ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価
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学校の先生お勧め映画
娘が学校の先生がお薦めしてたというので見に行った。
押し寄せる怒涛の感動…というわけではないのだがしんみりとストーリーを追っていけるし、戦争の悲惨さを今までとは違う角度で見せてくれる。学校の先生がお薦めするのも納得だ。
今もすぐそこで行われてる事
人を思いやる気持ちは人を支えて人を変える
戦争とは人間を捨てること
ならず者国家がウクライナに攻めてからもうすぐ1年が経とうとしている今、日本も台湾有事などが取り上げられるようになった今こそ、見るべき映画です。
いつ隣国から自衛隊基地を潰しに来るかわからないからのもありますが、1人の日本人として知っておく事実もたくさんありました。
この映画で私自身が受け取ったメッセージとしては
①戦争とは人間を捨てること
ニュースだけを見ていると、領土の奪い合いにしか見えない戦争だが、そこに関わっている一人一人は「人間」であることを忘れてはいけない。誰かの子どもであり、親であり、家族がいること。先人たちの「戦争は絶対に起こしてはいけない」という思いは人が死ぬことの残酷さだけではなく、人が「人間」らしさを捨てなければいけない苛虐的な残忍さこそが戦争をしてはいけない本当の意味ではないのか、考えさせられました。
②言葉とは思いを伝えるためにある
この作品とみるとなぜ言葉が存在するのか分かるような気がする。もちろんコミュニケーションだと謳う人も多い。それでも人に思いを伝えること、生きていた証を残すことも言葉の役割ではないか実感する。生きるとはどういうことなのかそれぞれ映画を見て考えて欲しい。
③「当たり前」は当たり前ではない
私たちは毎日「家」という帰る場所があり、美味しいご飯、兵器が飛び交うことのない綺麗な空があるのは本当に幸せなことなんだと再確認できた。いつ「日常」が壊れるか分からない。だからこそ周りの人たち、家族、そして環境に感謝しようと思える素晴らしい作品だった。人間生きているだけで偉いという言葉はわりかし間違ってはいないと思う。生きているだけで家族に安堵を与えることは常に誰かのために生きているに等しいのはないか。だからこそ1人1人の命の尊さを忘れてはいけない。
クリスマスイブの報道特集にウクライナの子どもたちがサンタさんにお願いするドキュメンタリーがあったが、日本の子どもたちのようにゲームや本ではなく、「世界平和」と書いている子どもがほとんどでした。戦争という人間の汚い部分を純粋な時期に見てはいけないはずなのに苦しんでいる子どもがたくさんいました。日本もいつ戦争に巻き込まれるか分かりません。だからこそ多くの人たちに見て欲しい、そんな作品でした。
どこにぶつけたら
事実に遥かに届かぬ凡作
映画鑑賞後に原作を読んで、評価が変わりました。
最初星1個だったけど。
山本幡男という人の存在、その人格と精神と行動の一端を、この映画を見たことで知ることができるということが何より重要かもと思ったからです。
実際、あの手紙の場面、演じている俳優の皆さんは真剣そのものだったし、当然作り手も、それを少しでも良い形で届けようと全力を傾けていたはず。
そして、それには確かに胸を打たれたので。
それは手紙の文章そのものの力だって最初のレビューには書いて、それはそうかもしれないけど、この映画のその場面を見て感じるものがあったからこそ、原作を手に取ったわけなので。
以下がそのレビューで、まあめちゃくちゃけなしてて、確かに今でもそんなにいい映画とは思えないんだけど、、山本幡男という人をここまでメジャーな作品にして世に出してくれた作り手の人たちを、尊敬を持って讃えざるを得ないと、原作を読み終えた今は感じています。
しかしそれにしても、アムール句会の話は、ちゃんと入れて欲しかったなあ!!
+++++
現代の普通のドラマを撮ることを生業にした人が、シベリア抑留の収容所についていろいろ調べた上で、極めて表面的に再現し、物語は想像力で補って、形にしたという感じ。
しかしその想像力が、全く足りてないという印象で・・・。
作り手の教養が、主人公であるその人に遠く及ばないのだと思う。
たがらそもそもこのスタッフで、ちゃんとリアリティのある映画にするのは無理だっだんだろう。
実物を引用していると思われる手紙の文章だけが、突出して素晴らしくて、その場面だけ突然に胸に迫ってくる。
その場面というか、文章が、かな。
それ以外はなんというか、、下手な学生劇団の芝居を見てる気がした。
思いつきで作ったような薄っぺらい場面で満たされたシナリオと、全くリアルさを感じない、安っぽくて軽いセリフを並べた脚本。
こんなので感動しちゃうってのは、ちょっとどうなんだろう?
客席でもところどころですすり泣きが聞こえて、マジかよ!って思った。
あまり映画見てない人たちなのかな。
もっとちゃんとした映画見た方がいいんじゃないだろうか。
まあ感動するのは勝手だけど。
なんかこの題材が、こんな映画にしかならないのが残念だ。
二宮和也や北川景子は魅力ある演者だと思うし、その他のちょい役の脇役にも何人か素晴らしい人がいて、、しかしこの映画は彼らのしっかりした存在感に見合う作品では全くなかったと思う。
低評価民の言いたいことも分かるが…
確かに収容所のセットは納得いく物ではないかもしれないし、水浴びを許可された時に魚を獲る中島健人の裸体はパン1枚で生きてる人間には程遠くて、そこら辺のリアリティは詰めきれてないかもしれん。
だけれども、それを大いに覆せる「内容」が確かにあった。
低評価民は、ほぼ皆セットの事ばかりを気にしているが、俺個人としてはそんなことどうでも良くなるくらい内容良くて泣いたよ。
俺ここ5年くらい創作物で泣いてないのに…やられたわ…
こんなに映画で泣いたのは初めてです
こんなに映画で泣いたの初めてでした。
本当に苦しくて悲しくてでも希望を信じて、家族に会いたくて頑張る山本さんや周りの仲間たち。本当に感動でしかないです。
山本さんがいたから周りの仲間たちの考えも沢山変わっていったんだと思います。
松田さんが山本さんを大きな病院で見てもらいたいのでストライキするというシーンみんなが団結していて山本さんへの愛を感じましたし、感動できました。
終盤の山本さんがガンとわかった時から涙が止まらなかったです。がんを打ち明けるシーンで相澤さんは初めは怖いし嫌な人だと思っていたけど、本当は優しい人だったのかなとも思えるシーンでした。あの時のセリフが頭から離れません。
家族に会えずに死ぬ事がどれだけ辛いか、想像しただけで胸が痛くなり号泣しました。
終盤の山本さんの死を知ったモジミさんが号泣するシーンが1番泣けました。
奥智哉くん目当てで見に行きましたが、本当に見てよかったし、みんなに見てほしいと思える映画でした。
2回見ました本当に2回目だと視点が変わってきたり、最初の山本さんと家族が別れて『またすぐ会える』と言ったのが、ああこれが最後だったんだなと思うと悲しかったです。
また、セリフの意味を考えたりして勉強になったし、1番最後の山本さんが『家族みんなでこうして集まれる日』と言っていたシーンあたりで今ある生活の幸せを知りました。
あまり良いレビューをしていない人もいますが、私はとっっても良かったと思います!純粋に感動できました。チープだったとかキャストミスとか言ってる人もいますが私は全然気になりませんでした、、、まあ気になる人もいるのかもしれませんが。文句を言ってる人達はかなり厳しい人達なんですね、別に演技は下手では無いし良かったと思います、、、というか二宮和也さんは本当に演技が上手くてハズレがないなと思いましたし、北川景子さん、桐谷健太さん、松坂桃李さん、安田顕さん、中島健人さんの演技が本当に良かったです、映画に入り込めました。
素敵な作品をありがとうございます!人生で1番見てよかった映画だと私は感じました。
そして主題歌のsoranjiにも泣きました泣
毎日聴いてます、、、歌詞を聞くと映画を思い出して泣きそうになります。
タイトルなし(ネタバレ)
太平洋戦争の最末期、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄し、満州に攻め込んできた。
終結後、現地にいた日本軍人たちは、シベリアの強制収容所において強制労働をさせられることになった。
ロシア文学を専攻し、ロシア語が堪能な山本幡男一等兵(二宮和也)もその一人であった。
戦争終結後、捕虜を抑留することは国際法違反のなか、山本らはわずかな食糧を頼りに、極寒での強制労働を強いられていたが、そんな日々にあっても山本は希望を捨てなかった・・・
といった物語。
シベリア抑留についての映画はかなり珍しく、わたしの記憶の中でも観た覚えがありません。
なので、若い人の多くはそのような事実をあまり知らないかもしれません。
映画は、強制労働の中での日々を丹念に描き、日本人捕虜たちの間に残る旧軍時代の階級制問題なども丹念に描いていきます。
国内で撮ったであろうけれど、雪中の映像も多く、過酷な撮影だったかもしれません。
山本以外にも魅力的な人物は登場します。
自分を卑怯者といって憚らない松田(松坂桃李)―彼が狂言回し的役割を担っています。
軍人気質が抜けない相沢(桐谷健太)。
軍人ではなく一介の漁師の倅でありながら漁中に拿捕されスパイ容疑を掛けられて抑留されている青年・青年(中島健人)。
元慶応野球部の4番、山本の先輩であり、山本をロシア文学の道へ誘った原(安田顕)。
それぞれに印象深いエピソードが描かれます。
そしてクライマックスは、故郷日本への帰還となるわけですが、山本は重篤な病に斃れてしまいます。
この展開がこの映画の良いところで、タイトルにあるとおり、山本はひと足早く先に日本に帰郷した家族へ向けて「愛」を残します。
斃れた山本の言葉を帰還した4人が家族に伝える・・・
派手な戦闘シーンはほとんどない映画ですが、普遍的で普通の美しい心・思いを儚くしてしまう、それが戦争だと改めて感じました。
<追記>
戦死した戦友の声を届ける映画には、今井正監督、渥美清主演『あゝ声なき友』があります。
未見なので、観てみたいですね。
昭和47年公開作品なので、まだまだ生々しい戦争の傷跡が記憶にも、実際の風景にも残っていたものと思われます。
全てが安っぽい映画でした…
シベリア抑留が背景の作品でしたので、知識としても良い映画かと期待して観に行ったのですが、そういった時代背景に関してはあまり掘り下げられず、安っぽい「希望」という言葉を叫んでいるだけの映画でした…。
いかんせん、主人公がなぜそこまで慕われているのかの描写がイマイチなのと、絶望した仲間達が「え…?たったそれだけで立ち直るんすか…?」という都合の良い脚本に必要ない描写。中学生が考えたようなセリフ回し。セットだとバレバレな演出。とりあえず泣いて叫んでる演技…。
売れそうな話題だから、映画にしましょ!って感じの映画で、シベリア抑留での出来事を真剣に掘り下げた作品とはとても思えませんでした。
魂のダモイ
極寒のシベリア。戦後、捕虜として抑留された兵士は重労働を強いられるラーゲリ(収容所)に送られた。戦いの爪痕まで背負わされ尊厳などない狂った世界に漂よう空気、遠ざかる帰国の現実を肌で感じ誰がまともな精神で過ごすことができただろうか。
それを想像するだけで、戦争という不条理な残酷性に怒りと一体化した哀しみが湧き、今もなおある悪夢のような現実への嘆きが溢れてくる。
そんなラーゲリで生き、病に倒れた実在の人物、山本幡男さん。
彼はどんな窮地も前向きに、仲間たちに希望を持つことをすすめ、生きて下さいと鼓舞し続けた。
移送の車内、暗雲を割る陽だまりの光に似た温かい声で山本さんが歌い出すシーンがある。
その場にそぐわない明るい響きに、誰かがヤジる。
その楽曲の出所、アメリカを名指して。
しかし、山本さんは毅然と、そしてさらりと
〝いい歌にアメリカもロシア(ソ連と言ったかもしれません)もない〟と言う。
冒頭まもなくの場面だが、ここに集約されているメッセージ。
それは、混沌として殺伐した世や状況や不運を導く根源になりうる差別や偏見への警告。
つくりあげているのはいつも我々人間だということ。
そこに、本作は山本さんの体験と行動と言葉を通して知るべきことが今こそあるのだと、使命感を添えた決意でよこしてくるのだ。
病がすすむ山本さんが、ベッドの上で力衰えながらも命を振り絞り生きようとしている場面では、常に俯瞰でものをみて冷静に判断していたことがわかる。
そして、変わらないラーゲリの様子、死期忍び寄る今の自分について問われ「絶望」しないわけはないと胸の内を漏らす。胸をえぐられるような気持ちになるカットだ。
ここには、死を近くに感じながらも家族への渾身の愛を詰めこむ山本さんの、信じて待ち侘びている妻や子に向ける〝それでも諦めない究極の希望を原動力にした愛〟がみえる。
絶望しないわけはないが、私はそれでも絶望しない。
と、言葉なき言葉、こころと目が語るのだ。
脳裏から離れない魂レベルの叫びだった。
しかし、山本さんの生身は残念ながらラーゲリから戻ることは無かった。
だが、彼の魂は家族の元にダモイ=帰還を果たす。
困難にあっても決して希望を捨てなかった山本さんの人格と意志が強く結んだ仲間たちによって受け継がれ、伝達されたのだ。
山本さんが全身全霊でおこした奇跡。
いや、山本さんの精神から学べば、それは奇跡ではなく必然なのかも知れない。
彼は、単なる絶望は終焉へ向かう片道切符だが、希望を捨てなければそれが未来へのかけ橋になることを証明した。
昔話だから、対岸の火事だから…は、もはや通用しない。
…私たちはなにができるか。
「ただ生きているだけではいけない。」
「希望を捨てずに道義をつくすことだ。」
魂のダモイは涙だけを求めるわけではなく、人としての平和への追求を世界中に静かに熱く訴えかけている。
追記
soranji 込められた歌詞と揺さぶるメロディーをかみしめました。
今も戦後だということ
泣きました。特にダモイからのシーンは号泣でした。
どの役者さんも素晴らしい演技で、それぞれの役の感情がなだれ込んできてずっと心が痛かった。
安田さんがある番組でおっしゃっていた「今も戦後なんだ」という言葉。はじめそれを聞いたときはなるほどなぁという思いしか抱かなかったけど、この映画を観た後、その言葉が強烈に蘇ってきて、深く胸に突き刺さりました。終戦してから現在、戦争を経験している人は少なくなってきていて、実際の戦争の話を直接聞くことは難しくなってきています。小学生の時に戦争の悲惨さは学習するけど大人になってからはこういった戦争をテーマにしたものを自分から選択してみていかないとどんどん記憶から薄れていってしまう。今から10年後、数十年後、実際に戦争を経験した人たちがいなくなってしまった時、誰が戦争の悲惨さを伝えるのか。それは残された私たちです。私は実際に戦争を経験してるわけではないから、こうした映画やドラマ、小説などの媒体からしか戦争とはどういったものなのかということを想像でしか知り得ません。でも、絶対に戦争を起こしてはいけないことを知っています。その思いを、願いをずっと持ち続け、薄れさせてはいけないとこの映画をみて強く考えさせられました。
泣いたけど
設定とか演出の詰めの甘さが気になった。家族と離れるシーンは置いて行かなくてもなんとかなりそうな気がしたし、演技もイマイチで入り込めなかった。ニノのカツラの不自然さとか星空のシーンの変なCGとか虫?の演出とか詳しく書かないけど冷める場面があった。ニノ以外の演技はとてもよかった。
多くの人に見てほしい
涙腺崩壊
終始、泣いていました。
始まりの結婚式後の空爆の所の子供が多くても1人たりとも見捨てない親としての姿勢、責任に感動しました。山本さんが長男を助けた後に、負傷しても家族を最優先に避難させるところから人の良さを感じました。
これまで、戦争の作品を見てきましたが、1人の人物が未来、希望を真っ直ぐしか見ていない心の良さに1番と言って良いくらい良い作品でした。何度見ても涙腺崩壊してしまうので、映画ではまぶた腫れたのを見られるのが恥ずかしいので、一度きりにしますが、DVD、Blu-ray、ネット配信ができたら、何度も見てまぶた腫れまくりますwww。
たくさんの人にみてもらいたい
映画をみて、ウクライナ進攻のことが遠いことではないように感じた。三回みたが不思議と感情移入する人が毎回違っているのは、一人一人丁寧に描かれてるからと思う。最後の犬の場面が実話とは驚いた。役者さんはみんなスゴい演技です。考えさせられる映画でした。
プーチンは嫌いになってもロシアは嫌いにならないでください
2023年映画館鑑賞4作品目
1月10日(火)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円
原作未読
原作は『男たちの大和』の辺見じゅん
監督は『64』前編後編『最低。』『菊とギロチン』『楽園』『糸』『悪党』『明日の食卓』『護られなかった者たちへ』『とんび』の瀬々敬之
脚本は『奈緒子』『ゴールデンスランバー』『藁の楯』『永遠の0』『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』『空飛ぶタイヤ』『太陽は動かない』の林民夫
シベリア抑留された男たちの話
主人公は病死で帰国できなかった
一度は帰れそうだったが主人公含む一部は戦犯扱いにされ別の強制収容所で日ソ国交回復まで11年も帰国ができなかった
ラーゲ?下痢?ラーゲリ?
ロシア語で強制収容所のことらしいが元々はキャンプを意味するそうだ
収容所とかシベリアの方がピンとくるのだがラーゲリだけではなんのことだかさっぱりわからない
ソ連の地名かと勘違いした
役者さんたちの熱演が光った
北川景子がこんなに上手だとは知らなかった
夫の死を知らされ子供たちの前では気丈に振る舞うも縁側を飛び出し地面に怒りと悲しみを叩きつけるシーン好き
主人公の遺書を四人で分けてそれを丸暗記して代筆した遺書を主人公の妻に渡す一連のシーンが好き
特に松坂桃李が凄い
「誘い笑い」というものがお笑いのなかではあるのだが「誘い泣き」ってものが芝居の世界ではあるのだろうか
松坂桃李は誘い泣きの天才だ
演技が上手いというよりそれを生み出す端正な顔立ちにちょっと陰鬱な表情や声質や喋り方など天性のものが恵まれている
国内や海外の演技力が高いとされる役者でも松坂桃李の真似はできまい
舞鶴のシーンで『岩壁の母』の歌詞を思い出し目が潤んだが松坂桃李のあのシーンで自分でも驚くほど涙出る出る
それなのに生理的に顔が嫌いな歯茎の夫かと思うと腹が立つ
「クロ!一緒に日本に帰ろう」というあのシーンで『ビルマの竪琴』を思い出した
オマージュだろうか
動物に虐待してないとエンドロールで言い張るが香ばしい動物愛護団体はあれを観て受け入れるかどうか疑問だ
感動した人には悪いが2022年のシーンは蛇足だと感じた
ロシア語が堪能な文系のインテリ・旧日本兵の山本幡男に二宮和也
夫の帰国を待つ幡男の妻で学校教師の山本モジミに北川景子
幡男を大きな病院に転院させるためハンストを始める元日本兵・松田研三に松坂桃李
足が不自由で字が書けず漁師なのに連行されなぜか旧日本兵と行動を共にする新谷健雄に中島健人
山本幡男の息子・山本顕一の壮年期に寺尾聰
山本幡男の息子・山本顕一と青年期に奥智哉
終戦後も軍曹という自分の階級に拘り続ける相沢光男に桐谷健太
幡男の同郷の先輩で幡男にロシア文学を教えた慶応の元四番・原幸彦に安田顕
シベリア抑留された旧日本軍兵士・鈴木信二に奥野瑛太
シベリア抑留された旧日本軍兵士・高橋良太に金井勇太
シベリア抑留された旧日本軍兵士に水澤紳吾
赤化した旧日本兵・竹下勝に中島歩
山本顕一の孫娘で2022年に結婚する由美に田辺桃子
シベリア抑留された元日本兵・西野浩に佐久本宝
シベリア抑留された元日本兵・後藤実に山時聡真
モミジの友人・坂口に渡辺真起子
シベリア抑留された旧日本兵の幹部クラス・佐々木に三浦誠己
ハルピンでビジネスをしている幡男の知人で民間人の片山に山中崇
研三の母・松田静子に朝加真由美
シベリア抑留された元日本兵たちを迎えにきた玉田船長に酒向芳
幡男の母・山本マサトに市毛良枝
悲惨な中にも希望、号泣
ともかく泣けました。これが実話を基にしてるというのがまた切ない。
ストーリーの良さは抜群。役者に少しリアリティないところで減点…。
■良かった点
どんな境遇でも人間らしさを忘れない。希望を持ち続けて周りを励ます。それを身をもって実践した山本さんには敬意しかない。
戦後11年も捕虜として劣悪な環境で過酷な労働を強いられた抑留兵も気の毒でならないし、何とも言えない気持ちに…。
山本の家族をはじめ、松田の母も、様々な遺族の涙も胸が張り裂けそう。
やはり戦争は嫌だ!とつくづく思った。
遺書を4人が暗記して届けるという展開が胸熱すぎて…。
悲惨で悲しい中にも希望を…というお話は素晴らしい!のだけど、、、
ちと一部の役者のリアリティのなさが気になり。
■気になった点
戦争捕虜で悲惨な生活の割にやっぱりまだ余裕で健康そう…。悲惨メイクはともかく、真っ白な歯がキラキラしてるのが目について違和感。水浴びも滅多にできない生活で顔は泥で汚れてるのに、何で歯はそんな真っ白なのさ?撮影の時だけでも歯も汚く着色できないものか…。
そして、まあ野暮かもですが、1日に黒パン一切れで労働だったらもっと肋骨だらけのはず…。水浴びのシーンではお肉タプタプでしたよ…。脱ぐシーンない方がまだよかったのでは。
希望の伝染
60万人もの日本兵がシベリアに10年以上もの囚われていたシベリア抑留をテーマに決して無くならない希望と愛を真っ直ぐに描いた本作。
日本史の教科書でただの1フレーズとして頭に残っていたシベリア抑留がここまで過酷でここまで人を壊していたとは思わなかった。
そんな中でもただ1人家族と自分を見失わず希望を信じ続けた山本は同期だけでなく、現在を生きる自分たちも救った。
山本の希望が徐々に確かに広まっていく様子に心が温かくなり、皆が前を向く姿は純粋に嬉しかった。
希望の伝染とは裏に山本が病魔に侵され、弱っていくのは目を背けたくなるほど酷い現実で涙が止まらなくなった。
本作を鑑賞後に抱いたのは絶望感ではなく、不思議と爽やかな気持ちだった。
山本が亡くなってしまったが、仲間が家族に山本の遺書を命懸けで伝え切り、山本がしっかりと確かに生き抜いた事実が知れたからだと思う。
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