劇場公開日 2022年12月9日

ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価

全397件中、281~300件目を表示

5.0涙を堪えるのに必死でした

2022年12月15日
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実話に基づいた第二次世界大戦後のシベリア強制収容所に勾留された山本幡男さんの物語です。

改めて戦争の悲痛さ、絶望感を認識するとともに、その中でも家族との約束を唯一の希望とし懸命に生き抜いた男の姿に涙なしには観られません。

同時に、今の日本がいかに平和で、そして便利であることに甘えている自分に気付かされました。

本当に大切なものが何なのか…改めて考えさせてくれる映画として心に残ります。

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大

4.0愛と希望

2022年12月15日
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誰もが絶望感を覚えるラーゲリで、そして、ラーゲリから、たくさんの愛と希望を与えてくれた作品。

些細な事で不満に思ったり、当たり前を当たり前だと思って平和慣れしてしまっている人に観てもらいたい。(自分にも言える)

マスクの中で涙と鼻水を抑えるのに必死でした。
ハンカチをお忘れなく。

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minmixnao

4.0タイトルを変えた意味

2022年12月15日
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号泣かましました。
原作は知りません。
でも、遺書がかなり長いのに対してかなり端折って読まれていたので、全文読んでほしかったなぁ、と思っていたらエンドロールにて原作のタイトルは「収容所から来た遺書」だと判明。
なるほど、タイトルを変えたのはこの映画では「遺書」は重要視されておらず、あくまで山本の性格から周囲の人間に希望を与える話にフォーカスし、日本に帰った家族も山本の存在自体を希望として生きている、そんな映画を作りたかったのだと納得。
原案とまではいかずともあくまで“原作”
それに長々と遺書を読むのは映像ではなく文章で十分。
きちんと2時間強の映画としてストーリー破綻させず上手くまとめ、尚且つ映画だけ見る勢にタイトルで「遺書ほぼ関係ないじゃん」とさせない原作リスペクト。
原作も読んでみたくなりました。
最近、原作に敬意を払わず、脚本家とは?となる映画が量産されている中、それぞれの映画のプロたちが集結し映像音楽演出そして脚本全て熱意を持って製作したであろうこの映画を私は愛を込めて讃えたいと思います。

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木根間

4.5こんな漢がいたとは知りませんでした

2022年12月15日
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泣ける

悲しい

興奮

邦画にしてはよく出来ていた。久しぶりに涙した。
余計な所が無かったとは言わないしできれば日本兵捕虜はもう少し痩せてた方が良かったかな。
細身だけど栄養が行き届いていた体つきだったので。役者は役作りが大変だろうけど。

事前の情報はシベリア抑留位しか知らず、どんな話なのかと。
言ってしまえばシベリア抑留の過酷な労働とそれを耐えて生き抜く捕虜と残された家族の話だ。
それにしても実話を元にした映画だが、主人公は飄々とした優男なのに芯が強く、優しく、明るく、曲がったとこが嫌いでそれを押し通す。ロシア語が話せるからと通訳をやるが、それだけで共産主義者と後ろ指をさされてその為に一部の仲間からも嫌われロシア兵にもロシア語で意見してボコにされ営倉(独房)入りもしょっちゅうで他の人よりボロボロ。ある意味楽な生き方ができない、いつもどんな時でも実直だ。
ボロボロでもいつも希望を抱き仲間を励ます。
その一途な姿勢は皆の意識を変え慕われて希望を持って過酷な労働に耐えて帰国できる日を待ち望む。そんな映画。立派な人間の見本としか言えない。こんな生き方ができるだろうか。

細かいことは実際に見て欲しい。
夢も希望も失いがちな現代にも通づる
見る価値のある映画だ。

追記 物語に出てくる収容所で飼われていた黒い犬のクロ。物語のアクセントだと思っていたら実在した犬でした!名前もクロで皆んなにかわいがられており、ナホトカ港から最後の引き揚げ船を追いかけて流氷の海を泳いで船に収容され日本に行く。これが全て事実だったとは!
完全に仕込みだと思っていましたが事実は小説より奇なり?ですね。

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ひろちゃん千葉

3.0湿りすぎててウザい

2022年12月15日
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鑑賞方法:映画館

泣けるのは分かるが、そればかりで一本調子。
緩急がなくてドラマとしてもう一押し。

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CR7

4.0遺書を記憶する

2022年12月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

かつて、ユダヤ人の収容所では、なくなった方の名前を文字に書くことができないため、歌にして覚えたというのを思い出しました。やっていることが同じでも戦勝国だから許されるなんというのは、おかしい。

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ワオ

4.0泣けます。

2022年12月14日
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じわりじわりと、生きることの意味を問いかけて来ます。
年齢が高過ぎる周囲のお客のすすり泣きの大合唱には、流石は、瀬々監督です。

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酒呑童滋

5.0これで泣かなきゃ~😢日本人じゃねぇー‼️

2022年12月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

最初から最後まで、吸い込まれた。
俳優人の演技力凄いな~☺️
なかでも涙が止まらなかったのは、北川景子さんが、地面に顔を擦りつけて泣くシーン、
兎に角良い映画です、
あの船を追いかけて来た、ワンちゃんクロ実話だったのか~👏
昔の日本人が、ロスケとチャンコロは情け知らずやと意味嫌っていたのが理解出来た気がする。

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辛口慢

4.5国民の生活や平和を自民党が破壊し始めた今

2022年12月14日
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素晴らしかったです。

安倍政権から武器見本市開催や
大量の戦闘機購入など
平和が確実に遠退き始めました。

本作では一部ですが
日本兵の蛮行も描かれており
被害者、加害者ではなく
戦争の愚かさを痛感しました。

全ては戦争さえなければ起きなかった悲劇。

アメリカに圧力をかけられているのか
閉口する5年で43兆円の防衛費。
実現すれば世界第3位の軍事大国に。
その為に増税するとかしないとか。

むしろ中国を挑発し
防衛から遠退いているのでは?

太平洋戦争での日本兵の死者の
6割は餓死者だと聞きます。
無謀で無能な上層部の犠牲になるのは
いつも国民です。

この事実に関しては塚本晋也監督の
傑作リメイク「野火」で衝撃を受けました。

今、日本国民の大半は選挙に行かず
結果自民党を支持し続ける結果に。

旧統一教会とのズブズブの関係にしても
今の自民党に困窮している国民の声は届きません。
最優先は保身と利権と大企業の顔色を伺うこと。

文春オンラインでは
日本人信者の献金が旧統一教会により
北朝鮮に送られてミサイル開発に
使われている可能性も示唆。

本作では希望という言葉が
キーワードになっていますか
今の与党が目指す未来には
残念ですが全く希望が持てません。

戦争は昔のこと?他国でのこと?
今の自分達には全く関係ない?

防衛省がAIを活用しSNSによる
誘導世論工作の研究に着手したり、
子供の6人に1人が貧困と言われる日本で
自衛隊に入れば365日3食食べられますと
PRしたり、映画とは全く違う暗雲に覆われた
悲劇的な未来しか見えません。

だからこそ、本作のような映画が作られることに
とても意味があると感じます。

追伸:
ニノ達と同じくらいクロの芝居も最高でした。
氷海に飛び込み、一緒に日本に帰ったエピソードが
実話と知り驚きました。

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トラヴィス

3.0この映画の欠点と存在価値

2022年12月14日
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鑑賞方法:映画館

私は泣けませんでした。多分、この時代のことを知りすぎているからだと思います。私、79歳。3歳の時に満州から引き揚げてきました。父は関東軍の軍人で、終戦後はシベリア抑留され、3年で帰国しました。

映画の話に戻れば、過酷な映像、見栄えがする映像を見せるためだけとしか感じられない場面が何か所かあって白けました。特に、ラーゲリに入ってからの戦闘はありえません。捕虜になった人達は完全武装解除されていますし、ソ連もラーゲリを攻撃する必要はありません。映画の中でもストリー性がありませんでしたし、この辺りから、私の気分は白け気味。

抑留者たちが先に帰国した人達と、11年も残された人達に別れましたよね。その理由が何も描かれていません。私は、あれは、赤思想教育に合格した人と、不合格になった人の選別だと思います。それが全く描かれていません。要するに、要領よく共産主義思想に転向したフリが出来た人と、それが出来なかった生真面目な人達との選別です。私の父はフリをしていたと言っていました。8割がフリをしていた、と言っていました。抑留させたソ連側の目的は、シベリア鉄道敷設の労働力と日本の共産主義化です。抑留者たちの共産主義化の苦悩が何も描かれていません。ロシア語ができた人は、共産主義化のフリができたとか、できなかったとかに関係なく、スパイ扱いされて過酷な扱いになったことは本当のようです。

犬の話はフィクションと感ずる方も多いようですが、犬の話は実話です。船を追いかけて氷海を渡ってきたのも事実です。ネットで「シベリア 抑留者 クロ」などで検索すると、今も、この話が出てきます。新聞社が写した「クロ救出」の写真も掲載されています。クロはみんなと一緒に舞鶴まできて、舞鶴で誰かに引き取られて平和に暮らしたようです。

私には「白け気味」の映画でしたが、「シベリア抑留」という言葉も、「満州引き揚げ」という言葉も知らない今の人達にも、シベリア抑留の理不尽さ、過酷さを気付かせたくれた意味で、この映画は存在価値があり、使命を果たしたと思います。

あと、満州引き揚げの身としては、シベリア抑留の前に満州の悲惨さがあります。色々な話がありますが、これも映画化されて、満州の悲惨さを今の人達に知ってもらいたいです。最近、読んだ本で「満州 奇跡の脱出」には感動しました。これは、2018年に内野聖陽主演で「どこにもない国」としてNHKでテレビ・ドラマとして放送されましたが、映画になってほしいと思います。

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夏子

2.0感情移入しきれなかった

2022年12月14日
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なんだろう。感情移入がしきれなかった。
日本の戦争映画はこうだよなとは思ってみていたのですが、上官の態度?人がよすぎ?犬が船まで追いかける?
泣かせようとしすぎなのかな?私には

映像の世紀が好きでマジもの見すぎなのかも知れない。
あと喉の癌で声帯失くした実体験も邪魔しちやったかな?

戦争美化をしてるわけではないけどこんな話その時代にはいっぱいあったでしょう。

わざわざ泣かせにいかなくてもとの思いです。

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れっどでび

3.0惜しい

2022年12月14日
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各俳優陣の熱演は、見処満載。
ただ、全体の流れは冗長かつ納得感無し。
詰め込み過ぎな感じでした。
ラストシーンの伏線が最初にあっても良かったのでは?
原作に沿いすぎた?
惜しい。

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まえあき

4.5もう一度観たというよりはみんなに観てもらいたいって思った作品

2022年12月13日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

幸せ

この作品はすごい。
自分が今年観た邦画では1番心が震えた。
最後の方はこれでもかってくらいに泣かせられた。
でも、泣いているのは自分だけではなかった。
劇場内、鼻をすする音がすごかった。
嗚咽に近い声もしていた。
これ観て泣かない人はいないだろうな。
来年の国内の映画の賞は独占したりするのだろうか。
週末はアバターを観るから
小遣いを節約したくてこれは観ないつもりだったけど
我慢出来ずに劇場に向かっていました。
でも、観て良かったなぁ。
大きな画面でもあるけど
あの、劇場全体が鼻をすする音が聞けるのは
滅多にない経験だった。
映画館ならではだったなぁ。

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あすパパ

3.0希望と記憶の物語

2022年12月13日
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鑑賞方法:映画館

原作小説を基に映画化した希望と記憶の物語。第2次世界大戦で捕虜になった日本人たちの苦闘と心境の変化を上手く描いている。シベリアの地獄のような収容所の中で希望を失わず絶望に立ち向かう姿に心を打たれた。再会を願い続けた夫婦の11年にも及んだ実話に感動しました。
2022-226

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隣組

3.5戦争は絶対してはいけない!

2022年12月13日
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泣ける

義父もシベリア抑留されていた事を
言っていた、
口では言えぬ辛さが伝わる映画でした
大脱走と南極物語が頭に浮かんだ

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勢至菩薩

5.0ずっと泣く

2022年12月13日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

始まってすぐに思わず泣いてしまいこれでもかって自然と涙が何度も何度も出ます。キャスティングも神がかってて、もう胸をめちゃくちゃ締め付けられます。これは1人で観ることをおすすめします。
マスクの替え必須でハンカチ必須です。
ただの悲しい物語ではなく【希望】を感じる映画でした。
良い時間を過ごせました。

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はいぼーる

3.5戦争が招いた悲劇の伝承

2022年12月13日
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私が泣いたポイントは、犬のクロ(大吉くん)が走るシーン。
名優だったわ。

原作は読んでいないのですが、私は昔に観たドラマ版や、シベリア抑留に関してちょっと読んだ資料で、たまたまモデルの方がどうなったか知ってたため、感動はやや薄くなってもったいなかったかも。

戦争が招いた悲劇を、折に触れ映画などにするのは良いことだと思います。
シベリア抑留はソビエトによる国際法違反、ポツダム宣言の無視、今も対ウクライナでロシアが見せるのと同じ詭弁の数々で、捕虜にした元日本兵を奴隷的強制労働へと追いやった非人道的な歴史です。
ドイツのアウシュビッツと同じく、語り継ぐべき戦争犯罪であり、このウクライナ侵略戦争が起きている時期に、旧ソ連・現ロシアの本質が見えてくる事件でもあります(と同時に日本のダメな体質も)。

ただ、現実にはもっと悲惨で、残酷だったようです。
帰国できずに亡くなった人数があまりに多かった。
ソ連政府は日本政府による安否確認や、抑留者たちの帰国意向の調査を妨害しました。
また日本も視察団を送り込みながらも、国交回復を優先してソ連側と揉めるのを回避し、無実で戦犯とされている窮状を訴える抑留者から託された手紙を握り潰し、「戦犯は快適な環境で厚遇されている」などと虚偽の報告を行ったりしました。
日ソ国交回復で生き延びた人々の多くは帰国できたものの、ソ連はもちろん日本政府もろくな補償もせず、抑留時の賃金未払い問題まで発展しました。
帰ってきても、肉体のダメージとPTSDでまともに動けず、社会復帰には相当な時間を要しました。
こういった事実には、映画で触れていませんでした。
だから、遺書の最初の一通が届いた1957年から、最後の一通が届く1987年まで30年かかったことなどは描かれていなかったわけで。

事実を基にした物語(フィクション)ではあるものの、「感動させます」「お涙頂戴」要素が大きすぎて、物事を矮小化してないかが気にかかってしまいました。
一方では、映画は映画と割り切り、これを機に実際は何があったかを知るきっかけになればいいなとも思いました。

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コージィ日本犬

4.0戦争…⭐︎

2022年12月13日
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ラーゲリ(収容所)。
他の作品でも、度々取り上げられているシベリアの収容所の物語。
ストーリーが矛盾なく淡々と続いていくことで、かえってラーゲリの悲惨な状況が
炙り出されていく。

とにかく、出演している役者達が素晴らしく、変に演出過多にもならずにそれぞれの
性格が滲み出る。
個人的には、安田顕が 「アカ」のレッテルを貼られながらも
真摯に状況に向き合って、他の者たちをまとめていく姿がすごく良かった。
二宮和也は、ラーゲリに於いても人としての尊厳を失わずに学ぶことや
優しさ思い遣りを兼ね備えた素晴らしい人物として描かれ、それによって
周りの人々も感情を取り戻してきく様は、とても感動する。

おそらく、現実のラーゲリはもっと悲惨であり、日本もこれ以上の酷いことを繰り返して
きた戦争であったに違いない。
世界がどんどん危うくなってきている今、この映画の訴えている意味は深いと思う。
戦争をしたいとなぜ思うのか…繰り返すのか…

二宮和也の映画、いっぱい鑑賞して来て 初めて彼が良いと思った。
…それと夫の帰還を信じる北川景子の溢れるような笑顔。
何度も救われる気がした。

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☆ムーミン

3.5ほど良い泣かせ具合

2022年12月13日
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泣ける

序盤の空襲によりモジミとその子供たちが逃げる場面ですでに東京大空襲で命を落とした私の祖母と叔母たちのことを思った。
逃げる間もなく眼前が火の海になり母を見失ったと聞いた。肉親の死を目の当たりにする恐怖はいかほどだろう。

山本の家族は無事に帰国し何よりだったが、当の山本は終戦してもなおラーゲリ(収容所)に囚われの身となる。

シベリア抑留の話も実際にその場に居た人に聞いたことがある。不衛生極まりない環境下でロクな食料もなく感染症が蔓延し次々と人が死んでゆく。シラミやノミが沸き、亡くなった人を埋めたところからはウジが沸き、それも大事なタンパク源と言ってシラミを食べてたというから俄には信じがたい話だ。

映画はまだラーゲリの様子を観るに耐えるレベルで美しく描いている。映画に登場する一等兵のようにその場に居た人は明日を信じることなくその日をただ生きるしかなかったのだろう。

しかし、山本は単なる一等兵ではなかった。博識で物事を俯瞰できる聡明さを持ち、言葉の力を信じていた。
だから彼の発する「ダモイ(帰郷)」には重みがある。必ず明るい未来がくることを信じ、いつも唇には歌を、辛い時にもユーモアを忘れなかった。

瀬々敬久監督、いいね。
「糸」「護られなかった者たちへ」のあたりから説教臭さが消えエンタメ要素が盛り込まれて誰にでも伝わる物語を描くようになった。

今回も山本の人となりと何故周囲の人々が彼を信頼するようになっていったのかが理解できる丁寧な描写で一気に観客をラストの感動まで牽引していく。
また、シンちゃん(中島健人)の屈託ない明るさや癒しのクロ(犬)の登場場面では笑いも出る。
こういうしんどい映画ではどこかで息抜きが必要なのだ。

ラストの遺書のくだりでは一気に観客を泣かせにかかるのだが、そこも多少のやり過ぎ感はあるものの、絶妙なさじ加減で良かったと思う。これも脇を固める名優たちの演技力によるところが大きい。

特に妻に宛てられた遺書「妻へ!」の冒頭文には泣かせられる。
「よくやった。実によくやった。君はよくこの10年辛抱してくれた。殊勲賞だ。」

この時代にこんなふうに奥さんを褒める人いたんだなー。
自分の奥さんを「愚妻」と呼び、女に教育は必要ない、自分と自分の親や子供たちの面倒を見るのは妻として当たり前の時代だ。
昭和20年代(終戦後)を描く日本映画には今見たら全女子が憤慨するような、そんな場面はたくさん出てくる。

山本がいかに聖人であったかがわかる。
息子たちに宛てられた遺書のなんと現代の我々に響くこと!
大切なのは道義と誠と真心。特に最後は道義が勝つ。
まだ日本人が日本人の誇りを持っていた時代。明日の日本は自分たちが担うという使命を持っていた時代ならではの言葉だ。

自らの余命3ヶ月を知り、絶望、、、しないわけないじゃないか!と慟哭する山本の悲しみはいかほどのものか。希望を持つ人間にこそ何倍にもなって襲いかかる絶望は想像を絶する辛さがある。

病床で想う日本の家族のこと、夢の中でも妻のモジミは「あなたの帰りを待っています」と美しく微笑んだに違いない。
ここは郷愁とダモイへの願いのイコンとして、あの北川景子の美しさは絵的に必要なのだ。現実は泥だらけで肌荒れ・手荒れしてるおばちゃんだったとしても山本の妄想の中ではあのぐらいのミューズでなければならない。

※内容が苦しいので何度も観たい映画とならないため星少なめの評価です。

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いも煮

5.0監督の手腕、演者の力の賜物

2022年12月13日
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泣ける

悲しい

幸せ

99%の人が泣いた!といった感動を全面に押し出した宣伝が嫌いで、今作も二の足を踏んでいた。ただ戦争、抑留といった、なかなか若い世代が足を運ばないであろう題材をあえて選び、若い人に人気の演者を当ててきたことに興味を持ち鑑賞した。

結果、瀬々敬久監督の力量を思い知る。オープニングこそ安っぽく感じたが、それ以降文句のない大作だ。劇伴もいい。ストーリーがシンプルな分、名もなき抑留者の方々をはじめ、演者の芝居が素晴らしい。安田顕の感情を殺した芝居、松坂桃李の引いた佇まい、桐谷健太のほとばしる生気。それを山本幡男氏の善性を体現した二宮和也が円く包み込む。

2時間強あるがまったくダレることなく、物語に引き込まれた。恥ずかしながら、肩を揺らすほど泣いてしまった。監督や演者、製作者の「伝えたい」の魂がこもっている。人に薦めたくなる秀作である。

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どんこ