劇場公開日 2022年12月9日

「前後関係を省略しすぎて、どの見方をするかわかりにくい…」ラーゲリより愛を込めて yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5前後関係を省略しすぎて、どの見方をするかわかりにくい…

2022年12月10日
PCから投稿

今年361本目(合計636本目/今月(2022年12月度)14本目)。

こちらの映画です。
内容に関しては他の方が多く書かれている通りであるので省略します。

結局、この映画は実話をもとにするとはするものの、このシベリア抑留がいかにして起きたのかという前後関係、また、その後の説明などが大半なく、しかもあっちこっち話が飛ぶため、「どういう枠」でみたらよいのか(個人的には、史実ものをベースとした、憲法枠(9条)の枠で見ました)がわかりにくいです。

この点が結局大きな傷であるため、映画内でいくら工夫があっても、日本では高校日本史(世界史)まで含めても、「シベリア抑留」は扱ってもその前後関係までは深く扱いませんから、かなり調べないと何がなんだか…でまず「追い出される」という映画です(これは結局、こうしたサイトでは他の方がいろいろ調べて下さって書き込まれることが多いので(私も書き込みますが)、その前後関係によって「理解の度合いに差がありすぎ」という「映画とはまったく無関係の事情」で採点が異なるという複雑な問題を抱えます。

なお、個人的には、この映画を、今、ロシアとウクライナの戦争状態の中放映することが適切だったのか、という論点(他の方も書かれていた)も気にはしたものの、「戦争がいつ終わるか終わらないかを、当然の理論として映画館や映画の作者等が知りえない以上、いつかは放映しないと作ったきりになってしまう」以上、これは仕方がないという判断です。

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 (減点0.3/ストーリーの前後関係が理解しがたい)

 ・ この映画を普通にみればいわゆる「お涙ちょうだいもの」系になるのですが、結局、このシベリア抑留の前提となったこと、そのあとの経緯その他等をしって初めてそう判断できるのであり、やや説明不足という批判は免れないのではないか…というところです。

 ただ、この映画、150分級という映画で、それら説明を入れると「インド映画枠」並みの時間(180分=3時間)になることは明確で、それらを省いた結果、波及してこういう論点を指摘される方が出てくるというのも想定可能で、その限りで減点範囲は限定的です。

 なお、このシベリア拘留に関しての前後の史実に関しては、他の方がすでに書かれている通りで(日本よりに見るか、ロシアよりに見るかという論点程度しかない)、この点はすでにかなりの量書かれていますので、こちらからは省略します(特につぎ足すような点もない)。
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yukispica