「俺は男くせえからジャズが好きだ」BLUE GIANT RAIさんの映画レビュー(感想・評価)
俺は男くせえからジャズが好きだ
なんで映画館に行って見なかったんだろう
この後悔を久しぶりにしました。映画館の大音響で見たかったなあー
漫画を読みはじめたタイミングとしては既に映画の公開が終わってるときで帰りの地下鉄でなんかいい漫画ないかなって探してる時に、ちょっと読んでみようかなとサンデーうぇぶりで毎日3話ずつ読み進めていったらもうどハマりしてしまいまして!今では僕の帰り道ルーティンです。
で!で!ここからが大事なんです!
僕は帰り道、地下鉄に乗り、さあ読み始めるぞって時に、この映画のサントラの『N•E•W』と『FIRST NOTE』を聴きながら読んでたんです。
なので僕と皆さんのこの映画の感想で決定的に違う所が、漫画で読んでた大のサックスとかどんな音なんだろうって映画を楽しみに観たと思うんですけど、僕は違うんです。既にあのJASSの3人の演奏を聴いていたんですよ。
もったいないという人もいるかもしれませんが、全然失敗だったと思っていません。その理由もこの後説明します。
さあ、僕は漫画を第一部まで読み切り、第二部欧州編まで進んでいました。
そのタイミングでAmazonプライムでレンタル配信されてたのに気がついたので即レンタルして家のテレビで父と二人で鑑賞し始めました。
「お、いきなり東京行くところからなのね、文化祭で音楽の先生と演奏するシーンとか、スーパーで家族の前で吹くシーンないのね」と、少し物足りなさを感じつつも映画版では良くあることです。
一方父は序盤の東京の街並みを観て昔自分が東京にいた時のことを思い出して懐かしそうにしていました。
まあこの映画のつかみのシーンとしてはTaketwoで雪祈に大が自分のサックスを聴いてもらうシーンでしょうね。あそこで初めて映画を観た人も大がすげえやつってことが分かると思います。
そっからは玉田の加入、初ステージ、カツシカロックフェス、雪祈ソーブルーの人にボロクソ言われる、と原作とほぼ同じ流れで進んでいきます。ここら辺は非常に観やすかったです。全然中弛みも感じず、やっぱりサントラが抜群にいいから流れるように観ていけるんですよね。
そして、雪祈が一足先にソーブルーの姉妹店で初演奏。あの演奏シーンめっちゃ良かった。漫画で読んでたソロから全体に繋げるところとか分かりやすかったし、実際に映像と音で感じていると、本当に大と玉田のリアクションになります。拳突き上げちゃいます。
ただ、原作読んでるとそろそろ覚悟しないといけないシーンがやってくることに気づくんですよね。僕はあのシーンを地下鉄で読んだ日は理解できなさすぎて、やりきれなさすぎて、初めて漫画読んでメンタル落ち込みましたもん。
さあそして、例のあの事故シーン。あそこは指の隙間から見ていました。漫画で見たまんまではなく、雪を見てたら前からトラックがパターンでよりリアルで残酷なシーンでした。父なんか轢かれた瞬間「えぇっ!!!」って叫んでましたもん。いやありゃそうなる。漫画読んでてもそうだったもん。
一気に落ち込んだけど、あの伝説のデュオでのソーブルーライブ。あれが始まるとワクワクしてた自分もいました。ここで玉田の神プレーに魅了されました。大と雪祈、天才2人と凡人1人。スラムダンクの宮城と三井のようにみんなこの凡人タイプに感情移入しちゃうんですよね。あのソロはエグかった。「セッション」のオマージュ的、玉田の汗がドラムに落ちて跳ねていく描写、たまらん!激アツ!
最高!と思っていたら!
まさかの
雪祈来たーーー!!!!
ここにきて!?原作改変!?
いつもなら怒ります。けど、
いい!やろう!雪祈をソーブルーのステージに立たせてやろう!この原作改変ラストクライマックスは原作を読んであまりにも残酷な仕打ちを喰らった雪祈を救ってやれたと思います。
そして!最後の!『FIRST NOTE 』!!!
僕が!毎日帰りの地下鉄で聴いていた!あの曲が!
ああもうたまらんです、1人で見てたら泣いてました。
号泣必至って言われてたけどこりゃ泣くわと、
特に雪祈のソロ。片手一本で弾いている雪祈の姿を水の入ったコップ越しに、そして今までの練習してきた日々、ピアノの楽しさを教えてくれたあの子のこと。それらをひっくるめて全部感じ取れました。大の言っていた、「音で会話する」ってのが分かりました。ピアノからサックスからドラムから
「これが俺たちのジャズだ!」
とはっきりと僕には聞こえた感じがします。
ラストオブラスト
大のスーパー青いソロからの玉田のクライマックスソロからのグランドフィナーレ。そして
エンドロール
完璧!見事すぎた!エンドロールの文字出てきた瞬間、僕と父で「クゥーー!!!」ってなりました。
最高の映画を観れました!続編やってください!
PS 初めてこんな長いレビュー書いたかも