「最後に勝つものは道義」ラーゲリより愛を込めて くりさんの映画レビュー(感想・評価)
最後に勝つものは道義
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第二次世界大戦後に
シベリアに強制収容された日本人。
彼らの生き様の話でした。
過酷な環境で
死が隣り合わせのような状況で
どんな気持ちで
明日を見つめたらいいのか。
なんのために生きるのか
その理由をもてずに
こころとからだを保てない者には
この日常はとても厳しい。
だから、
山本の死者への冒涜許さないことを
身をもって示したり
ボールを作って野球を勧めたり
歌を唄う行為は仲間から
愛されたのでしょう。
人間としての尊厳を示したから。
作中では、
あの時代の人の命の軽さ
が印象的。
命が尽きて凍った遺体が
棒のように重なり
穴に埋葬されていくシーンは
沢山の死が身近にある現実を
示していました。
それは、
現代の平和な日常が
当たり前ではないことを
教えていました。
だからこそ、
その儚い命に道義を示した山本への
仲間からの
道義のお返しが胸を打つ。
帰国が叶わなかった彼のために
できることはなにか。
彼が愛した家族へ
山本のこころを届けるには
どうすればいいのか…
・自分を売った事を許した元上司 原
・心の傷を癒した 松田
・文字を教えた 新谷
・自殺を図ったのを救った 相沢
山田から道義を受けた四人が
彼の言葉を心に刻み
帰国後、1人また1人と
彼の家族のもとに訪れる。
妻たち家族の
驚きと感謝の表情が
たまらない。
それはそうでしょう
紙一枚で知らされて
終わりだった山本の記憶が
愛しさと虚しさと感謝とともに
蘇ったのだから。
最後に勝つのは道義である
彼が子供達に伝えたかった言葉は
山田の道義に救われた仲間によって
語られた。
人に与えた道義は
必ずどこかで返ってくる。
情けは人のためにならず。
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