「自分一人で抱え込まないで!」鬼が笑う バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
自分一人で抱え込まないで!
きっとことわざ(「来年の事を言えば鬼が笑う」)からの着想ストーリーなのでしょうかねぇ?
人生って思い描いてたようにはなりませんし、想定外のことばかりですよね。本当、「将来のことは予測しがたいから、あれこれ言ってもはじまらない」だと思います。自分のこともままならないのに、自分以外の人達が求めることもわかっているつもりでもわかっていないってのが現実ですよね?
本作は究極の(自分勝手な)自己完結君が明るい未来を求めていく物語です。
主人公一馬のいる場所は地獄のようです。いやいや、それって我々がいる社会そのものなんですが、鬼や魑魅魍魎だらけですね。それと、やっぱり甘い場所じゃないです。一馬の机の前に貼ってある目標の虚しいこと虚しいこと。自分自身だけで考える「こうでなければならない」は当てにならないですね。そこが一馬にとっての最大の不幸だったのかもしれません。そんな一馬を見てどう思うか?ってところがポイントになるのでしょうかね?
モチベーションが高くても、一生懸命やっても、ボタンを掛け違えたままでは悲しいゴールに行くだけなんですよね。本作は、しりとりのように不幸が続いていきます。掛け違えたボタンは最後まで段ずれなのですよね。見事なまでに救ってくれません(笑)・・・今の社会への諦めのようなラストの一馬を見るとそう思っちゃいます。
しかし、まぁ、なるべくしてなるBAD展開の数々は・・・満腹感強いっす。そういう展開にしたいがためのグズ人間並べ立てる感じが、、、僕はちょっと冷めていくんだよなー。そりゃ周りに理解者一人もいなければ腐るわい。暗部の話ばかりだと、暗さが際立たないと思うのです。光があるからこそ暗部の暗さが強くなるんじゃぁないかなぁ?特に更生施設の方々の描き方は安易すぎる気がします。全体的に「あぁ、結局こうなっちゃうよなぁ・・・」っていう現実味が欲しかったかなぁ。