「【”民を楽園へ導く為に。”砂の惑星で、一族を滅ぼされた青年が救世主として覚醒する様を描く。作品スケールの大きさ、斬新なSFガジェット、巨大サンドワーム出現シーンも大迫力であるSF大作である。】」デューン 砂の惑星 PART2 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”民を楽園へ導く為に。”砂の惑星で、一族を滅ぼされた青年が救世主として覚醒する様を描く。作品スケールの大きさ、斬新なSFガジェット、巨大サンドワーム出現シーンも大迫力であるSF大作である。】
■敵対する領家ハルコンネン家に父を殺されたアトレイデス家の嫡子ポール(ティモシー・シャラメ)は、母レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)と共に、砂漠の民フレメンと共に行動するようになる。
◆感想
・最初はポール達を警戒していたフレメンたちだが、信仰心厚きリーダーのスティルガー(ハビエル・バルデム)により様々な試練を与えられたポールが、それをクリアして行く姿。
ー 特に、フレメンしか乗れない巨大なサンドワームを見事に乗りこなして行くシーンは迫力満点である。
その姿を見たフレメン達はポールを”リサーン・アル・ガイブ”と呼び、予言者として崇めるのである。ー
・お腹に子を宿すレディ・ジェシカが、フレメンの死が近い教母に代わり新しき教母になる過程。”命の水”と言われる青い水を飲み彼女も覚醒していく。
そして、女性だけの結社ベネ・ゲセリットの一員でもあった彼女は、ポールを真の預言者にするために、フレメンに教えを広めるのである。
■皇帝(クリストファー・ウォーケン)とハルコンネン家、アトレイデス家との関係が明らかになる過程も見応えがある。
レディ・ジェシカが教母になった事で、過去の出来事を知り、自らの父がハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)だったという事実には驚く。
更にハルコンネン男爵は香料を上手く獲得できない甥のラッバーンを見限り、孫の冷酷なフェイド・ラウサ(オースティン・バトラー)に権限を与える。
そのフェイド・ラウサに近づく、ベネ・ゲセリットの一員でもあるレディ・マーゴット・フェンリング(レア・セドゥ)の妖しい美しさ。
・皇帝(クリストファー・ウォーケン)がアトレイデス家を滅ぼしていた事実と、それを陰で操っていた教母モヒアム(シャーロット・ランプリング)。
何も知らずに悩む皇女イルーラン(フォローレンス・ピュー)の美しき憂愁。
■ポールとチャニ(ゼンデイア)との恋の行方。
・前作後半から、二人は想いを持っており、今作の前半でも同様である。だが、救世主として覚醒したポールは、父の復讐のため皆が見守る中、フェイド・ラウサとナイフで一騎打ちで戦い、彼を斃す。
そして、”君の事は一生愛する。”とチャニに伝えた後、皇帝の前に行ったポールは陰で操っていた教母モヒアムを一括し、皇帝にアトレイデス家の紋章を嵌めた手を差し出し、足でドン!と大きく床を蹴り、皇帝を膝間尽かせ、手にキスをさせる。
更に、皇女イルーランを妻に迎えると伝えるのである。
ー その過程を哀しみを持って観ているチャニ。ポールは最早、昔のポールではない事が分かるし、ポールの覚悟が伝わるシーンでもある。-
<今作は、前作では分からなかった所もほぼ氷解し、物語のスケール感に圧倒された作品である。
過去、デヴィッド・リンチ監督により映画化された際には、商業的に失敗したF・ハーバードの壮大なSF小説「デューン 砂の惑星」を映像化したドゥニ・ビルヌーブ監督の手腕が発揮された”PART2”。
途中、ワンカットだけ映されるアニャ・テイラー=ジョイは、レディ・ジェシカのお腹の中の子供だよね。
更にスケールアップすると思われる”PART3”が、今から楽しみである。>