「極寒の収容所の辛さが段々薄れてくる。」ラーゲリより愛を込めて 孔明さんの映画レビュー(感想・評価)
極寒の収容所の辛さが段々薄れてくる。
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「シベリア抑留」を題材とした映画。
太平洋戦争当時は日本は中国に満州国を建国して属国としていた。
当然に多くの日本兵とその家族が現地で生活を送っていた。
しかし、敗色が濃厚となると不可侵条約を結んでいたソ連が北から攻め込んできた。
主人公は家族だけは日本へ脱出させたものの、自身はソ連軍にスパイ容疑で逮捕され強制収容所送りに。
そこは零下40度にもなる極寒地獄下で過酷な土木作業に従事せねばならず、多くの兵士たちが栄養失調と寒さ、飢えに倒れていった。
それでも主人公はいつか帰国して家族と再会できることを夢見ていたのだが・・・・・。
極寒の状況下での死者多数は最初だけ。中盤からは「待遇がさして良くなったとも思えない」のに死者が出なくなり、主人公周辺の人間関係だけに視点がクローズアップされて、過酷な環境の説得力が薄れてしまう。ソ連軍将校たちと友情を結んだわけでもないだろう。「ソ連の戦争犯罪を糾弾する」には主張が弱い。家族愛に主軸が置かれてしまうなら別にこのテーマでなくとも良かっただろう。
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