静謐と夕暮のレビュー・感想・評価
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何も頭に入ってこなかった
率直に言って拷問に使えると思いました。
私はインディーズ映画には相当慣れていますが、この作品は映画館の強制力がなければ最後まで観切ることは不可能だったと感じています。
申し訳ないのですが全く話が理解できずひたすら時間が経過するのだけを暗闇の中で待っていました。技術的には音声がかなり悪く整音でも救いきれていなかったのと、光量不足で所々にノイズが乗っていたのが気になりました。
青空ライブラリー
夜の河川敷の高架下、そこで暮らしていると思しき咳の止まらない老人に若い女性が原稿用紙の束を渡すところに遭遇したカメラを持つ男、と始まって行く話。
この原稿を書いた若い女性の同行をみせることを軸に進行して行くけれど、あちこちにシーンが飛んだり、時系列が弄られている風だったり、回想にみえるところがあったり…スクリーンに流れているものは、彼女の視点?時々出て来るカメラを持つ男の視点?もっと外の第三者の視点?その時々で違うのか、誰の視点でもないのか…。
登場人物が結構多いけど、会話は殆ど無いし、台詞も相当少ないし、更には引きでしか映らなかったり特徴が無かったりする人もいて、誰が誰だか、繋がっているのかいないのか、群像劇なのか1本の話なのか、判った様な判らない様な。
不思議な空気感という訳でもなくて、ただただまったりタラタラと退屈な日常の一部を繫げて流されているだけの様な感じで、誰?何があった?どうしたい?何で?という感覚の連続。
エンドロールで説明されたけれど、それを聞いてもふーんとしか感じられず。
忘れるということは悪では無いし、それだけのモノだったでも、不要になったからでも良いのではないですかね。
生活音はいつも味方、退屈のトンネルは余韻の為にある
136分、じーっと観てきても腑に落ちなかったのに、もらったポストカードの言葉が全てを語っていた。誰かの中の日常にいる"私"は、確かに存在しているはず…。
言葉は少なく、生活音と溢れる声がこの世界の主役。しかしながら、言葉が多くの情報を生み出してくれる訳だから感情の行方が見つからない。でも何故か嫌いになれない。その空気を初めて吸うのに懐かしい気がしてくるから、嫌いにならない。ポテトサラダ、少年野球の声、手持ち花火…。何もかも愛嬌がある。
その一方でやはり136分は少し退屈。1つずつ丁寧に練られているから捨てきれなかったのかもしれないが、ちょっと眠くもなる。だが、それによって生み出される余韻みたいなモノは確かに合ったので、悪くは写らなかったかな。
もっとどういう物語なのか知っていれば楽しめる部分も多かったのかなと思う。でも、その未知な感じがインディーズって感じで嫌いになれない。
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