「どれだけ多くの方々の悲しみがあったのだろうか」ラーゲリより愛を込めて Uchiさんの映画レビュー(感想・評価)
どれだけ多くの方々の悲しみがあったのだろうか
東京国際映画祭のオープニング作品です。
戦争の悲惨さ、残酷さ、平和の尊さをリアルに描いてます。戦争が終わっても尚、理不尽な仕打ちに耐えなければならず、見知らぬ国での極寒と飢えにも耐えて生きる。帰国できた人、その地で命を落とした人。そして、家族の帰りを日本で待つ人。
どれだけ多くの人たちの悲しさと無念があったのでしょうか。でも悲しい、辛いだけではない。希望があり、どんな時でも笑顔の日があった。幸せな時間があって、生き抜いたのだと信じさせてくれる稀有な作品でした。
私の両祖父もシベリアで数年間の抑留を終えて、引き揚げてきました。一人はソ連兵から撃たれた銃弾を身体に残したまま帰国。もう一人も深い傷痕を残したまま日本の地に帰ってきました。
極限を生き抜いた両祖父は短命で、長生きはできませんでした。家族に対して戦地でのことや抑留のことを語ることは一切なかったと言います。
戦争の時代を生きた人たちの筆舌に尽くしがたい辛さ、それを抱えながら生きてきた強さを思うと、この方々がありて今の私たちがあることを忘れてはいけないと改めて思わせていただきました。
今日はたくさんの高校生や大学生の方々が観にきていて、泣いてました。希望ですね。今年の映画納めとして、本当に素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
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