劇場公開日 2024年3月15日

「砂の惑星を巡るキングダム・ポールの覚醒」デューン 砂の惑星 PART2 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0砂の惑星を巡るキングダム・ポールの覚醒

2024年3月16日
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本シリーズは、個人的にも『スター・ウォーズ』に継ぐ、SF大叙事詩だと思っており、2作目の公開を待ちわびていた作品。その分、登場人物が多くて、相関関係もなかなか入り組んでいる為、本作を鑑賞するに当たり、『パート1』を2回見直してから鑑賞。2時間45分という超大作ではあったが、中弛も無く、見応えある一級のSFアドベンチャーとして、ドゥニ・ビルヌーブ監督が描いている。

先日『ゴジラ-1.0』がアカデミー賞の視覚効果賞をとり、日本映画もようやくハリウッドに肩を並べた喜んでいたが、やはり本作を鑑賞すると、広大な砂漠を舞台に、宇宙船、サンドワーム、圧倒的な戦闘シーン等の壮大なスケールを目の当たりにし、日本映画の特撮技術は、今回ようやくハリウッドのスタートラインに立ったところだと感じた。

前作で、惑星DUNEのスパイスを巡る、ハルコンネン家の陰謀による闘いの果てに撃ち滅ぼされたアトレイデス家。その戦火の中、アトレイデス家の後継者のボールとその母・ジェシカは、何とか命を繋ぎ、砂漠の民フレメンの協力を得て、ハルコンネン家への復讐へと乗り出す。ポールは、フレメンの女戦士・チャニとも思いを寄せていくに中で、禁断の『命の水』を母と共に飲むことで、自分がフレメンを救う伝説の救世主であることに覚醒し、フレメン軍を率いていく。そして、その前に立ちはだかったのは、ハルコンネン家の冷徹な男爵候補のフェイドだった。

『パート1』で戦闘の要因となったスパイス問題は、本作ではやや影を潜め、両家や帝国軍との、覇権を争う国盗り合戦の様相を呈してきている。実際の戦闘シーンは、漫画『キングダム』で飛信隊の戦闘シーンを想起し、宇宙船が飛び交う未来のSF映画においても、歩兵同士の切り合いやボス同士の一対一の決闘というのは、全く変わらないシーンの様に思えた。そして、切り札の武器が核爆弾というのも、現代のロシアや北朝鮮、イスラエルなど世界情勢と何ら変わらないというのも皮肉な内容だ。

また、鑑賞中に「エーッ!」と口に出してしまうほどの、アトレイデス家とハルコンネン家との新たな因果関係も明らかになり、相関関係がより複雑になってきて、ちょっと整理しないとついていけない展開でもあった。

ポール役のティモシー・シャラメは、その美しい顔立ちの中に、本作の特徴となる憂いある青い目力、救世主として逞しく変貌を遂げていく姿は、今やハリウッドの若きエースに相応しい演技。そして今回、適のフェイド役を演じたのが、昨年『エルヴィス』でプレスリー役を演じたオースティ・バトラー。こちらも、冷徹で鬼気迫る適役を見事に演じていた。

本作も、ストーリー半ばで終了。大叙事詩らしく、新たな大敵との攻防が、次作へ受け継がれていくところでのエンドロールだったので、次作へこうご期待。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2024年3月20日

seiyoさん(^^)あの戦闘シーンは、キングダムでしたよね😃
スパイスは、貴重な天然資源ということですね。

bunmei21
seiyoさんのコメント
2024年3月20日

こんにちは。
私も戦闘シーンの群衆を観て、キングダムの信を思い出しました。

スパイスも2だけ観ると
覇権争いの意味とかわからないですよね。
そもそも、スパイスってキラキラ砂なのかしら?
よくわからないで観ています😁

seiyo
bunmei21さんのコメント
2024年3月16日

トミーさん(^^)
なんか、様々な映画のいいところ取りみたいな感じはありますし、相関関係がより複雑になりましたね。でも、パート3も絶対に観ます😅

bunmei21
トミーさんのコメント
2024年3月16日

共感ありがとうございます。
原作もそうなんでしょうが、ポールが死の淵からチャニの助けで甦る下りはマトリックスまんまだったのでちょっと萎えました。未来が視えるのも良し悪し、下手すると「ビルとテッドの時間旅行」みたいになっちゃいます。

トミー