「世の中にたえてテレビのなかりせば、四季の心のどけからまし」ゴヤの名画と優しい泥棒 チネチッタさんの映画レビュー(感想・評価)
世の中にたえてテレビのなかりせば、四季の心のどけからまし
僕が陪審員長だったら「市民が肖像画を鑑賞する機会を奪った」件に付いては「ギルティ」で良いと感じるけどね。
なお、四年後に息子は「良心の呵責に耐えかねて自首した」としているが、実際は8年後。
題名が「デューク」だけに、ゴヤであってもイギリスのアイデンティティを考慮すれば、無駄な買い物をしたと抗議しているこの老人と思って鑑賞した。
だって、「デューク」と比べればてゴヤを評価したら、
プラド美術館の「1808年5月2日」には遠く及ばないからね。
と言う内容で話が展開すれば良かった。けれど、結局、その方向に収めるのか?!って幻滅した。
しかし、
2012年に息子の犯行とした公文書が公開されたようだが、それは、何一つ証明されてない。
また、2000年にこの映画の前段になる様なドキュメンタリー番組がイギリスで放映されているようだ。「息子の告白」と言った内容。だから、
後付け脚色である可能性は拭えない。
「芸術としての価値観での犯行」が、ただの「人情話」で締め括った。と言う事だ。それなら、邦題の方が整合性高い。
ただの火曜サスペン●劇場じゃん。あ~あ。
こう言う活動つまり受信料不払い運動とかはキャッチーな行動を繰り返す。日本の政党でも同じ様なことをしている。
だが、
受信料なんか払わない方法はある。テレビ持たなきゃ良いんだよ。
勿論、絶対にテレビは見ない。
でも、「世の中にたえてテレビのなかりせば、四季の心、のどけからまし」じゃん。
追記
14万ポンドと言うが、
現在の日本円にして2800万円。時代が1960年代って事もあるが、そんな大それた買い物なのかなぁ。どっかの国から戦闘機買うなら、安いと思うけどね。
確信的追記
この主人公が戯曲が好きで、シェークスピアよりも実力がある様な言い回しをしている。
つまり、この話自体が戯曲なのだ。
つまり、鑑賞者に対する確信的犯行と僕は感じた。
「息子は親思いの優しい子供だ」と言うこと。
もっともらしいフィクションと言うこと。
「シェークスピアの王は好きだが、チェーホフの使用人が好き」と言う台詞が正にこの映画の戯曲の台詞であり、優しい息子の理由なのかなぁと思っている。
