「ラブレター・フロム・シベリア」ラーゲリより愛を込めて ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
ラブレター・フロム・シベリア
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おざわゆきの「凍りの掌」という、父親のシベリア抑留を描いた漫画を読んだが、本当に過酷だった。飢えと寒さで死ぬのも悲しいが、生きて帰れた人たちのトラウマも、大変なものではないかと思う。
そんな極限状態で、人間の尊厳を維持できるのか。できるんです。二宮演じる山本幡男だけは。自分のことだけで精一杯の状況で、人の心配をし、ソ連兵に意見する。殴られても、独房に入れられても、不死鳥のように蘇る。最初は呆れたり、関わらないよう避けたりしていた周囲の人たちだが、彼に一目置くようになる。彼が言う「ダモイ=帰国」を希望に、生き延びようとする。
病気になり、シベリアで死んでしまった山本の、家族に宛てた遺書。なんとしても、彼の家族に伝えたい。紙に書いたものは、ソ連兵にスパイと疑われ、検閲で没収されてしまう。では、どうすればよいのか。記憶だ。頭の中は検閲されようがない。四人の男が、分担して遺書の文章を暗記することとなった。帰国後、山本家に順不同で現れる男たち。山本の言葉を、生き様を、精一杯伝わる。これは涙なくして観られない。
俳優はみな力演だったが、すべて持っていったのは、犬のクロだろう。なんて賢いんだ。かわいい〜。
TBSの放送を視聴。
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Don-chanさんのコメント
2025年9月22日
ぷにゃぷにゃさん、レビューのタイトルに触れていただきまして、どうもありがとうございます。
ダモイの三文字が思い出せなくなりそうだったので、捻り出しました。嫌ダーモーイー、もう忘れません。
追いかけたクロがロシア生まれだとしたら、Выезд (ヴィエズド)...こちらは発音も難しくて覚えていられる自信はありません💦