「優秀な監督であるヴィルヌーヴ版はやはり眠気がする」デューン 砂の惑星 PART2 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
優秀な監督であるヴィルヌーヴ版はやはり眠気がする
本当に申し訳ないくらいにハリウッドSF大作になってからのヴィルヌーヴの映画は寝てしまう。悪口ではなく、毎回期待して初日辺りのレイトショーに行くと長くて寝る。自分が疲れてるのかと思うがハンスジマーのドバーンという音楽に時折りうとうとしてるのを起こされる感じ。前の日に同じ時間帯で『ラストエンペラー』を劇場で観た際には目が爛々と輝き興奮していたのが嘘のよう。
今回は前作より面白い。面白いハズなんです。サンドウォームが出てくるのと救世主ロマンなんで。基本アクション。もう「砂の谷のポール」みたいなもんです。
とはいえだだっ広い砂漠は対象物がない大海原みたいなもんなんでスペクタクルの見せ方が難しい中、今作は敵の巨大マシーンと爆破スペクタクルが立体感を持った見せ場としてある。あるんだけど、なんか眠くなるんだよな。砂漠の民感はもちろんしっかりあるし、砂は綺麗だし、、、
でも、やっぱりぶっちゃけデビットリンチ版のほうが面白いんだよな(そういう人はほとんどいないけど)、TOTOの音楽も。すべてがアンマッチしているあっちの刺激(ゲテモノ宇宙)に勝てない。やはりヴィルヌーヴは真面目なんだよな。それがつまんない。
逆にこの奇跡劇はどこか宗教映画みたいなところがあって、本当にこれはホドロフスキーやリンチのようなハッタリとカルトな映画監督が描くべきものなんだと思った。砂漠の中をゆく靴底がみえるカットがあるのだけど、驚異の宇宙を観たい時にこういう日常性は萎えてしまう。