「ユーモアにほんのりと香る優しい嘘…もちろん盗んじゃダメだけどネ」ゴヤの名画と優しい泥棒 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ユーモアにほんのりと香る優しい嘘…もちろん盗んじゃダメだけどネ
こういう小粋なユーモアは、やっぱり涙を誘ってくる…。いい歳の取り方、じゃないのは分かってるんだけど、そう見えちゃうのよ。2人がただ、微笑ましい。
歳を取れば取るほど頑固になって、その考えを曲げることが難しくなる。このお爺さんもその1人。公共放送の無料化を叫び、ほぼほぼ聞こえない声を上げる。周りの空気を気にすることなく、人種差別に反対したり、正しいためなら医師を曲げない。傍から見ればまがい物…。そんな彼が犯した罪。フライヤーを読んでなくて良かったのが1つ。面白い夢想家じゃないのよ…。それが。
実話を基にしているとはいえ、抱えている問題は結構いろいろ多く、今にも通じる。マンネリ化した夫婦関係、働かないと過ごせない余生…大変さが滲む。それと絵画がクロスしていく…。ケンプトンの饒舌さにユーモアがほんのりと乗っているから、ラストはやっぱりジーンとくる。オシャレでユーモアが素敵。いい時間を過ごさせてもらった気分。もちろんやっちゃいけないことだし、こうなるとは限らないんだけど。笑
ロジャー・ミッシェル監督の作品を観たのはこれが初めて。知ってるタイトルの作品もあるけど、こうして交わったのも1つの縁。惜しまれつつも遺作となった今作。これを機に過去作を漁ってみようかな…。
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