劇場公開日 2021年12月17日

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世界で一番美しい少年のレビュー・感想・評価

全56件中、1~20件目を表示

3.5こんなシーンをよく撮っていたな

2022年1月25日
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鑑賞方法:映画館
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momokichi

4.0研ぎ澄まされた構成力に引き込まれる

2021年12月16日
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その少年は俳優志望というわけでも、モデルとして成功しようと野心を抱いているわけでもなかった。しかしヴィスコンティ監督に美貌を見出され『ベニスに死す』に出演したことで、訳もわからず世界的な狂騒の渦に巻き込まれ・・・。あれから50年を経た彼は、すっかり白くなった長髪をなびかせつつ、今なおフォトジェニックな表情で我々を魅了する。だが内面は別だ。そこに深く突き刺さっているものは一体何なのか。本作では、導入部から記録映像と音楽とが親密に絡まり合い、美しくもミステリアスな雰囲気を織りなしていく。はっとさせられるのは本作の構成の巧さだ。ビョルンという人間の複雑性を一枚、また一枚と丁寧にめくっていくその手捌きや筆致は、ドキュメンタリーでありながら、ひとつの物語に身を委ねているかのよう。幾つもの悲しみと苦しみを共有し、全てを知った上で改めて、彼に引き込まれていく。なんという人生。ずしんと重みを感じる作品だ。

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牛津厚信

4.0日本人も大きく関わった美少年俳優のドキュメンタリー

2021年12月12日
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悲しい

怖い

『ミッドサマー』('19)で夏至祭のシーンに登場するロングヘアの老人が、実は『ベニスに死す』('71)で美少年タジオを演じた人物の50年後の姿だった、と言われてもピンと来なかった映画ファンのために、このドキュメンタリーはオススメだ。

その人物、ビョルン・アンドレセンが15歳で巨匠ルキノ・ヴィスコンティの目に留まり、性差を超えたアイコンとして突然注目され、特にこの日本で、スウェーデンからやって来たブロンドのアイドルとしてもてはやされ、もみくちゃにされ、消費され、興味本位で使い捨てられていくプロセスが克明に描かれるからだ。

そこには、シンデレラボーイ、シンデレラガールと呼ばれた人たちが辿る壮絶に暗い宿命のようなものが横たわっていて、見慣れた風景とは言え、少々複雑な心境になる。

しかし、日本人も大きく関わったアンドレセンの人生が、66歳を迎えた今、こうして公的に語られるまでになったことに少なからず安らぎを感じる。それが、ややドラマチックに描かれすぎる本ドキュメンタリーを観た正直な感想だ。

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清藤秀人

4.0「ベニスに死す」タジオ役の少年が、日本で芸能活動していたという事実

2021年11月4日
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鑑賞方法:試写会

典型的な「あの人は今」案件でめちゃくちゃ面白かった。「ベニスに死す」のタジオ役の俳優が、日本に来て芸能活動していたとは知りませんでした。チョコのCMに出たり、レコード出したり。ヨーロッパ中を行脚したという「ベニスに死す」のオーディション映像も貴重だし、カンヌ映画祭での熱狂的なリアクションの映像も初めて見ました。しかし一発当たっちゃうと、その後がねえ……。大いに驚くと同時に、ちょっとセンチメンタルな気分にもなりました。

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駒井尚文|映画.com編集長

2.0ミッドサマーから

2025年6月15日
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鑑賞方法:VOD
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背中にエンジン

4.0ヴィスコンティの仕打ちなど、詳細な描写は抑制しているので、事態の醜悪性がやや緩和された感のある一作

2025年5月10日
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『ミッドサマー』(2019)で突如スクリーンに復活し、一部の映画ファンを大いに驚かせたビョルン・アンドレセン。かつて「世界で一番美しい少年」と世界中のファンが称え、来日したこともある彼に一体何が起きたのか…当時の映像や関係者の証言、そして現在のアンドレセンの映像を交えつつ描いていきます。とはいっても真相追及型のドキュメンタリーという要素はそこまで強くはなく、どちらかというと華々しいスクリーンデビューの後、いくつかの経験を通じて心身共に疲弊しきった彼が、(『ミッドサマー』で彼がしたように)かつての自分の幻像に決着を付け、そして改めて年齢を重ねた自分として生き直す、という静かな宣言のような内容でした。

『ミッドサマー』公開後、彼にまつわる事実や噂が飛び交いましたが、本作ではあえてそれらについてあまり深入りしていません。特に、最も彼に重大な影響を与えたであろう、ルキノ・ヴィスコンティ監督の仕打ちについて、言及すればいくらでもスキャンダラスな作品にできたであろうところですが、それを抑制したところにアンドレセンへの気遣いを感じました。

とはいえ、本作のいくつかのショットを通じて、彼が被ったおぞましい体験は想像ができてしまうのですが。

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yui

2.0映画ってそんなもんでしょ

2025年3月4日
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鑑賞方法:VOD

映画は虚像を創り上げる装置。しかも投資額を回収のために何でもする、そんな業界。美少年が酷い大人に玩具として利用されるのは確かにこの業界につきまとう暗部を象徴してるかもしれない。

ただ、人が一番美しいときを余すところなく記録された人が、この世にどれだけいるだろう?毎日世の中の大人が鏡越しに過去を振り返って打ちひしがれているよね。

ヴィスコンティに対して非難する思いがあるか?とんでもない。映画はスターを輩出し、聖地巡礼として観光を促進し、フィギュアや関連のドキュメンタリーをも産んでしまう。映画というものは、そうした特別で罪深いメディアだった。そして我々もその業を背負ってのうのうと毎日生きている。

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ジャパニーズ先住民

3.0映画序盤とラスト直前に少しだけ落ちる💦 従って一言だけで… 歳月は...

2024年3月20日
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映画序盤とラスト直前に少しだけ落ちる💦
従って一言だけで…

歳月は実に罪深い

ビョルンの心に深い傷を塗り付けたのが、もしも日本での狂乱のプロモーションによるものだったのだとしたら、、、
何とも言い難いものがある。

2021年12月19日 シネスイッチ銀座2

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松井の天井直撃ホームラン

5.0ドキュメンタリーとしてよくできてた。てっきり芸能界の暗黒面に飲み込...

2024年1月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

ドキュメンタリーとしてよくできてた。てっきり芸能界の暗黒面に飲み込まれ…かと思いきや、それどころじゃなく。

なんだかもう、某あの人とカブるところもあり、泣けた。

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まるぼに

5.0彼のその後を知らなかった・・・

2023年12月31日
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鑑賞方法:DVD/BD

ベニスに死すのタジオを見た時、こんな美しい人が世の中にいるなんて信じられなかった。それ以来、私にとってビョルンは、美の憧れと象徴だった。

しかしその後の彼の運命なんて知る由もなかった。このドキュメンタリーを見た翌日、毒気?が当たったのか、熱が出てしまうほど強烈でした。

が、今の彼も好きです。ベニスに死すのタジオとは違った神々しさを感じる。苦労した分、深みがでたのか? 一本の映画出演がこれほど影響あるなんて、知らなかった、色々考えさせられました。

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エオメル

2.5“やめてあげて、子供になんてことするの”

2023年10月29日
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カメレオン

4.0「ベニスに死す」

2023年6月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ルキノ・ビスコンティ監督の「ベニスに死す」で、鮮烈な印象を残した美少年、ビョルン・アンドレセンの人生を振り返る。
母は美人だけどボヘミアンで、失踪して自殺していた。
父は誰だか分からないらしいが、同じ年に生まれた父親違いの妹がいる。
オーディションでビスコンティ監督に見い出され、「世界で一番美しい少年」との言葉も貰った。
大ブレイク後に日本を訪れ、日本語の歌も出しているとは知らなかった。
ビョルンの親族は皆、美形なのはDNAか。

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いやよセブン

3.0ベニスに死す見なきゃなぁ

2023年4月27日
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てけと2

4.0みているとドキドキしてくる

2023年4月13日
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悲しい

知的

難しい

生半可ない映画より深いドキュメンタリー。

観ているとドキドキする。ビョルンの美しさのせいだけではなく、
この人の生き方そのもの、心の持ち方そのものが、観ている者の心をザワザワとさせる。
『ヴェニスに死す』の美少年の物憂げな表情には、こんな、それなりの理由があったんですね…。

ビョルンは、このドキュメンタリーの制作をどんな理由で承諾し、撮影のために他人が私生活に入りこむことをどう納得していたのか。
そんなことを考えると興味が湧いてくる。

子供の権利の養護。子供の気持ちへの配慮。
宗教がない世界で生きるという、大変に難しい模索。

重い映画ですね。
わたしはけっこう好きですけど。

でも、重いことは重いです…。

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あま・おと

4.0重たい称号を背負って生きる

2023年1月30日
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ベニスに死す、映画のタイトルは勿論知っていた。
ただ、ここにこれほど美しい少年が出ていることは恥ずかしながらしらなかった。この映画を見始めて本当に驚いた。なんて綺麗な少年なんだろうと。
一躍スターに躍り出た彼だったが、それは彼が望んだことでも目指したかったことでもなかった。なんて辛い人生を生きてきたのだろう。
美しさについた称号は、世界で最も美しい少年だった。
そして栄光と挫折、賞賛と批判にさらされて彼は老人と言われる年になっていた。
年老いても、やはり美しさの片鱗は残しながら、自分の軌跡を辿っていく。辛いことを思い出して言葉にする作業はどれほどのものか。でもこの年齢でようやくそれができたのかもしれない。最後に良くも悪くも深い思い出のある海辺に立つ彼の静かな佇まいに涙した。
ベニスに死すを観ようと思う。

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ニョロ

3.0人生の出だしで…

2023年1月19日
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巨匠に見出されるという偶然から、運命に翻弄されてしまったということなのだろうと思いました。
観終わって、「数奇な生涯」に、胸が痛くなるような思いがあります。

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talkie

3.5ルキノ・ヴィスコンティの呪い

2022年6月20日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もっともっと早くに呪いを解いて自由にさせてあげていれば・・・
呪いが50年!!
長過ぎた。

『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンは、その一作で映画史から忽然と姿を消している。
その間に何があったのか?
そしてビョルンの生い立ち、母親、祖母、妹そして娘さん。
汚部屋を掃除してくれる恋人。
妹の証言。
父親を全く知らないこと。
母親が10歳の時に自殺したこと・・・、

1971年。
『ベニスに死す』の美少年を探して、ルキノ・ヴィスコンティのオーディションが、
スウェーデンであった事。
ヴィスソンティに一目で気に入られた事。
人形のように言われるままに動いたこと。

2019年。
アリ・アスター監督の『ミッドサマー』でビョルンは衝撃のスクリーン再登場を果たす。
まったく「世界一美しい少年」の50年後の姿だとは誰一人気付きもしなかった変貌である。
50年間、まったくその姿を現さなかったから、死んでるとばかり思っていた。

そして白髭の仙人は飄々とそこに居た。
欲もなく、
名誉も金もなく、
美しさのカケラもなく、

多分、流されていたのだろう!
漂流して、いたのだろう。
このドキュメンタリーで、「あの人は今・・・」となったビョルン。
今度はこの波に乗れるのだろうか?
サーファーとして、波に立つことは出来るのか?
幸せを祈ります。

過去鑑賞

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琥珀糖

5.0ドキュメンタリー風映画なのではと疑うほどドラマチック

2022年5月22日
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泣ける

悲しい

知的

ベニスに死すで知って以来私の中でも伝説の美少年として君臨していたビョルン様のドキュメンタリー映画です。

絵画のような圧倒的美貌と脚光の後にこんな人生があったなんて、こんなことを言われていたなんて、こんな風に感じていたなんてと凡人として生まれた私には想像もできない苦悩と孤独が描かれていて、オーディション映像で脱がされているのを見て能天気ににやけてしまった自分を恥じました。

性的搾取の苦しみに男女間のギャップは無く、全ての人間に配慮が必要だと実感。

ビョルン様のお母様の遺書の言葉、娘さんの言葉…どれも重く、切なく、心が震えます。
ミッドサマーでご自分の死体人形を楽しそうに写メる姿が微笑ましく、彼が「タジオ役の人」ではなく「ミッドサマーのおじいちゃん」と呼ばれるようになったことに、不遜ながら安心というのか…喜びを感じました。

美しさは罪ではない。しかし、美しさは嫉妬を呼び、悪を誘い、非現実的な永久性を求められます。
ルッキズムの被害は容姿の劣る者だけではなく、優れている者にも及ぶことをこの映画から学びました。
ビョルン アンドレセンのファンや映画ファンに限らず、ルッキズムで苦しむ方にも見てほしい一作です。

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とくこ

3.0鬱映画

2022年2月28日
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悲しい

知的

難しい

神秘的で綺麗な映画だったが、途中どうでも良いところを引き伸ばすので飽きてしまった
サブカル好きがエモいとか言って喜びそうな映画
観た後は鬱になるが、ルッキズムについて結構考えさせられた

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えぬ

3.0皮肉な結果

2022年2月7日
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ヴィスコンティ監督が「ベニスに死す」を撮るために、ハンガリー、ポーランド、フィンランド、ロシアで探し求めた "美しい少年"。見出された少年の名は、ビョルン・アンドレセン。彼の、その後の人生と現在を取材したドキュメンタリー。

興味深いが、なかなか物悲しい話。
なぜなら、現代において考えれば、明らかに少年虐待ではないかと思えるから。決して、暴力を振るったとか、性的な行為をしたという訳ではないのだが、本人が周囲から性的な圧力を感じていたというのだから、やはりアウトなのだろうな。契約で僕の顔を独占した、という点も今ではダメでしょ、という話だろうな。

監督自身は、性的でもエロティックでもない、完璧な愛、崇高な愛の物語として「ベニスに死す」を撮ったと言うのに、なんとも皮肉な感じ。

いつかは、「ベニスに死す」を観るぞ。

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CB
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