「映画は圧倒されるものの、パンフレットが砂粒より小さい字で読みにくいのが難点」デューン 砂の惑星 PART2 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
映画は圧倒されるものの、パンフレットが砂粒より小さい字で読みにくいのが難点
2024.3.18 字幕 MOVIX京都 ドルビーシネマ
2024年のアメリカ映画(166分、G)
原作はフランク・ハーバートの小説『Dune(1965年)』
前作『DUNE PART1』の続編
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本はドゥニ・ヴィルヌーヴ&ジョン・スパイツ
映画は、前作にてアトレイデス家を壊滅させられ、母ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)とともに砂漠の民フレメンに合流するポール(ティモシー・シャラメ)が描かれて始まる
彼は、秘密結社ベネ・ゲセリットの規範に背いて生まれた男性で、多くのマスターから教えを学んできた
先の決闘にて、ジャミス(バルス・オウサンモクン)に勝利したポールは、フレメンのメンバーとして受け入れられていたが、それは部族長スティルガー(ハビエル・バルデム)が、ポールを救世主だと信じて疑わなかったからだった
本作は、フレメンに合流したポールがそこで数々の奇跡というものを起こしていく様子を描き、彼が救世主として生きることを決意する様子が描かれていく
惑星デューンを統治している皇帝(クリストファー・ウォーケン)はベネ・ゲセリットの支配下にあり、秘密結社は裏で惑星を支配しようと目論んでいた
皇帝に取り入っているマーゴット(レア・セドゥ)は巧みに彼をコントロールし、教母ヘレネ(シャーロット・ランブリング)の思惑通りに事が進んでいた
だが、ジェシカが禁忌を犯したことで一変し、それを阻止するために皇帝を動かし、アトレイデス家を崩壊に導いたのだが、実はポールは生きていて、フレメンに紛れ込んでいた
ジェシカはフレメンの教母となるべく儀式を受け、その力を得て、アレキス南部の原理主義者を鼓舞して、ハルコンネン家と戦おうと目論んでいた
だが、ポールは度々見る悪夢によって、恋人チャニ(ゼンデイヤ)を失う恐怖から、南に行くことを拒んでいたのである
映画は、前作鑑賞必須の内容で、観ていないと何が起きているかの半分ぐらいはわからない感じになっている
私もすっかり予習をすることを忘れていて、英語版wikiであらすじだけおさらいしたが、それをしていなかったら人間関係がわからなかったように思えた
映像美に特化している内容で、音響重視のためにドルビーシネマに行ったが、IMAXレーザーでも良いと感じた
4DX関連も動きが激しそうだが、砂漠の映像、サンドワームの怒号の音響などは、良い設備で見た方が良いだろう
なお、ストーリーに関しては、そこまで突出したものではなく、原作が古典中の古典なので、既視感のある流れになっている
むしろ、現代の映像と音響技術で古典を復元しているようなものなので、それを堪能するのが正解だと感じた
いずれにせよ、原作は作者が亡くなって未完状態だったところを、息子が引き継いで終わらせたものだが、PART 1とPART 2でようやく導入というところなので、「これから始まる」という感覚は拭えない
ポールが惑星デューンの救世主として立ち上がり、その犠牲を払う覚悟を見せるというところまでなので、とりあえずはうまくまとめたという印象があった
続編があるかはわからないが、この監督とスタッフで制作するのなら、付き合っていきたいと思う