ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価
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クロのエピソードは全て史実なのはやばい
これは1989年の原作を知らない人にこそ、刺さるんじゃないでしょうか。
確かに「山本幡男さん」は生きていてその収容所にいて、どんなにエグい扱いを受けても人としての尊厳やどう生きたいのか、希望を捨てないよう勇気を与え続けて、思いやりを持って存在していた。
でも、あくまでそれは客観的に収容所の捕虜仲間たちから見た「山本幡男さん」であり、彼の頭の中ではどうだったのだろう。劇中で「頭の中は自由です」と彼が語っていたように。
病床の場面で「絶望しないわけがないじゃないか」と絞り出すように伝えた、あの気持ちをずっと見せないようにして仲間に「希望を捨てるな」と伝え続けてきたんじゃないだろうか。
それでも、収容所で見た彼は人間らしく生きることの大切さや帰国することを諦めようとする姿は見せなかった。
そういう彼を語るために大切な客観性が重要な演技というのは、二宮和也さんの演技にピタッとハマっていて、自分も話が進行するにつれて捕虜の中で自然と増えていく「山本幡男さんファン」の1人になって見ていた。
ラーゲリから届く「愛」なんですけど、松坂桃李さん演じる松田くんのところではもう劇場内から啜り泣く声があちこちで上がるくらい、号泣。
クロのエピソードは完全に史実通りっていうのも含めてこの映画やばかった。
自分の人間性や人望について、改めて考えさせられる映画でした。
見て損はないと思うけど、デート向きではないかもな…
泣かせの一発に見事成功。巧い。
生きてる幸せ
2月1日、小さなスクリーンで見ましたがほぼ満席でした。
終盤は涙が止まらず、館内から涙をすする音がいたるところから聞こえてきました。
人はなんのために生きているのか、幸せとは何かを考えさせられる作品で、モジミと自分の妻を重ねながら見ていました。
自分が今幸せに生きていられるのは、凄惨な戦争の時代を生きた先人達が築いた今があるからこそだと、改めて思いました。
戦後、ソ連が日本に対して何をしたのか。
そこにいた一人一人にダモイ(帰国)を願う理由があり、虚しくもダモイが叶うことなくシベリアの大地に伏した日本人が何万人もいることを、この作品を見てたくさんの人に知ってほしいです。
俳優としての二宮和也の演技も素晴らしく、その他の俳優も役柄とマッチしていました。
空襲や銃撃戦のシーンとかはちょっと安っぽいなと感じました。また、最後の結婚式のシーンもあまり必要性を感じなかったです。
映画鑑賞を楽しめる有り難さ
ラーゲリの収容生活の過酷さを映像にして、リアルに味わいました。
極寒の辛さ、わずかな食事、身を粉にしての労働、罰として虫だらけの部屋に入れられる、、、など11年もの間、耐え抜かれた現実を突きつけられました。
ソ連の共産主義の姿も垣間見えて、支配される人たちの姿に、人間の恐ろしさを痛感させられました。
日本の兵士たちには、伝統的な上下関係が厳しく根付いていたのも時代を感じました。
そんな中でも道義を大切に仲間を思いやる山本の姿に、どんな状況でも忘れてはいけないことを教えられました。
戦争映画だけでなく、生きるうえでの希望や人への道義の大切さを感じました。
良かった。
それでも生きて
余韻がすごくて眠れそうにありません。
希望と絶望に翻弄されながらも
微かな希望を忘れずに最後まで人間らしく生きた
愛に溢れた人
その生き方は多くの人の記憶の中に今も生きている。
しんちゃんに出会ったシーンがとても好きでした。
あの時は山本さんも絶望の中にいて
しんちゃんのハツラツとした笑顔や優しさが
一筋の光のようでした。
どんな絶望の日も空は広くどこまでも繋がっています。
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そして、心に刺さった言葉が
ただ生きてるだけじゃダメなんだ。
山本さんのように生きないとダメなんだ。
ただ息をして魂の抜け殻のように
人間を辞めて生きるのではなく
小さくても希望を持って人間らしく生きていくこと。
卑怯には生きない。強く生きていきたい。
愛する気持ちを忘れない。
人は誰しも尊い存在だから。
尊い存在であるように光を失わないで。
誰でも絶望から人間らしさを
失いそうになることはある。
優しい山本さんだって25年の強制労働といわれた後
クロにパンあげられなかったですもんね
あの時は絶望のあまりポリシーを忘れていたのかも
でも、そんな時救い上げてくれるのは
何ともない青空だったり隣にいた人だったり
私、ただ漠然と生きていないかな...
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ずっと色々しんどかったけど、
全体的に暖かい映画だったので
重たい気持ちにはなりません。
ただ余韻がすごいです。
隣の歌や楽器の演奏が度々うるさい
反戦映画ではなく、政治的対峙の怖さを知る映画
日本人として、観るべき映画だと考え、鑑賞しました。
東京外国語大学で ロシア文学 を学び、満鉄調査部そして、陸軍の"特務機関"に勤務した人間なのだから、
どうみて、スパイです。捕虜になった段階で、裁判なしで、死刑に成ってもおかしくないのですが
捕虜になった時点で 国民服や私服ではなく、きちんと正規の軍服制帽姿だったので、
即死刑にはならずに、一般的捕虜相応として扱われたのだと思われます。
戦後のソ連にとって、日本以上に危険国扱いであっただろう アメリカ唄「いとしのクレメンタイン」を英語で歌っては、
捕虜の立場としては、相当マズいだろうと思うのだが
更に、その英語唄を 周囲に教えているのも、輪をかけて大問題。。。
この部分だけで、とにかく反骨精神が強い男な事は解るが
ソ連捕虜がアメリカ唄を"なぜ!"歌うのか、今までアメリカに関与したことがないロシア好きが
どうして、このアメリカ田舎唄を歌うのか?
その辺の生い立ちを映画の中で きちんと示して欲しかった。
それがないのならば、事実はどうあれ、映画中で唄う歌は ロシア民謡 の方が、映画的にはしっくり できたと思う。
民間人の中島健人さんが軍服でなく、国民服の制服制帽 であったり
軍装が 昭和5式軍服 から 98式軍服 に史実通りに変化していたり、
収容所内では、制服の再配布があったのだろうか?途中から階級章や帽子の星をちゃんと剥がした跡があるし、
各所の考証はしっかりしていた。
終後7年で、手紙のやりとりが始まるのだが、「主人公死亡」に関しての公式報告は日本の家族に元に きちんと、知らされている筈なのだが。。。
それさえも 信じない 帰りを待つ家族は。。。
ならば そういった家族の葛藤シーンを改めて もう1度映画中に入れるべきでしょう。
ストーリーは明確で解りやすいが、
「夫の帰りを ただ信じて待つ」けなげさ! 以外
この映画を通しての 言いたい事 が他にもあるのかが不鮮明
二宮和也さんの役作りと演技はたいへん素晴らしかった! 主演賞級でした。
北川景子さんは いつ見てもお美しい!
収容所で、野球をするなら「大脱走」を観て欧州収容所と比較してみたいと思う。
シベリア抑留の現実、考えさせられました
今年一番の実写映画!
実話
「ダモイ(帰国)」を信じる強さに感服
もっと暗くて重いストーリーかと覚悟をして臨みましたが、「希望」のお話でした。
第二次世界大戦後にシベリアに抑留された日本人のこと、漠然としか知りませんでしたし、深く考えてもこなかったのが正直なところですが、11年ですよ11年。長い!
来る日も来る日も酷寒の地で重労働。過酷さにリアリティが無い、って批評もお見かけしますが、これ以上に悲惨な映像でしたら私はスクリーンを直視できませんでした。(現実はもっと酷かったんだろうなぁ)ということは容易に想像できますのであそこまでの描写で十分でしょう。
あの状況でも希望を見失わない強さ。本当の人間の強さって優しさ、柔らかさなのかもしれないですね。
主演の二宮和也さんを始めとしたキャストの皆さんの演技にひきこまれました。
辺見じゅんさんのノンフィクションが原作ですが“クロ”のエピソードまで実話ベースだったとは!
「64 ロクヨン(全編)」等、瀬々監督の描く人間ドラマは個人的に大好きなのですが、この作品もこれまでと同様に(良い意味での)エンタメ性とのバランスがいい塩梅だと思います。
工夫された構成も活きていました。
たくさん泣きますが辛いばかりの涙ではないので安心してください。
戦争は終わっていません。まさに今、観るべき作品でしょう。
高い再現ドラマ
見たかった映画なので、満足しました。
私たちのお父さん世代は大概、第二次世界大戦に行っています。私の父は衛生兵らしく戦争のことは一言も話しません。義父は暁部隊で全滅した部隊ですが、物資輸送班で崖に落ちて命拾いしたそうです。義父の話では気が狂った兵士は穴に埋められたと話してました。ラーゲリーで亡くなった人を葬るシーンでこうだったと思いました。本当にあった話で山本さんの勇気ある行動は皆と仲間のの絆を深めて最後は涙が止まりませんでした。百歳で亡くなった歌人の母が貸してくれた、シベリア抑留の方の歌集を見せてもらったら、悲惨な毎日を歌にして凄さを感じました。二宮君はじめ、役者の皆さんの演技も素晴らしかった。辺見じゅんさん原作で、車の無い私は1時間に1本のバスに乗ってやっと見ることが出来ました。駅前の映画館は何とか行けますが見たい映画は少ないです。
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