「間違いなく名画ではある」ラーゲリより愛を込めて ぱんださんの映画レビュー(感想・評価)
間違いなく名画ではある
の、だが、私的にはあまり……。
俳優陣の演技は素晴らしいです。
ただあくまで個人的な意見ですが、演技がいいというのは当たり前のことであると思うんですよね。
ご飯屋さんで美味しい料理が出てくるのと同じことというか、そこは最低ラインで、そこをクリアして初めて評価の土俵上がれると思っていて、なので今回の星の付け方に俳優の演技力は関係していません。
星5ではないのは、あまりにストーリーがストレート過ぎて、面白味に欠けたように感じたからです。
たしかに感動的な物語ですし、上映中もあちこちから泣いている人の音が聞こえてきました。
ただ私はどうしてもストーリーに面白みを求めてしまう。
映画という映像作品にあまり物語性を求めること自体がナンセンスなのかもしれませんが……。
気を衒ってほしいわけではないのですが、ひねりが欲しいのです。
例えば、松田が山本の遺言ノートをソ連兵に奪われてしまうシーンがありますが、その前に、山本が俳句を没収されたしんちゃんに『頭の中で考えたことは誰にも奪えない』と声をかけるシーンがあるので、ノートを没収されても覚えとけばいいんじゃないの?と思ってしまうんですよね。
そして、実際に映画はその通りに進んでいくので、そうするとどこか冷めてしまう自分がいるんです。
これが例えば、俳句のシーンで、山本がしんちゃんに何か声はかけたようだが、なにを言ったのかはわからないままそこは終わってくれれば、遺言ノートを取られたシーンで存分にハラハラすることができる。
そしてその後日本に戻った4人が実は遺言を記憶していたことがわかり、そこで初めて山本がしんちゃんにかけた言葉の内容がわかる、という作りの方がより感動できた、とあくまで個人的見解ですが、そう思ってしまうのです。
映画としては、ということを偉そうにとやかく言いましたが、今の世界情勢に刺さる名作です。
多くの人に見てもらいたいと思います。
コメント失礼します。
そのセリフを言わせた上で伏線だと感じさせない作り方をするべきだ、というのであれば頷けます。
ただ囁いてユーザーに聴こえないようにするのは「捻り」とは違うと個人的には思うのですよね。
なんだか気になってしまったのですみません。