるじゃないですか。
主人公ポールを支える砂漠の民のリーダーが『ノーカントリー』(2007年)でオスカーに輝いたハビエル・バルデム(54歳、スペイン出身)、敵方ハルコネン男爵がスウェーデンの国宝級俳優ステラン・スカルスガルド(72歳)、妖女レディ・マーゴット・フェンリングに『アデル』(2013年)でパルムドールに輝いたレア・セドゥ(37歳)、教母モアヒムにイギリス出身の国宝級女優シャーロット・ランプリング(77歳)、そして、皇帝役に、デ・ニーロ(80歳)と並んで、ハリウッド現役の最長老クリストファー・ウォーケン(80歳)と、文字通り、欧米全土から新旧の国宝級俳優をかき集めた超豪華キャスト。
どの俳優も、セリフ回しや小細工に頼ることなく、圧倒的な存在感をもって、作りに作り込まれた圧倒的映像美に対峙する説得力を有している。
そして、これらの世界最高峰の俳優陣に1ミリも引けを取らず、実力で勝ち取った覇王の存在感を示したのが、我らのリサーン・アル=ガイブことポール・ムアディブ、ティモシー・シャラメその人。
サイコパスの最強ヴィラン、フェイド=ラウサ(オースティン・バトラー、32歳)を討ち殺し、宿敵ハルコネン男爵の息の根を止め、80歳の皇帝を跪かせる28歳のポール=シャラメの姿は、これぞ『ナポレオン』の戴冠式で本当は観たかった真の王者のそれでした。
また、少し間をおいて、パート1から通しで観たいと心底思います。
そして、パート3が今から楽しみです。
※Filmarks投稿を一部修正して投稿
スターウォーズ亡き後のスターウォーズ
褐色とモノクロのストイックな色使いだが
3時間全く飽きさせなかった。
テンポ良く話が進むのは良かったが
序盤で砂漠の民の仲間になるため
砂漠のソロキャンプの試練に出されるが
編集でカットされてしまった?ようで惜しい。
「小さいムカデとクモに気をつけろ」と言う台詞が
あったのでそのシーンは作られていたと思う。
小さい虫とのバトルを見たかった。
予言や予知夢で話を先導しつつ
トントン拍子に民の信頼を得て
救世主になっていく様がやや都合が良すぎるが
元々そういうストーリーなんでしょう。
砂虫(劇中では人の名前のような固有名詞)の初乗りシーンは
やはり今の技術ならでは。
IMAX
最後はタイマンが気持ちいい。
現実に戻りたくない!一生ポールと冒険していたい!
4DXにて鑑賞。
上映時間166分。数字だけ見ると長そうですがあっという間!本当に終わった時、え?やだ、帰りたくない…!って思うくらい世界観に浸りきっていました。没入なんて言葉じゃ足りない!私はあの戦場に「いた」のだ…!
前作をちっさいスマホの画面で観た私は、是非ともPART2は映画館で…!と思いましたが、前作を映画館で観れなかったのが本当に悔やまれるくらい、映画館で観るべき作品であることを痛感しました。
大画面で繰り広げられる圧倒的スケールのSFアドベンチャー。素晴らしい音響に映像美、そして登場人物達の息遣いまで聞こえてきそうな緊張感。驚いたのは、戦闘シーンでナイフを相手に刺して引き抜く時、返り血(現実では水)を浴びたこと!画面では血が出ているようには見えなかったのですが、頬の辺りにピッと…。4DXでここまでこだわった作品は初めてでした。
本編のストーリーは打倒ハルコンネンへ向け物語が大きく動き出します。その中で、主人公の救世主たる葛藤が細かく描かれていたのが素晴らしかったです。ジェシカが身籠った胎児と対話するシーンも神秘的で良かったです。あのシーンでドグラ・マグラの「胎児よ胎児よなぜ踊る」を思い出したのは私だけではないはず(笑)
大迫力の砂虫ライド、圧巻のフレメン対ハルコンネン軍と見どころの多い本作ですが、オースティン・バトラー演じるフェイド・ラウサ(ハルコンネン男爵の甥)の存在感!冷酷でイカれ気味な狂気のヴィラン。そのくせ決闘は正々堂々と。か…かっこいい…!特異な外見も相まって目が離せません。「よく戦った、アトレイデス」は本作きっての名言です。
映画が終わった時自然と涙が溢れたのは何故か?圧倒されてしまったのだ。問答無用だ。レビューを書いている今も、私はラウサと共に砂虫ライドをしている…(意味不明)。
実際に目にしたかのような体験を
私は(評価は低いらしいのですが)デイヴィッド・リンチ版(1984年)が好きなので、そちらとの比較になってしまいます。私の感覚的には、デイヴィッド・リンチ版が舞台劇、この新作のドゥニ・ヴィルヌーヴ版が本物の実映像という印象を受けました。
PART1でも感じたのですが、本物の映像を見たかのような生々しさ、迫力、スケール感を存分に味わった気分です。更には、砂漠の国々の文化、伝統、戦いぶりが何千年もそうして戦い続けてきたようなリアルさ。実際、そうした部族に出演を依頼したんじゃないかと思ったほど。岩陰でしゃがみこむ仕草、仲間同士の素振りや歌うようなざわめき(♪異邦人)、地球人の科学文明が極まり、宇宙に進出して砂漠の惑星に住み着いたら、やはりそうした古代の風土へと変わってしまうのでしょうか。
逆にSF感は薄く感じました。砂漠での戦いが主であるため、どうしてもそうなってしまうのか。映画全体で、SF感を大きく担っていたのはUの字を連ねたロゴぐらいかもw ハルコンネン家と文化の違いもエグイのですが、どうにも自分はSFといえば未来のメカやロボットのイメージしかないので、単なる文化圏の違いにしか見えないな。あの白黒の花火が面白かったけど。リアルの花火をネガ反転したみたいで。
お話も渋い終わり方で、シビアで良いですね。皇帝を服したけど、領主会議(だったかな?)との対立を生み、ポールは最後の勝ったけど血まみれの辛勝、皇帝の娘との政略結婚、チャニとはことさら不仲のまま。俺達の戦いはこれからだ!って終わり方ですね。原作も話が続き、新訳も出ているので、PART3以降(タイトルも原作と合わせて変わるのかな?)も続くのでしょうか。ティモシー・シャラメさんが若く美しいうちに頑張ってほしいですねw
余談になってしまいますが、前回のデイヴィット・リンチ版もやっぱり好きです。オープニングはプリンセス・イルーランの姿が宇宙空間に浮かぶ独特のSF感。先に申したとおり舞台劇ならではのカーテンコールで締めくくられてて(顔写真じゃなくて、役者さんたちが身を正しているビデオ映像)締めくくりは砂漠に豪雨のハッピーエンドもいいじゃないですか。デイヴィット・リンチ独特のセンスも良かったなーって思うんですが、そうですか。評価低いんですか(映画.com:3.0)。残念、残念……。
砂上の楼閣
1作目は映像と音響の迫力に心底驚嘆したものだが、今作はこれといって特筆すべき見せ場がなく、満たされない気持ちのまま席を立った。いろんな設定や展開を1本に詰め込みすぎて、シーンごとのタメがなくなっているというか。
SFと言うより、もうほとんど戦争映画のようでもある。昨年10月以降のガザ紛争の報道を経た今となっては、北から南への逃亡とか核による脅しなど、どうしても現実の悲劇とオーヴァーラップしてしまう。それはもちろん原作のフランク・ハーバートの預かり知らないことだが。主人公も核の使用に言及しているし、政略結婚を示唆したり、何やら権力志向が前面に出てきて、共感しがたい人物になってきたのも残念だ。
主人公の母親がハルコンネンの血筋ということなら、アトレイデスと人種的な差異はないことになるが、なぜハルコンネンの一党は全員ハゲなのか?(剃っているのか)
あと、私だったらどんなに優れた能力が身につくとしても、砂虫の体液を飲むのは御免被りたいものだ。
話は難しいけど一見の価値有り
この映画は、近未来的な世界なのにエジプト古代文明のような岩をくり抜いたような場所で生活し、主人公や主人公の母親が言葉で他人を従わせるような超能力や未来を見る予知夢などを駆使し、砂の惑星に古くから伝わる〝予言〟を達成させる為に先住民族と共に行動していく、とても独特だが魅力的な世界。
この映画の良い面は、とにかく劇中での映像美。難しい世界観を理解出来なくても、映画の作り込みはとても評価が高いと思います。そして、この映画の最大の見せ場は、砂の惑星という特殊な環境で皇帝やハルコンネン家の軍勢と戦う為に、近代的な武器だけではなく〝サンドワーム〟という砂の惑星に住む巨大なミミズのような生物を利用し、戦いを挑む場面。特に劇中後半のサンドワームの群れが砂の惑星首都を襲うシーンは圧巻です。この描写を見るだけでもこの映画を見る価値有ります。
ただ、難点を言わせて頂くと、とにかく話が難しくて少し物語が駆け足気味(汗)
。まず劇中で登場する〝母親の体内で会話している胎児の妹〟。この胎児はどんな存在?何故胎児の状態で会話出来るの?次に、能力を覚醒させると言われる〝命の水〟なのですが、男性が飲むと死ぬと言われていたのに、何故ヒロインのチャニの涙をポールの口に入ると、瀕死の状態だったポールが回復したのか?あと、ポールの予知夢でチャニが死ぬシーンがあったのに、実際はラストまで生き残ったりとか、大勢の仲間が死ぬという予知夢も劇中ではそのような描写が無かったりとか。又、登場人物達がサンドワームを乗る描写はあったのですが、サンドワームから降りる描写は無かったので「どうやってあの巨大な生物から怪我せずに降りるのかな?」と不思議に感じたりなど、色々困惑した部分も多く、出来ればもう少し分かりやすくして欲しかった気もします(あえて、詳細な説明を省いてミステリアスな作りにしたのかな?)。
しかし、物語自体は二部作で上手くまとまっていると思います(少し駆け足気味ですが)ので、もし続編があるとしたらどのようなストーリーになるのか、とても期待したくなります。
この映画が気になっているけど、まだ1作目が未視聴だという方は、必ずレンタル等で予習したり考察動画を見て世界観をしっかり理解してから、今作を鑑賞されるようにして下さい。
新たなる運命
まだコロナ禍だった2021年、多くのハリウッド大作の公開が延期になる中公開された前作『DUNE/デューン 砂の惑星』は、劇場大スクリーンでスゲー映画を観たいという渇望を存分に満たしてくれた。
フランク・ハーバートの壮大で複雑なSF小説を鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴが映画化。
スケール、迫力、ビジュアル、重厚さ…どれを取っても見事で、『デューン』映像化の決定版と言って過言でもない。アカデミー賞で技術部門大量受賞は当然。
先日のアカデミー賞で『ゴジラ -1.0』が視覚効果賞を受賞し(超ブラボー!!)、低予算でもクオリティーの高い映像を作れる事を証明し、ハリウッドの予算肥大に一石を投じたが、高額予算はこういう作品の為にという事を本作は見せ付けてくれた。
開幕、画面いっぱい拡がる砂の地。SFギミック。響く音、音楽。
これら前作でも経験しているのに、またまた開幕から遠い未知の惑星に目と心は誘われる。
静かな幕開けながらものっけから前作超えの意気込みを感じ、展開していくにつれそれは確信に至っていく。
圧倒された前作はただの前菜にしか過ぎなかった。
画面映えし、魅了すらされる広大な砂漠。映像の力。
目を見張るVFX、ビジュアル。技術の力。
身体にまで響く音響。音の力。
耳から離れないハンス・ジマーの音楽。音楽の力。
全てから映画の力というものをまじまじと感じた。
現代ハリウッド史上最高レベルの力であると共に、作品というより一つの世界を創造したヴィルヌーヴの力そのものである。
今回、全編IMAXカメラでの撮影。それに適した映像も音響もいい最良の設備でのシアターで本来観るべき。いや、観たかったのだが、地元の映画館は通常普通のスクリーンで、吹替のみの上映。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の時もそうだったが、その映画の価値を分かっているのか疑問である。
がっかりしたのは地元の映画館だけの事で、こんな低設備でも作品の力は感じられ、作品自体は更なる高みや次元へと達した。
ヴィルヌーヴ創造の『デューン』は世界観や技術力が見もので醍醐味である事は確かだが、その深淵なドラマこそ見るべきものがある。
砂の惑星、アラキス。通称“デューン”。
砂は香料(スパイス)として、それを巡る利権も激化。
皇帝の命を受け、アラキスの新たな領主に着任したアトレイデス公爵だったが、皇帝と前領主ハルコンネン男爵の陰謀により暗殺。
唯一生き延びた息子ポールと母ジェシカは、砂漠の民フレメンと行動を共に…。
…という所で前作は終わり、気になるその後。
皇帝やハルコンネン家との決着、ポールの運命。
度々予見してきた通り、彼は救世主リサーン・アル=ガイブなのか…?
前作ではまだ世間知らずの若君だったポールだが、過酷な悲劇と試練が彼を変えていく。
自分はよそ者か救世主か、その葛藤。
超巨大サンドワーム乗りは映像のド迫力と共に圧巻。
やがて皆を率いる逞しさ、頼もしさ。
ティモシー・シャラメの魅力と演技力の賜物であり、本当に彼がこれからハリウッドを背負って立つ事を象徴しているかのよう。
フレメンの新たな教母となったジェシカ。レベッカ・ファーガソンのミステリアスな存在感。
リサーン・アル=ガイブを信じるハヴィエル・バルデム、再会を果たしたジョシュ・ブローリン。
続投組の中でもゼンデイヤの役回りは大きくなった。ポールと愛を育み、戦士として彼女もまた過酷な運命に翻弄されていく。チャニのドラマでもあった。
スパイスの全掌握を目論むハルコンネン家。
が、ポールらによって幾度も阻まれる。
男爵は甥ラッバーンを失脚させ、彼の弟フェイド=ラウサに任を託す。
兄に劣らぬ残忍な性格で、新参加オースティン・バトラーが怪演。
そのバトラーと陰湿なステラン・スカルスガルドの板挟みとなり、何だか今回デイヴ・バウティスタにちと同情。
皇帝クリストファー・ウォーケン見参。その皇女フローレンス・ピューも印象的。
今旬、注目株、実力派、ベテランの豪華キャスト。
奏でるアンサンブル熱演はまるで古典劇を見ているかのようで、『スター・ウォーズ』や『アバター』にはない見応え。
アトレイデス家とハルコンネン家のある因果には驚き…!
御家を滅ぼされた若き跡継ぎが敵に復讐する。
大まかにはそうだが、単純にそうではない。
フレメンのリサーン・アル=ガイブであり、ベネ・ゲセリットの超能力者クイサッツ・ハデラッハとしても覚醒したポール。
交錯する幾つもの運命。彼は彼自身なのか、救世主なのか、予見者なのか、宇宙の新たな統治者なのか。
ジェシカの思惑。
ポールを信じるスティルガーやガーニイ。ポールを愛するチャニ。
皇帝に忠誠を尽くすハルコンネン男爵だが、あわよくばその座を狙う。フェイド=ラウサも虎視眈々と。
皇帝もさらなる全宇宙の掌握を。
ベネ・ゲセリットの教母や皇女イルーランはフェイド=ラウサを利用しようと…。
各々の思惑や目論見が複雑に絡み合う。
そしてそれが、善悪白黒はっきりではない。
各々の立場もそうだがポールにしても、自身の予見や運命が、それが果たしてアラキスの民を解放する為のものか、新たな争いと悲劇の火種になるか、全宇宙の平和や自由に繋がるのか。
核や現実問題を報復させる争いなどヒヤリとさせられる。
クライマックス、ポールは死闘の末にフェイド=ラウサを倒し、皇帝をその座から引き摺り降ろす。
新皇帝、ポール・アトレイデス。
だが、そこにカタルシスや爽快感はない。
また新たな闘いへ…。
ラストシーンのポールを案ずるチャニの顔が忘れ難い。
PART2で終了と思われたが、ヴィルヌーヴはPART3も構想。
妥当だろう。続きが気になってた仕方ない。
ジェシカが語りかける未来の妹(あの人気女優!)、フェイド=ラウサとイルーランの間の子。
PART3のベースとなる原作小説の概要をちらっと読んだが、新皇帝ポール忍び寄る脅威…。
ポールの運命、皆の運命、宇宙の運命…その行く末は誰にも分からない。
分からないからこそ、このドラマチックでエモーショナルな物語に引き込まれてしまうのだ。
IMAX視聴。モノクロ風のテクノゴシック偉容が冴えるハルコンネン城...
IMAX視聴。モノクロ風のテクノゴシック偉容が冴えるハルコンネン城塞、都市を睥睨する鏡面装甲球状スペースシップ、軍団を呑み込む巨大サンドワームの群、とこれでもかと連ねられるSF的スペクタクルに、顔面一つで拮抗するティモシー・シャラメのイケメン力よ。こんなキラキラとした王子様が砂と血に塗れ、「マクベス」か「タイタス・アンドロニカス」もかくや、というようにな骨肉の殺戮政治劇の渦中に叩き込まれるギャップもたまらない。2作合計6時間近くも「大いなる破局の予感」に懊悩するだけで引っ張っているストーリーも、主人公の美貌と惑星アラキスの茫漠たる風景美でギリギリ成立している。なにせ「真の救世主」であるらしき妹はまだ生まれてさえいない!
普通に面白い大河ドラマの中編
完結編が観たくなる普通に面白い大河ドラマでした。
異世界に身をゆだね、戦慄と冒険を楽しみました。
ヒーローがサンドワームを乗りこなしたあたりから、各登場人物に感情移入出来るようになり。レジスタンスを応援していました。
物語は二重構造でそれぞれの層の人々の思惑が交錯します。日本の公家と武家の社会とみなせば難しくありません。
良いところは荒涼とした砂の大地です。砂の民なので地球のアラブ・イスラム風装束が合います。母の狂った愛、ヒロインの愛憎、ヒーローの変容が良かったです。
残念なところは、宇宙船の星への突入・巨大闘技場の観衆がCG丸出しなのと、群衆の戦いが前作同様にマクロで分かりにくく白けてしまうことです。監督とスタッフがこの分野は不得手なのかもしれません。
レベッカ・ファーガソンさんは今が最高だと思います。映画の良し悪しには無関係ですが、早くからベールで隠されたのは残念です。
はいりこめなかった
前作もそうだったけど、話に入り込めなかったですね。
復習しておきたかったのですが、時間の都合でできなかったせいもあるかもしれません。
戦闘シーンは迫力あっていいんですけどね。
格闘シーンがちょっとイマイチかなという気がしました。
特に最後、ポールに刀が刺さりながら押し込まれて、とどめを刺される寸前に刺し返したところ。あの体制からどういう返したのかがわかりにくいというか、わからなかったので拍子抜けでした。
次作もやれは見るのでしょうが、話がわかりにくいので予習復習が必要かもしれませんね。
リンチやホドロフスキーの呪縛から、抜け出すにはコレしか無かったのか?
SFの金字塔の原作は、指輪物語と同じく手を出すのは、中々覚悟がいるので未読。
ただ、大まかな物語は知ってる感じ。
Part1は、劇場鑑賞済。
一大叙事詩を映像化する覚悟を持った誠実な映画だと思いました。
Part1で不満だった兵器や船、プロップ等のデザインや描写が増えてその部分は満足、惑星アラキスの生態系の肝の砂虫も顔出し興行の前作より、物語の展開上必須だけど、やっとしっかり見せた。
ジェティ・プライムの闘技場のモノクロシーンや、そこに出てきてた看守?のデザインも狂ってて良かったし、ポール覚醒後、初めて劇中でアラキスではなくデューンと言った時には、テンション上がりました。
ただPart2では、前作で足りなかったメランジ(香料.スパイス)の描写が増えると思ってたので、そこに不満が残りました。
デューン世界の肝であるスパイスの重大さ(意識高揚や予言、抗老化だけでなく、航宇宙術に不可欠)は、航宙士のギルドやベネ・ゲセリット(女修道会)、宇宙帝国の根底を成すもので、その希少かつ特異性が表れていたとは、言い難いと思います。
原作がSFの金字塔と言われる由縁は、舞台の生態系の描写やメランジの存在や意識の覚醒が、当時のヒッピー文化と呼応して名作とされている訳ですし、ホドロフスキーが映像化したかった所だと思います。
リンチ版ではグロテスクなビジュアルで、メランジの効能と異能な世界を描写しようと試みていました。
個人的には失敗作の誉高いリンチ版のディテールが好きなのでその分、今シリーズに辛口なのだと自覚してます。
(砂虫デザインも圧倒的にリンチ版推し、今作はでっかい蛭じゃん)
今作ヴィルヌーブ版は、そう言ったサイケデリカルでドラッキーな部分を抑えて物語を語り、前作で蒔いた種を収穫する復讐劇としては成功してると思います。
ただ、砂漠を知る為に1人サバイブ修行するポールのシーンのブツ切り編集はビックリしたし、砂漠の過酷さも足りてない気がしました(ポールの暑さでヘロヘロ、意識朦朧からの幻視とか)
ヴィルヌーブは勿論先人達のアプローチや結果の上で、今作を撮り上げており其処彼処に、その香りを残しつつ物語りに徹し、スケールの大きな叙事詩を紡ぎたかったのだなあと思いましたし、現実の現代まで続く戦争の側面、資源確保の部分を焦点しているんだなぁと思いました。
アメリカで前作以上のヒットをしてるみたいで、監督の望み通りPart3が撮れそうだけど、次って大奥みたいな話になるんじゃないの?チャニと嫁の戦いで盛り上がる?って事と、妹はいつ生まれるの?タイミングズレてない?大丈夫❓ってちょっと心配です。
音響と迫力は素晴らしいかった。ただ、、、
前作鑑賞して、今後の展開はどうなるかと期待しました。今回IMAXで鑑賞。感想としては、言うほどのものか??と思ってしまうほどでした。
迫力と音響はやはり前作を超えていました。戦闘シーンはとても凄かったです。ただ、物語の展開が遅いなと少し気になりました。
戦闘シーンも良かったですが、次の展開が読んでしまったため、自分的にはあまり盛り上がらなかったです。
あと、やはり難解なストーリーだったため、予習が必要だったかと思いました。特に生命の水が登場した際は、仕組みや能力等があまりわかりませんでした。
自分の頭が悪いかなと思いますので、改めてもう一度見に行こうと思います。
鑑賞前まではすごい反響だったので、今作はすごいのか!と思ってましたが、期待しすぎたかもしれません。
確かに凄い迫力と音響だったんですが、これより面白い映画があるなと感じてしまったのが少し残念でした。
最後に、おそらく噛めば噛むほど味が出る映画だと思っていますので、何度か鑑賞して「あっ、こういうことだったのか!」と感じるかもしれないのでまた見に行こうと思います。
補足
2回目見に行きましたので、改めて感想は、
やっぱりちゃんと予習した上で、鑑賞した方が良かった作品で、凄く面白かったので、評価を変えました(ころっと変わってすいません)
壮大な作品であり、それだけに専門用語が凄く出てくるあたり、ついていかなくなるけど、ロードオブザリングと同じ感覚を味わいました。
あと、2回目とも池袋のグランドシネマサンシャインのIMAXで鑑賞しましたが、1回目は1番前だったので、キツかったです…
また、デューンシリーズはまだ序章だったので、そう言う意味だと他より面白い作品があるかなと思ってしまいました。なので、まだ続編があると思うので、楽しみです!
映像美
昔の作品も、パート1も視聴済み。
いやー、昔のは説明不足過ぎてよくわからんまま終わったけど、流石に今回である程度わかった気はする。
が、やっぱり用語や人間関係が分かりづらいw
それでもよくできた作品。今回はちゃんと原作消化できたのかな?w
2作にわけ、かつ尺が長いのもあるけど、ちゃんとキャラの心情や動きも良く描かれていたかなと思います。
ただその分、ちょっとダレるところも正直あった。長いねんw
映像は綺麗だし、魅せるところは音楽と共に盛り上がりもあるし、エンタメとしての完成度も高いかと。
不満を挙げるとしたら、終わり方が何ともいえない感じだったところかな。
もう少し英雄譚として盛り上がりを見せても良かったと思うけど、何となくふわっと終わった感が否めない。
そこはもったいなかったかなー
冒険譚として楽しめる作品
SFの大作、デューンの2作目です。今回は主人公のポールが復讐を果たす物語。SF設定はもの凄いのですが、ストーリーは「お家再興を目指す、王子様の冒険譚」という古今東西どこにでもあるシンプルなストーリー。
特に映画化にあたっては、原作の持つ政治や宗教、社会構造といった設定厨にはたまらん要素はあっさりして、王子ポールの貴種流離譚(尊い血筋を持つ主人公が地位や国を追われて冒険する話)が中心。これって、世界中のどの文化でも神話や古典にある話なので、ハリウッド的なマーケティングに沿った組み方です。
古典的なSFなのですが、コンピュータやロボットが出てこず、闘いも最後はナイフで決闘って、地味。で、古典や神話的な貴種流離譚に馴染みない方には、ストーリーは取っ付きづらい。またリアリティと迫力を追求しロングを多用する撮り方と、ひたすら長い上映時間、、、こりゃ日本じゃ売れないだろうな、、、
ちなみに原作は、ポールが皇帝になり、その子供たちの話まで続く、サーガ=系譜小説だったと思いますが、どこまでやってくれるのかな〜。
SFの古典中の古典作品で、映像も没入感が半端ないリアリティ。これこそ大画面で観るべき傑作だと思います。作品賞とは言いませんが、part1に続きアカデミー賞を取って欲しいですね〜。
惑星体験🪐
身体中に響き渡る重低音、振動も味わえ
吸い込まれそうな映像美。
ハンス・ジマーの音楽に浸ってしまう。
影で密めく陰謀、裏切り、揺れ動く人の心。
細胞を刺激するスパイスが至るところに
振り撒かれている脚本。
SF映画とは、こういう物だと思わせる
世界観。
迫力満載スペクタクル。
映画館で是非観て欲しい。
簡単レビュー:おもしろかった!
良かったです!事前に配信で1をみてから観たのは正解でした。世界観のを知ってる方がおもしろいと思う。
特に最後にポールがチャニに「ずっと愛してる」(だったかな、うろ覚え)と言った直後に「皇帝の娘を娶る」と言った流れが最高。これぞドラマ。
昨今の映画やドラマ、恋愛の要素がちょっと薄いかなと思うことが多かったので、久しぶりにしっかり恋愛してるカップルを見れたのも良かった……からの悲劇!
デューンの意味が最後に叫ばれてるのも良かったです。
現地語の名前が復権することの意味を考えさせられる。
上の展開で今後のポール周りの人間関係への興味が増したし、この先の世界ろ争いの行方も気になるようになった。
先を知りたくなったので小説を読んでみようかと思ったほどでした。
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