劇場公開日 2022年12月9日

「愛の物語でした」ラーゲリより愛を込めて すいすいさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0愛の物語でした

2023年1月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖かったらどうしようと不安でしたがテレビで「愛の物語です」と言っていたので観に行ってみました。

暴力的なシーンは多少ありましたし、出演者の歯はピカピカ、北川景子さんも綺麗でしたが、多くの人に観てもらうためにはそのくらいの演出が限度かと思います。あんまり現実味がありすぎると私のような怖がりは観ようと思えません。
とことん映像にリアリティーを求める目の肥えた人からは低評価かもしれませんね。

私はそういった見た目の話しよりも、あの時代にそういう生き方をした人たちがいたという事実を映画化して後世に伝えようとしたことが素晴らしい試みだと思います。
私は子供の頃、日本の戦争に関する授業が大嫌いでした。グロい資料ばかりでトラウマレベルでした。自分の子供が学ぶ時代にはもっと違うアプローチで戦争はいけないことだと学べるようになってほしいと願っていたので、人の愛の物語で教育できるようになったことをうれしく思います。

俳優さんたちは、さすがワールドクラスの演技で圧巻でした。
特に中島健人さんのみずみずしい演技は素晴らしかったです。
もっと暗い演じ方もあったであろうに、あえて彼の明るさを強調したところがよかったです。新ちゃんの存在はこの物語の悲しみを中和する大切な要素だと思いましたし、どんなに辛い状況にあっても学びからでる知恵の大切さを考えさせられました。

「泣ける」という言葉が先行してお涙頂戴の映画だという印象も持ってほしくないです。泣かせるのが目的じゃない史実だからです。
そして、戦争の映画だと敬遠せずに多くの人に観てほしいと思いました。

すいすい