ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価
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なかなかでした
事実に基づいているそうなので、これは知っておくべきだと思って観た。
(義足の親戚がいて、周りがそのことに触れなかったので、亡くなるまで聞けなかったのが残念。)
ただ、いろいろ不満も。
最初の、家族がバラバラになるシーン。
ハルビンの街並み(見たことないけど)はよく出来ているとは感じだけど、空からのソ連の襲撃によるものだが、やや安っぽいかな、と。
今回意図的なのか爆音のシーンが少なくリアリティを求めるべきではないのかもしれないけど。
そこから次のシーンは、もうラーゲリへ向かう貨車の中。
北川景子演じるお母さんも幼い4人の子供を連れ奇跡的に無事に帰国していたが、ここまで至るまでの苦労について語られることはほぼ無い。時期が良かった?タイミング?
ここを描いてしまったら時間が足りない、か。
山本さん。
インテリで優しく周りを常に気遣い鼓舞する。
文句のつけようがない素晴らしい人。
1枚でも写真を見せて欲しかったな…
二宮の歯がきれい過ぎとか、クロは自分の食べ物を分けていた彼(名前?)より山本さんに懐いていた謎とか、ラーゲリを忘れてしまうほどのほのぼの野球シーンとか、まだまだあるけど見応えがある作品だった。
特に最後。
それぞれが山本家を訪ねるシーン。
それぞれが家族を亡くして辛い中で遺書を読むわけだから、心中は察するに余りあり。
山本さんがメインだから仕方ないけど、少しでも各人のその後を教えてくれてもよかったのにな。
桐谷健太みたさに
行ったら、中島健人の演技が凄く良かった。
二宮より上手だと思った。
北川景子が綺麗だった。
裸で埋められていくシーンが悲しくなった。
終始クソロシアと思いながら観てた。
油断するとまだ泣けてきます
他の方も書いていたけど、ロシアのどこかの地名かと思っていた「ラーゲリ」は収容所だったのですね。
ある意味、というか私は経験がないので勝手な印象ですが、戦争をしている国にいて、いつ空襲受けるか分からないでいるより過酷な収容所の生活…
あんな極寒の地で、粗末な食事、不衛生で休まらない環境、過酷な労働、何かあれば暴力に晒されて、営倉で南京虫に襲われるとか、もう考えられないことばかり。
そんな中で、人や未来に愛を持ち続けるとは、何と立派な男だったのだろう山本。
穏やかな笑顔と、包容力や知性を感じさせるニノの演技は、立派だけれど普通の人であることを思わせて、とても良かったです。
そんな山本を信じて、笑顔を絶やさず4人も子供を育てる素晴らしい女性を演じた北川景子が見事でした。
元々好きな女優さんで、演技も世間からはあまり認められてないようだけどいやいやなんの、私は好きだったのですが、今作を持っていよいよ文句を言う人はいなくなるのではないかと思っています。
遺書を伝えにくるという展開は全く予想しておらず、再会できて感動するものと期待していた平和ボケの私にはショックも大きかったのですが、その、遺書を伝える面々の名優ぶりは言わずもがなでした。
記憶するという発案、そのキッカケとなった「頭の中で考えることは誰にも奪えない」という意味のセリフ。
これ、ライフイズビューティフルにも同じようなセリフがありましたよね。
私自身も昔からずっと思っていることですが、本当に、生きていく上で一番大切なくらい、大切な心がけと思うんです。
心は自分のもの、ということを忘れないって。
それが本当に感動的でした。
あの過酷な状況にも関わらず、遺書を記憶して、家族に届けるという使命をそれぞれが果たす。
またその使命が、生きる力を生むということ。
話は飛びますが癌になった原因に、あの過酷さや南京虫の懲罰が無関係とは到底思えないと劇中ムカムカもしてしまい、戦後の混乱でどうにも出来なかったとは言え今なら人権問題にしてとか考えてもみたが、皮肉にも訴えたい相手は今またこんな時代に戦争をしている…
悲劇ばかりを生むと分かりきっているはずなのに、今またこんな時代に。
この世にある悲しさで泣き枯れる戦争映画を強制的に全部観せて思い直してもらいたい。
しかし悲しいかな、それをしてもきっと、あの国の自由な心は、戦争をやめないのだろうな。
早く平和になりますように。
そうだ、愛しのクレメンタイン子供の頃から好きな曲で、心の中で共に歌いました。嬉しかった。
善人ではなく人
感想としては、素晴らしいの一言。
主人公が上官に裏切られ、絶望する下りが最高でした。
常に前向きで、希望を捨てない者が、絶望に堕ちる。
太陽のようであっても、必ず陰る。決して聖人でなく、
人である。この描き方は本当に素晴らしい。
これは全くの個人的になるものですが、南京虫の下り、
私も苦しめられたことがあり、記憶が蘇ってしまいました。星ひとつ足りないのは、そこです。
因みに、南京虫に刺された後が奇麗になくなるまで、10数年費やしました。
Stayin' Alive!
過酷な状況の中で出会った人々がお互いを信頼し、闘病の末に亡くなってしまった山本さんの為に協力する描写がとても切なかったです😭
この映画の歴史について知らなかったので、1945年終戦後に日本に帰れない人がいたことに心苦しく感じました…
山本さんの意思が遺言書を通じて、日本にいる家族に届くラストが素晴らしかったです👏🏻✨
俳優さんが、それぞれの役にとても似合っていたので映画として完成度が高い印象でした!
予想以上でした。
昔、テレビのスペシャル番組で観ていたので、ストーリーはしっていました。なのであまり期待はしませんでしたが、予想以上でした。映画にするとだいぶ前ちがいますね。
お客が高齢の方が多かったのですが、
四方からすすり泣きが聞こえました。
観に行って良かったです。
最後でてらおさん、今回は主役じやなくて
息子で出演たんですね。
ひとりの抑留者のまっすぐな魂と愛。
とても辛くて悲しくて、温かい作品。60万人近くの日本人が抑留されその1割が無くなったシベリア抑留の歴史。二宮和也の演技が圧巻。北川景子も素晴らしかった。1人1人を丁寧に描いたことで終盤の感動に繋がった。母を亡くした者と、子を亡くした者。夫を亡くした者と、妻子を亡くした者と。山本のまっすぐな魂と愛が、皆を結びつけ、彼の想いはきちんと家族に届くことができた。悲しくも光の見える美しいラストに涙止まらず。12月にすごいのが来た。
さすがに犬が船を追いかけて氷上を走って来るのはやりすぎでは?と思ったら、後で記事を読んで犬の件も実話と知りびっくり。
Soranji
期待はそこまでしていませんでしたが…とても面白かったです。不覚にも涙腺をやられるとは思いませんでした。
収容所に収容された山本幡男という実在の人物と周りの人々の希望と絶望を描く物語で、これでもかと泣かしに来ますが、しっかりと感動できますし、説得力もあるものになっていました。
収容所での生活を色濃く描いており、抜け出そうとしたら殺され、戦争時代の上下関係はまだまだ健在で、食料は少なく、病気や怪我で亡くなる者も多い中で、妻と約束した帰国を叶えるために山本が奮闘する姿はとても熱いです。南京虫の刑は悍ましすぎました。あんなに狭い箱の中で虫に噛まれ続けると思うと鳥肌が立ちまくりでした。収容所での生活の中で野球をしながら、希望を見出していくというのもまた良かったです。
役者陣の演技が神がかっているのもあり、物語は光り輝いていました。ニノの喜怒哀楽っぷり、癌になってからの痩せ姿から出すか細い声だったりと、ニノ史上最高の演技が見れたと思いました。ロシア語ペラペラなのもまた凄い。一番驚いたのはケンティーです。少し前まではおちゃらけたキャラが多かったんですが、実直な青年を演じ切っており、一皮剥けて強い役者に進化したなと思いました。
映像は神秘的でしたし、音楽も名曲を使っているのもありますが、物語に合っていましたし、美しさに磨きがかかっていました。
不満があるとするならば、おそらく原作には無かったコロナ禍の現在の様子はいらなかったかなと思います。メッセージを込めたいというのは分かりますが、完全に蛇足になってしまっていた感は否めませんでした。あと遺書を記憶したものを伝える過程を4人分見せられるのは長いなと思いました。新ちゃんのエピソードは一番グッときましたが。
今年観た邦画の中でもトップクラスに面白い作品でした。これはヒット間違いなしです。
鑑賞日 12/11
鑑賞時間 17:50〜20:15
座席 K-6
予告編の作り方を学習して欲しい
正直、見せすぎの予告で本編観なくても
いいんじゃないか?と思わせる手法を
本当にどうにかしてほしい。
あと、予告での音楽の使い方が下手くそ。
主題歌への違和感が半端なくて
ミスキャストじゃないのか?あん?と
ずっと思っていた。
本当にごめんなさい。めちゃくちゃいい曲じゃないか😭
エンドロールで流れた曲と同じか?と思うほどに…。
そしてその歌詞にまたノックアウト✊
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日本映画界の未来は明るい。
そんな風に久しぶりに思えた。
もう誰もアイドル上がりだなんて
思っちゃいないだろうけど
ニノの鬼気迫る「山本旗男」は、
もはやご本人が降臨してるのでは?と
思うほど。
主要6人の役者の演技がたまらない。
北川景子のことをこれほどまでに
美しいと思ったこともない。
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ラスト30分は涙が止まらない。
帰国後のシーンは、
わかっていても涙がこみ上げる
涙腺崩壊、ダム決壊状態。
偶然かはたまた必然か?
4人各々の背景とリンクしたかのような
アレはズルいわ、反則です😭
母として、妻として、家族として、子として
傷み悲しみと愛情が深々と伝わってくる。
.
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いま、この時代だからこそ
いま、まさに起こっている戦争が
あるからこそ
ひとりでも多くの人が観て感じて
「戦争がもたらす後遺症」について考え
戦争による悲劇が繰り返される事のないように。
その思いが願いが届けばいいのにと思う。
.
踏み込みの浅さが惜しい
実話に基づいていることもあり、大袈裟な事件は起きません。
その分、脚本としては誠実な印象を受け、演者が厚みを持たせてくれていた。
対して、美術やメイクなどのツメが甘く、満州の景観はセット丸出し、空襲や別離の描写は白々しさすらあった。
雪焼けした顔や黒くなった爪に対し、水浴びで脱いだ身体はツルツル。
北川景子も終始綺麗すぎて苦労が覗かない。
また、過酷さの表現もぬるい。
強制労働の実態は伝わりづらく、窶れるなど経年で外見が変化することもない。
営巣送りも南京虫も数秒のみ、食事のシーンなども一度きりなので、どれも『日常』として感じづらかった。
しかし、演技は総じて素晴らしく、個人的に今回のMVPは安田顕。
遺書を届けにきた際に、なかなか上手く笑えない表現は白眉。
脚本も、山本の教えから遺書を記憶しようとするところや、松田が亡くした母を、相澤が妻を重ねながら遺書を読む流れも自然。
(ただし、「クロは山本さんたちの想いを乗せてるんだ」みたいな台詞は完全に蛇足)
エグみを避けず、細部にまで拘っていれば名作になり得ただけに、惜しい。
広く見てもらうことも大事だが、薄い表現では伝わるものも伝わらない。
ちなみに、遺書とは別に書き溜めてたノートはどうなったのだろう。。
どんな時でも人は人との絆を希望にして生きていく
本作は、太平洋戦争終結後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された、極限状態での日本軍捕虜達の人間ドラマである。本作は実在の人物・山本幡男さんをモデルにしているので、リアルで泥臭く、平和を取り戻すことの難しさを強く感じる。生きることの意味に鋭く迫った作品である。
本作の舞台は、太平洋戦争終結後、1945年のシベリア。日本軍捕虜達は強制収容所に抑留される。氷点下40℃という過酷な環境で厳しい労働を強いられ、一人また一人と絶命していく。このような状況で、主人公・山本幡男一等兵(二宮和也)は、日本にいる妻・モジミ(北川景子)と子供達との再会を強く信じて、仲間達を元気付けていく。当初、絶望していた仲間達は、山本の信念と行動によって、日本で待つ人達に再会するという収容所で生きる希望を見出す。ダモイ(帰国)を合言葉に懸命に生きていく・・・。
本作は戦争映画だが、戦後を描いているのが大きな特徴である。戦争が終わっても、その影響はなかなか消えず、人々を苦しめる。本作では、日本とソ連が国交回復する1956年までの11年間、主人公達の苦難は続く。本作は、戦後から戦争の影響が完全消滅して平和になるまでの主人公達の苦難を描く。反戦とともに平和を取り戻すことの難しさを強く感じる。
後半が本作の見せ場である。主人公は、志ならず収容所で病死する。仲間達は、収容所の検閲で書いたものは没収されるが、記憶は消せないという主人公の言葉を思い出して、主人公の遺書を分担して暗記する。
仲間達は、帰国後、記憶で繋いだ遺書を遺族に伝える。人は死んでも、その想いは、脈々と受け継がれるという言葉を体現する。仲間達が口頭伝達する遺書は仲間達の想い、主人公の妻子への想いが溢れている。感動的で涙を誘う。
戦争が終わっても、平和は簡単には戻ってこない。
人は人との絆を希望にして生きていく。
本作は、観終わって、そう強く思える作品である。
soranjiで完成する希望の物語
YouTubeのニノと大森さんの対談を見て、Mrs.Green Appleの主題歌「soranji」で救われる映画。演者も大森さんも極限の状態で作り上げた作品。」ということを感じて、これは見なきゃ後悔すると思い、視聴。
結果、soranji、誦じる(暗記して言葉にする)、空(どこまでも続く、いつもある希望)なのか、、、と。
主人公、山本幡男の意思がそのまま主題歌となって観客へ「いつでも希望を忘れずに、生き続けなさい」と訴えかけてくる。
映画館の中は後半から常に誰かの鼻を啜る音が聞こえてくる、感動のオンパレード。
それも仕方ない。どれだけ泣けばエンディングなのかと、心配になるほど泣かせにくるシーンの連続。
演技にもストーリーにも不自然なところがほぼ無く、入り込める内容。クロが船を追いかけるところは少しやり過ぎ感があったが。
辛く悲しい場面とホッとする幸福なシーンが繰り返され、少しずつエンディングへ行くも、主人公はラーゲリにて亡くなってしまう。悲しすぎる。
ハッピーエンドが好きな私には酷な映画だったが、それを救ったのが仲間たちの「誦じ(そらんじ)」であり、主題歌の「soranji」である。
中盤に中島健人演じるしんちゃんがノートを奪われたシーンが伏線となって、遺書を仲間たちが暗記して、遺族に届けるという、泣かせますなほんとに。
4つの遺書全てで泣いてしまった。原さん、松田くん、しんちゃん、相澤さん、みんな個性どおりの伝え方で素晴らしかった。
主題歌の柔らかで小さいのに、強い大森さんの歌声とメッセージで観客みんなとどめを刺され、目を晴らして映画館を出たことだろう。楽曲提供を頼まれた2週間後にデモを提出し、作品を見たのは完成後と言っていたが、そうは思えない親和性を発揮していた。「soranji」には山本幡男がいた。
今年見た中で一番の感動作だった。また忘れた頃に鑑賞したい作品。
1つの映画でこんなにも多くの教訓を残す作品もなかなかないのではないだろうか。
希望がなくとも生き続けなさい。
いつも近くにある幸せに気づきなさい。
物は奪われるが、記憶は奪われない。
希望はいつでも必ずある。
明日死ぬと思って今日を大切に生きなさい。
人間的に生きることの大切さ。
ただ生きてるだけでは生きていないのと同じだ。
最後に勝つのは道義です。
当たり前と思っていること・人に感謝を伝えなさい。
人はどこまでも尊い。
美しい振る舞いは人を鼓舞する!
一人のピュアな生き方が、周り人たちに生きる喜びと勇気を与えた物語に感銘しました。不幸のどん底なれども、その強靭な生き方が、周囲に幸の波動を広げるのです。そして彼は皆んなに愛されました。そんな美しい心情がたくさん詰まった秀作だと思います。確かに戦争ほど悲惨なものはありません。しかし、この作品を俯瞰して観ていくと、結局私たちの生きている世界においては、幸福に感ずること、不幸せに感ずることは、全てその現象を観ている一人ひとりの気持ちによって、色付けされているのだと言うことを、改めて教えてもらったような気がします。ネタバレになりますが、二宮は癌で亡くなります。妻と子供に二度と会えないのです。けれども、二宮の遺言を記憶した仲間たちが、妻に告げた時、不幸に見えたことが、まるで黄金の時を刻むように見えました。それは生死を超えた、喜びに昇華する瞬間でしょう。これは私たちの人生に深い彩りを与えようとしてくれる宇宙の采配なのかもしれません。だから、私たちはどんなに悲惨ことがあっても、生きている喜びを失わないことが、一番大切なのでしょう。そんなことを教えてくれたこの作品にリスペクトです。感動するシーンはたくさんありました。二宮が亡くなるまで添い続けた犬のクロの勇姿に涙がこぼれます。また、遺言を伝えた安田、松坂、中島、桐谷という役者たちの演技がとても光っていました。もちろん北川景子の可愛さ美しさも素晴らしかった。久々の大感動作品でした。
蛇足&過剰な演出
史実を淡々と描くだけでも十分感動できる重いテーマなだけに期待しすぎていた。
主人公が好きなアメリカの歌を誰かが歌い始めやがて全員で合唱。当時の日本兵が英詞で。ありえない。
犬が氷上を追いかける。冷たいシベリアの海を泳ぐ。
遺書を分担して記憶してそれを文面化したなら、読み上げずとも、一人一人手渡しに来るだけで感動できた。
泣かせるための過剰演出波状攻撃。
ここまでは目を瞑っても、
ひ孫の結婚式に孫が出席は完全な蛇足。未来への希望まで画にしなくても。
役者はそれぞれいい演技をしているだけに残念だった。個人的な好みの問題かもしれないが、
引き算の美学を意識して欲しい。
よくやった!
「よくやった!」
これは山本が妻に宛てた遺書の言葉だが、私は山本へもこの言葉をかけたくなった。
白いシーツがふわっと舞い上がると、そこには山本が。最後の最後に妻モジミの前に現れる。
その白いシーツはまるで舞台の幕のようで、
穏やかに静かに佇みお礼と別れを伝える山本はまるで主演舞台を演じ切った後、幕が上がり挨拶をする役者のように見えた。
観客の私は相沢がしたように「よくやった!実によくやった!」そう声をかけたくなった。
山本は山本幡男という人生を見事に演じ切った(生き抜いた)のだ。本当に素晴らしい舞台(人生)を見せてもらえた。心から拍手をおくりたい。
そして山本幡男という役を文字通り演じ切った二宮さんにも同じ言葉をおくりたい。
(普段、演技については個人的趣向の度合いが強く出るので触れないようにしているが、今回はこの役を演じ切る心力に感嘆せずにはいられなかったので)
山本幡男さん以外にも抑留者それぞれの人間が描かれていた映画に思えた。
日本に帰国できた者たちも手放しに良かったと言えるようなものでないことが、
奪われた年月の残酷さが、
改めて映像として突きつけられ非常に心が苦しくなった。
正直、映画全体にちょこちょこ違和感を覚えるところはあった。しかし、パンフレットを読んで、監督がこの映画を国民映画にしたいという狙いがあることを知り、諸々腑に落ちた。
なので覚えた違和感は言及しないことにした。
国民映画ではない方が個人的には好みだが、その狙いやその意義には賛同するところもある。
この映画が監督の狙い通り国民映画になることを願う。
タイトルなし(ネタバレ)
原作は読んでませんが、シベリアでの過酷な強制労働はほとんど描かれておらず、ソ連兵は少し登場するだけ。おそらく国内ロケを少しやっただけで済ましているんでしょう。
これでは感動も何もないです。
4人の頭の中の遺書が次々届く😭
まずは、上映開始すぐにソ連の蛮行に怒りが沸いてきた。日本の敗戦を知るや否や火事場泥棒的な条約破り、国際法違反。そんななか悲惨にもシベリア抑留された軍人の過酷な物語。
この作品は今までの戦争モノとは一線を画すものだと思う。戦争は終わったのに日本へ帰れない。家族に会いたい。しかし、過酷な環境で生きる希望を失くす軍人たち。そんななかで、国へ帰って家族に会う希望を捨てない山本幡男(二宮和也)の信念の言動、行動が徐々に他の抑留者の心を動かしていくヒューマン作品。
無念にも病死で帰国出来なかった山本幡男さん。しかし彼が書いた遺書の4通が4人の頭の中にそれぞれ記憶されて帰国する。4通全てが遺族に届いたことは奇跡でもあり、山本さんの信念が通じたと思いたい。この後半のシーンは誰もが涙するだろう。戦争シーンや戦後の情勢などさらっと流れた感じはあるが、詳しく掘り下げることはこの作品には必要無かったと思う。
山本さん演じた二宮君。終始安定した演技で病床のシーンはお見事!主人の帰りを待ち続けた芯の強い妻モジミの哀楽を演じた北川景子さんも見所(難点は顔が綺麗すぎて時代に合ってない😞)松坂桃李の痩せこけた雰囲気は1番しっくりきた。なかでも安田顕の人間を取り戻していく様の演技は別格で素晴らしかった。犬のクロは皆の拠り所で、子犬から成犬に成長してる様は年月が経ったことを改めて感じる存在でした。しかし、ラストシーンの結婚披露宴はコロナ禍でなくても良かったのではないか?それでも心に残る感動作でした。
希望を捨てない
いつ帰れるかわからない、死ぬかもしれない、地獄のような場所で最後まで希望を捨てなかった一人の男。
そんな男に心動かされた人々と、約束を信じて待つ家族の物語。
まず主演の二宮をはじめ、松坂、桐谷、安田、中島の演技が凄く良かった。
大まかなストーリーと展開を知ってる自分でも泣いてしまうのは、彼らの演技に魅せられたからだと思う。
戦後が舞台の映画だが、描写がかなりマイルド。時代背景等を考えると実際は我々の想像を絶するものだったと思う。もっと凄惨に地獄感出しても良かったかも。また、赤旗の演説、総括もあのワンシーンだけなのはもったいない。そしてその後桐谷も周りも普通にしてんのが少し釈然としない。
個人的に好きなシーンは原が約束通り笑顔で山本の家族に会うシーンとその後の遺言状リレー。
原の涙をこらえて頑張って笑顔を作るとこはグッとくるし、母を失くした松田が母への遺言状を、妻を失くした相沢が妻への遺言状をってのが涙を誘う。特に松田は読んでる最中に自分の母を思い出す描写があるのが良い。
実録物だから劇的な展開や盛り上がりがないのはしょうがないけど、普通に良い映画だと思う。
戦争はアカン
戦争は、何も生み出しません。
非人間性の開放があり、人殺しと死、深い悲しみ、癒えぬ心傷、生還しても死ぬまで続くトラウマなど何もいいことはありません。
生きてこその家族の繋がりや社会生活での様々な人との関わりが生まれます。そこには、生きているからこその喜びが見つかる可能性がある。
今が、生きていても辛い大変な時代であっても、生きているからこそ、それが変わるかもしれないのです。死んだら終わりです
この映画の主人公である山本は、大変な人格者であるからこそ、仲間との密接な繋がりが生まれ、彼が与えた考え方や影響力が彼の死後も仲間によって伝えられ、山本の家族にも遺言が届けられる。だから優れた作品になり得たのであり、そうでなければ、こんな感動が生まれる筈もない。
映画作品としては、内容は勿論のこと、二宮さんと北川さんの好演が見入られました。いい作品です。
繰り返しますが、戦争は何も生まない。
シリア然り、ウクライナ然り。
庶民を苦しめ更に苦しめる、ある政権は、軍拡のために更に庶民から税金を毟り取ることを考えています。
今現在、とても生活が苦しい多数の庶民に追い討ちをかける増税などもっての他、しかも増税をし、その血税を軍事費にかけるなど狂気の沙汰としか思えません。
それを念頭に置いて観るのもいいと思います。
とにかく、戦争はやらないことです。
映画館で泣くのは18年ぶりです。
前回 大泣きしたのは2004年に見た半落ちでした。
途中何度も泣いてしまうポイントがあるのですが後半に4人別々に遺書を伝えにくる場面が実話だと思うと凄いです。
最後に寺尾聰が出てくるのも半落ちといっしょ•••
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