劇場公開日 2022年12月9日

「プーチンは嫌いになってもロシアは嫌いにならないでください」ラーゲリより愛を込めて 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5プーチンは嫌いになってもロシアは嫌いにならないでください

2023年1月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

2023年映画館鑑賞4作品目
1月10日(火)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円

原作未読
原作は『男たちの大和』の辺見じゅん
監督は『64』前編後編『最低。』『菊とギロチン』『楽園』『糸』『悪党』『明日の食卓』『護られなかった者たちへ』『とんび』の瀬々敬之
脚本は『奈緒子』『ゴールデンスランバー』『藁の楯』『永遠の0』『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』『空飛ぶタイヤ』『太陽は動かない』の林民夫

シベリア抑留された男たちの話
主人公は病死で帰国できなかった
一度は帰れそうだったが主人公含む一部は戦犯扱いにされ別の強制収容所で日ソ国交回復まで11年も帰国ができなかった

ラーゲ?下痢?ラーゲリ?
ロシア語で強制収容所のことらしいが元々はキャンプを意味するそうだ
収容所とかシベリアの方がピンとくるのだがラーゲリだけではなんのことだかさっぱりわからない
ソ連の地名かと勘違いした

役者さんたちの熱演が光った
北川景子がこんなに上手だとは知らなかった
夫の死を知らされ子供たちの前では気丈に振る舞うも縁側を飛び出し地面に怒りと悲しみを叩きつけるシーン好き
主人公の遺書を四人で分けてそれを丸暗記して代筆した遺書を主人公の妻に渡す一連のシーンが好き
特に松坂桃李が凄い
「誘い笑い」というものがお笑いのなかではあるのだが「誘い泣き」ってものが芝居の世界ではあるのだろうか
松坂桃李は誘い泣きの天才だ
演技が上手いというよりそれを生み出す端正な顔立ちにちょっと陰鬱な表情や声質や喋り方など天性のものが恵まれている
国内や海外の演技力が高いとされる役者でも松坂桃李の真似はできまい
舞鶴のシーンで『岩壁の母』の歌詞を思い出し目が潤んだが松坂桃李のあのシーンで自分でも驚くほど涙出る出る
それなのに生理的に顔が嫌いな歯茎の夫かと思うと腹が立つ

「クロ!一緒に日本に帰ろう」というあのシーンで『ビルマの竪琴』を思い出した
オマージュだろうか
動物に虐待してないとエンドロールで言い張るが香ばしい動物愛護団体はあれを観て受け入れるかどうか疑問だ

感動した人には悪いが2022年のシーンは蛇足だと感じた

ロシア語が堪能な文系のインテリ・旧日本兵の山本幡男に二宮和也
夫の帰国を待つ幡男の妻で学校教師の山本モジミに北川景子
幡男を大きな病院に転院させるためハンストを始める元日本兵・松田研三に松坂桃李
足が不自由で字が書けず漁師なのに連行されなぜか旧日本兵と行動を共にする新谷健雄に中島健人
山本幡男の息子・山本顕一の壮年期に寺尾聰
山本幡男の息子・山本顕一と青年期に奥智哉
終戦後も軍曹という自分の階級に拘り続ける相沢光男に桐谷健太
幡男の同郷の先輩で幡男にロシア文学を教えた慶応の元四番・原幸彦に安田顕
シベリア抑留された旧日本軍兵士・鈴木信二に奥野瑛太
シベリア抑留された旧日本軍兵士・高橋良太に金井勇太
シベリア抑留された旧日本軍兵士に水澤紳吾
赤化した旧日本兵・竹下勝に中島歩
山本顕一の孫娘で2022年に結婚する由美に田辺桃子
シベリア抑留された元日本兵・西野浩に佐久本宝
シベリア抑留された元日本兵・後藤実に山時聡真
モミジの友人・坂口に渡辺真起子
シベリア抑留された旧日本兵の幹部クラス・佐々木に三浦誠己
ハルピンでビジネスをしている幡男の知人で民間人の片山に山中崇
研三の母・松田静子に朝加真由美
シベリア抑留された元日本兵たちを迎えにきた玉田船長に酒向芳
幡男の母・山本マサトに市毛良枝

野川新栄
野球十兵衛、さんのコメント
2024年2月29日

ごめんなさい。
ロシアが大キライになってしまいました(笑)

野球十兵衛、
cocoloさんのコメント
2023年1月12日

追記のコメントです。
変なコメントしたかも?
松阪さんにBLでいらっしゃるのね~✴️
私は、ホントに好きな人なら、好きな人の愛するものは私も好きですね。
違和感をかんじたら、私が好きだと思っていた人に対して思い違いをしていたかな?勝手な幻を見てたかな?と、さっと離れます。
悪しからず。

cocolo
cocoloさんのコメント
2023年1月12日

私、米原 万里さん(ロシア語同時通訳で活躍した方)のファンで、彼女の著作は片っ端から読んでいたので、ラーゲリのことは存じておりました。ラーゲリで地獄を見たのは勿論日本人だけではないのですか、ラーゲリ帰りは強い❗と言われたみたいですよ。

それにしても、素直というか、書きたいことお書きになっているのに嫌味のないレビューに感服いたしました(⌒‐⌒)。

例えば…………某日本一カッコいい男の名欲しいままにしていた某アイドルはワンランクもツーランクも上のエンターテイナーとして期待されていたし支持もされていたし、中高生のものだったジャニタレのファン層をぐっと押し上げもした。が、○▽の夫か、結局………………と、失望したファンは大勢いました(苦笑)。
でも、そういうこと言うのはクールじゃないって人が多かったから、抑圧された顔で黙認って感じ(^o^;)
そういうのを、さらっとお書きになってて、尚且つ嫌な感じがしない文面が凄いなあと思いました。(変なところで感心してます?!)

cocolo