劇場公開日 2024年3月15日

「現代SF映画の最高到達点にして金字塔」デューン 砂の惑星 PART2 しんさくさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0現代SF映画の最高到達点にして金字塔

2024年3月17日
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鑑賞方法:映画館

前作を配信で復習し、日本最大最高のスクリーン、池袋グランドシネマサンシャインIMAXレーザーGTを朝8時から予約して臨んだ待ちに待ったこの一作。いやあーまさに最&高!今年ベスト!映画史を塗り替える一作。前作とは比べものにならないスケール。

とにかく全てが壮大で迫力が凄くて、観たことない映像のつるべうち。公開がもうちょっと早ければゴジラ-1.0はアカデミー視覚効果賞は取れなかっただろう。申し訳ないけどレベチである。この映像と音響、映画館、しかも出来るだけ大きいスクリーンで観た方がいい。グラントシネマサンシャインに大感謝!

前作が話の序盤の序盤、何も始まってないくらいで終わったのと対照的に、今回はどえらいペースで話が展開していく。終盤と思われるぐらいで、これは続きは続編かなあと思いきや、いくいく、どんどんいく。でも本作序盤のフレメン達との親交を深めるところはじっくり描いていた。これが後半効いてくる。

ゼンデイヤ演じるチャニが良かったなあ。ラストカットからしてこれはチャニの物語といっても過言ではない。ゼンデイヤ、今まで気づかなかったが声がいいな。いや、表情、佇まい、全ていい。美しくて強くて自立し、一方でまだ迷いも見せる、まさに次世代のヒロイン。トップスターになること間違いなし。

ティモシー・シャラメ演じるポールももちろん素晴らしかった。弱々しい少年が、自らの強い意志で民を率いて戦い頂点へと登り詰めていく。熱くて強いシャラメ。新しいシャラメ像。ポールの成長と変化はシャラメの成長と変化だ。映画史に残る超大作の主役を見事に張ったシャラメ。まさしくトップスター。

前作に引き続きお母さん役のレベッカ・ファーガソンも良かったなあ。妖艶な魅力が聖母となることでマシマシになった。ミッション・インポッシプルシリーズから退場してこちらに注力しただけのことはある。地球上で最も美しい女性、と言わざるを得ないのが現状、である。

そして今回からの追加キャスト、オースティン・バトラーにレア・ゼドゥにフローレンス・ピューにアニヤ・テイラー・ジョイって、一体どんだけ豪華なんだ!もう、166分、満足しかない。

映画全体を通して描かれるのはズバリ「戦争」である。やられたらやり返す暴力の連鎖。まさしく現実の社会と同じ構造。それぞれにそれぞれの言い分と目的があるにはあるが、結局は戦争に行き着くしかない、富も技術も全て戦争のためにある、ともとれるほどに容赦なく戦いが繰り返される。

戦闘シーンの迫力と壮大さはかつてないレベル。映像も音響も凄すぎる。また、ポールがサンドワームに乗るシーンの迫力も凄かった。手に汗握る迫力、いやあ興奮した。そしてハンス・ジマーによるズーンっていう劇伴も素晴らしい。座席の奥から体に響く。凄い体験だった。

とにかく作品を通してドゥニ・ヴィルヌーブの美的センスが際立つ。唯一無二の世界観。荘厳で、品があって、完全にアートである。宇宙船のデザインからしてもう天才的。スター・ウォーズしかりガーディアンズしかり、SF映画は宇宙船のデザインが肝だが、しっかりと想像の斜め上を行ってくれた。

ということで、映像、音響、脚色、役者の魅力、美術、世界観、センスオブワンダーの創造性、アート性、何から何をとっても現代SF映画の最高到達点であり金字塔。DUNE以前/以後、といわれるようなSF映画のクラシックとして語り継がれるだろう。

原作はまだ続きがあるとのこと。この歴史的超大作、とにかく続きが観たい!お願いだからヒットしてくれ!損益分岐点を超えてくれ!

リーサン・アル=ガイーブ!
リーサン・アル=ガイーブ!

しんさく