デリシュ!のレビュー・感想・評価
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映画館で映画を観たい、レストランに行きたい人必見!
18世紀末期、フランス革命前夜に起きた食の革命にまつわる映画は、たった今、仲のいい友達と美味しいフレンチを食べに出かけたくてもなかなか出かけづらい、また、映画を観に映画館に行きたくても躊躇してしまう人たちにとって、まさに一挙両得の映画だ。
それまで、フランス料理といえば貴族たちが列席した大きなテーブルに並べられる、要するに特権階級のための料理、もしくは食べ方だったのを、庶民のために開いた1人の料理人の物語。主人公のマンスロンは当時豚の餌だと考えられていたじゃがいもとトリュフを使ったアミューズを仕えていた公爵のテーブルに出してしまったために、解雇される。だが彼は、同じ料理を飢えた庶民にアミューズとして提供するために、世界初と言われるレストランをオープンするのだ。
マンスロンが開店した田舎のオーベルジュのレストランには間隔を置いて何台かテーブルが配置され、各テーブルにはコース料理が運ばれてくる。今では当たり前の風景が、実はフランス革命につながる自由と平等の象徴だったという作者の観点が、なんとも胸をくすぐるではないか!?
マンスロンと彼に弟子入りするスーシェフとのラブロマンス、女性差別撤退、絵画的な照明、等々、これはフランス映画のセンスが凝縮された必見作。役者は地味でも舌に残る後味は芳醇である。
ルイーズのミステリー要素
18世紀にはまだレストランという施設も概念もなかった。グレゴリーガドゥボア扮する料理人ピエールマンスロンは、公爵の厨房の皆にバターは惜しみなく使えと食事会の指示していて公爵からも好評を得ていた。しかしジャガイモを使ったと言った瞬間から客たちから批判された。公爵から詫びろと言われマンスロンは故郷へ去った。失意の日々であったが、イザベルカレ扮するルイーズが料理を教えて欲しいとやって来た。
フランス映画らしく画面の美しさは際だっていたね。しかしジャガイモが貴族にひんしゅくだったり女性は料理人に向いていないと言われた時代とは大変だね。ルイーズも根性据わってるな。食材ごとの味を知り尊重しそれを活かす。基本的にはマンスロンも優しい人だ。
ルイーズのミステリー要素も加わってなかなか面白かったよ。
税金はかかる、窯にも製粉機にも
貴族の横暴な束縛(緊縛?)から料理と云う愉しみを世間一般に開放されるまでにこんな史実があったことに驚いた。
今も昔も、トップが牛耳って下々を虐げる、という図式は変わらないものだ……。
誰もが住みよい世の中へ、といった考えの人間が上を取り仕切って、徹底して管理施行してくれたら……といった、中身とは的外れな方向にも考えがすすんでしまった…。
今日あらゆる料理を愉しめるのは幸いだ。王侯貴族だけのものになってたら、人生はかなりツマラナイものになってしまってたろう。…と感慨深げに感じた。
もっともらしいフィクション
キャッチコピーに「世界初のレストラン開業の秘密、教えます」とありますが、調べてみると世界最古のレストランは、4~5世紀のオーストリア、ザルツブルクのシュティフツケラー・ザンクト・ペーターだそうだ(803年のカール大帝の宮廷に仕えた修道士アルクィンの詩に残る)。フランス最初のレストランは郊外ではなくパリだそうだ、もっともレストランができたのはフランス革命で貴族が没落し職を失った宮廷料理人の出現が寄与したというのは確からしい。したがって、この映画の殆どは創作なのでしょう、元伯爵夫人の復讐劇迄取り入れてサスペンスの香りも出しています。もっともらしいフィクションとしても知らないで観ていたので妙に納得して感心してしまいました。
目にも心にもおいしい作品
始まってまず、貴族しかおいしい物を食べられなかった時代にびっくり、そして伯爵の性格の悪さがすごい
それにじゃがいも料理っておいしいのにね
そんな伯爵の理不尽な謝罪要求に従わなかった一流の料理人の主人公のプライドにとっても好感が持てました
そこからは人生投げたぽかった主人公の所に謎の女性ルイーズが現れて、情熱と知識のある息子との3人の頑張りで成功していくストーリー
わりと淡々と進むけど退屈はしませんでした
おいしそうな料理だけじゃなくて、マンスロンとルイーズの関係がだんだん深まっていく過程が良かったのかも
ロケーションも本当にとってもきれいで、陽射しが眩しそうな明るい森の中の野外レストランであんな料理が食べてみたいです
起承転結とは言いませんが、展開がキッチリと進んでいくので、間延びせ...
起承転結とは言いませんが、展開がキッチリと進んでいくので、間延びせずに、観れました。
最後、貴族を簡単に追い払ってしまったのは寂しかったが、愛人がつまみ食いするシーンで、少し救われた。
フランス映画はもっと装飾美にこだわってるイメージだったが、田舎の綺麗さを表現するカメラアングルに感動した。
レストランの始まり、という割には、そこにはあまりフォーカスできてなかったかな。
意外と良し
映画自体は可もなく不可もなくって感じだけど、料理シーンの手際の良さが見てて気持ち良いし、文字だけでも料理の美味しさが伝わる。例の北の将軍様も日本人の料理人を寵愛してたし、食に関わる人は権力者に近づきやすいのか。そう考えると話自体もそんなに違和感なし。
料理映画に駄作なし
でいいんじゃないでしょうか。
海亀のあの映画も、フランス大統領の映画も、キッチンカーのやつも、デニーロが嫌なオーナー役のイタリアンの映画もみんな好きだ(…題名は全て思い出せない)。
この映画も、料理での「貴」「賤」を下敷きにして、市民革命も絡めたラブロマンスにもなってる。サラッと楽しめるいい映画でした。
フランス映画が苦手な人でもお勧め
女性を強く美しく描くのがフランス映画の印象であり、この作品もルイーズという謎多き女性ながらも快活に魅力ある女性が欠かせない存在でした。
主人公のマンスロンは腕は確かだが宮廷料理人としては似つかわしくなく、それでも個人としての料理人のプライドが高かったので世渡りヘタとなってしまう。
だが必ずしも”世界初のレストラン”の成功は1人では成し遂げられなかったという筋書きをもっと強調しても良かったし、息子が一番の苦労性で彼に労いの場面を設けても欲しかった気がする。
食べることが人の幸せ
レストランを初めて作った料理人の話で実話に基づくというのて期待していたが、実話というよりラブストーリー的な感じだった。
美味しい食事には色々な人がお金を払って食べにくる。それは今も昔も変わらないんだなぁとは思った。
シナモン
フランス革命前夜、宮廷料理人が誰でも食事ができる、フレンチレストランを作るまで。どこまで史実かは不明だがそこまではどうだろうという部分もあり。映し出される風景や静物は本当に絵画の様、狙った感はあるけど。
主人公怪我し過ぎ痛い痛い。お客さん来過ぎで到底あの人数で対処出来そうにないんですけど。息子何かあるかと思いきや素直ないい子。毒入り料理を食べた鶏可哀想。あと恋愛はあまりなくてもいいかな、以上感想です。
ずっと公爵に仕えてきたのにさんざんコケにされ、解雇された元宮廷料理...
ずっと公爵に仕えてきたのにさんざんコケにされ、解雇された元宮廷料理人。
終盤までもどかしい展開が続くが、最後の最後、同じく公爵に恨みのある女性の弟子と組んでの逆転劇は痛快。
料理人の矜持とは
とても素敵な作品だった。
フランス革命前夜の18世紀フランス、階級社会と貧富の差はイコールで、貴族たちの悪辣な様子は酷く、また滑稽にもみえる。それでも下級の民たちは頭を下げて赦しを乞わなければならないのがなんとも辛い。だからこそ、あのラストには胸のすく思いでした。一流の料理人でありながら虐げられた主人公と社会や世論を知ろうとした息子、その親子を救った婦人の関係性がとても良かった。盗みをしていた少女たちに労働によって対価を与えられた姿にも涙が誘われる。料理している手元も鮮やかで、生地をこねてるところとか、肉から脂がしたたってるところとか、食欲が湧いてくる。
階級関係なく笑顔で交わされる食事風景に、いつの時代もレストランは良き豊かな様相の象徴だなと思いました。料理人の矜持はお客様の笑顔で満たされる。
革命せよ
舞台設定が革命前夜ということもあるが、
コロナ以降の現状と照らし合わせても十分なメッセージを含む映画と言えるのでは?
オリンピック前年世界ではもう一つの一大イベントの
号砲が鳴らされた◎コロナフェスである。
その後どの国でも同じオペレーションで国民を家畜同然の扱いとし、管理統率が始まった。
我が国に至っては、世界的に誇れる食文化を支える現場が活動自粛に追いやられ、税収根幹の酒類が諸々のダメージを与えられた(^^)
評価はのちに任せるとして同時代を生きるものとしては憤りを感じ怒りの行動を起こして然るべき状況にある。
が、国民は従順に従い秩序維持に貢献している。
この状況に映画を通じ字幕メッセージで感じたモノは
なんらかの革命を抱いても良いと言える筈である。
デリシュデモクラ。本作は非常に芳ばしい🍠
美味だった♪
じゃがいものパイ
小品ながらきちんと現代風にアップデート。客のセクハラは笑って流さず、安易なラブシーンもきっぱり拒否!
レストランの誕生と市民の登場をうまく絡めて楽しめた。
公爵は悪役なんだろうけど、マヨネーズにもこだわりおいしい食べ物に目がないとなるとどうしても極悪人には見えなくなっちゃうなあ。
息子は知恵を出したとはいえもうちょっと働いてほしい。
現れるのが30代女性じゃなくて、50代くらいの女性で、いくつになってもやり直せるっていうのもいいなと思った。
謝り、許す、やり直す、は最近ほんとによく見るテーマだ。
非暴力革命
メイド頭、と言うかホールのリーダーに貴族の執事とか、これ以上の適任者は居ないよねw
フランスのプチ偉人伝は、ほぼ王道ドラマ。オーソドックスで分かりやすい物語。芸術・文化的に尖ってる部分は全くなく、まさに「物語りを見せる」系。なんで起承転結は、この映画の命です。
でですよ。
それが良かったw
料理長にまで取り立ててくれた侯爵の恩義を忘れられない男が、愛によって覚醒する。復讐のために生き、確信的な殺意を侯爵に抱き、実行しようとした女もまた、愛によって目を醒ます。結果が、非暴力革命。個人的には、ジャガイモとトリュフは一緒に食いたくないし、パイにするのも、ちょっとだけ「え?」ってなるけどw
何かと血なまぐさい革命時代のフランス。とっても爽やかでスッキリスッキリなラストが大好きなのと、名脇役を主役に据えた、ほぼ大作企画に拍手したいです。
良かった。
とっても。
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