「ウェルカム? 完全にゲームオーバーだよ、バイオハザード」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ウェルカム? 完全にゲームオーバーだよ、バイオハザード

2022年5月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

寝られる

そもそも『バイオハザード』を映画しか知らず、ゲームは少~しだけしかやった事のない私。
その映画も面白かったのは最初の2作だけで、後は…。全く面白くもなくなり、話も訳が分からず。中島美嘉が出てたのって何作目だっけ…?
ようやく“ゲームオーバー”したと思ったら、“再プレイ”。
ハリウッド今やお馴染み、スタッフ/キャスト一新のリブート。今回はゲームに近いホラー色が濃くなり、設定や登場キャラもゲームを下敷きにしているという。
ゲームファンには嬉しいだろうが、ゲームをほとんど知らない者にとっては…。
映画版は辛うじてミラジョヴォが美人でクールなヒロイン・アクションだからそこそこ見れた点あったんだけど…。

案の定これは、リブート失敗例。
前シリーズも決して傑作ではないが、面白味も作品の出来も何もかも劣化。
『バイオハザード』の名を冠していなかったらB級アクション・ホラー。(でなくとも充分B級の類いだけど)

ゲームを再現したような洋館、前シリーズの後半辺りではすっかり影が薄くなったゾンビやクリーチャーのインパクト、恐怖と緊迫感に満ちた雰囲気は出ている。
特筆すべきはそれくらい。後は魅せるものが何もない。
前シリーズはゾンビ・ホラー色を濃くすると固定ファンしか喜ばず、だから敢えてヒロイン・アクションにしたという。
差別化やゲームファン納得の声を汲んだからと言って、“ゲームに忠実に”が映画のクオリティーに比例するとは限らない。寧ろ、エンタメ性が損なわれ、ファン以外への入り口の広さも狭まれ、端からファンしか楽しめない作りになってしまっている。

それでも誰もが見れるように設定し直した“DAY 1”。それも巧く機能しているとは言えず、やはりゲームを知っている前提で描かれ、話の展開的には停滞。
ゲームの人気キャラが一堂に介したファンならワクワクの登場人物だろうが、これも知らないと…。いやそれ以前に、各キャラへの描き込みや魅力が皆無。映画オリジナルのキャラでありながら、アリスの存在感は大きかった。

何よりの問題点は…
雨が降り続ける夜、洋館や地下通路など、屋外でも屋内でも暗闇のシーンがほとんどで、画面が暗すぎて今何が起こっているのか分からぬ点多々。かの『AVP2 エイリアンズvsプレデター』に等しいイライラ感。
それから、ゾンビやクリーチャー出現時や襲撃時の過剰な音響。それは迫力の音響ではなく、ただただ耳障りでうるさいだけの騒音。改めて“映画音響”の使われ方について思った。

面白さが分からず、不快に感じた点もあり、自分にとってはリブート版『モータルコンバット』に続く“クソエー”。
原点回帰どころか、シリーズ終焉。あのラストシーンからまたまたシリーズ化を狙ってるだろうが、もう本当にこれで“ゲームオーバー”でいいだろう。

…と、まあ、あくまでこれは『バイオハザード』やゲーム版に興味無い者の一意見。
『ウルトラマン』に興味無い者が『シン・ウルトラマン』見たって面白さが分からないのと同じ。
ゲームに近くなって、ファンなら前シリーズより楽しめるかと思うので、まあ気にしないで下さいな。
(でも、単に一本の映画としてつまらなかったんだよなぁ…)

追伸
ゲームファンの方々のレビューを読むと、キャラ名は同じでもキャラ改変が酷いし、話もめちゃくちゃだらけだと言う。
本当にトンデモコレジャナイ感なのね…。

近大