「ゲームガチ勢向き(感染者の評価なので信じないでください)」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 朝倉南さんの映画レビュー(感想・評価)
ゲームガチ勢向き(感染者の評価なので信じないでください)
映画としての評価は皆さんの評価(低評価)のとおりだと思います。
また、原作の再現を求めている人からの評価も低評価だと思います。
以前のバイオ映画のようなオリジナルを求めている人にも低評価だと思います。
ゲームをやりすぎて脳がバイオに感染している人には響くと思います。
ゲームとリンクするシーンやバイオあるあるがちりばめられておりその多さから、後半になるにつれて製作者側がゲームをやりこんでいるんだなと感じました。
映画を見終わった後には監督とゲームのバイオ談義で朝まで飲みたいと思ったので星5にしました。
バイオのフィルターはずしたら星1か2だと思います。
前半はRE2に沿った進み方にしつつ、初代の話も進みつつでどのように話が展開されるのか気になります。
スターズやレオンが出てきたあたりで、設定や性格がことなることから、シナリオはゲームをなぞるものではないな、且つ、ネームドキャラのゲームのような活躍は無いなと理解し、敷居が下げられます。
ここで、ここからどうやって原作に寄せるのかという期待を持つと映画の評価が下がります。
クレアは原作に近いのでクレアの活躍に期待しつつ、ほかのネームドキャラの前提をリセットしつつ見れるので、ほかのネームドキャラについては「もしかして途中退場もありうるのか?」などと先入観なしで見れるようになります。
中盤になり、町が混乱に巻き込まれてくるころに、映画の中にちりばめられた原作オマージュのシーンが原作の再現性のみではなく、プレイしていると遭遇するシーンも含まれていると気づき始めます。
そして、製作者側がゲームの設定を熟知していたりファンであるだけでなく、相当プレイしているだろうなと思い始めます。
そうなると見方が変わってきて、ゲームの再現シーンでも万人が経験するシーンだけでなく、何度もやりこんでいると遭遇するピンチと抜け方のような、ゲームあるあるのようなシーンも入っているように見えてきます。
中盤で見方が変わると、もう終盤はこのゲームガチの製作者がどんなシーンを入れてくるかの期待しかなくなります。
途中のBGMも原作に寄せたものがあり、「そのBGM印象残るよなあ」という同意しかできなくなります。
洋館の謎解きを高速攻略するのも映画としては「説明がないと・・・」となりますが、ゲームとして周回プレイしている人からすると、時間内に収めるなら良い改変だ!とほめたくなります。
(たぶんこれもゲームあるあるになると思います、映画内でもジルが良いツッコミしています「こっちだ」に対して「え、何で知ってるの?」みたいなものや、謎解きの回答見ているときに「それなに?」みたいな、ゲーム内のファイルを見ないでメモやWikiで謎を解こうとするプレイヤーに対しての突っ込みのようなもの)
こうなるともう感染末期です。
次はどんなシーンだすんだろうとか、これPS1のほうのシーンだよねとか、ここは原作どおりがよいけどどうする?そうするかあ。でも自分も同じこと考えたことあるなあとか、肯定しかしなくなります。
最後の畳み込みやなぜ、「どうして」をすっ飛ばして脱出するしかないという状態の勢いや説明の無さは、本来映画としては気になると思うのですが、この時点でゲームガチ勢が作っていると思うと、RE2でロケラン手に入れるための2時間クリアやタイムアタックしていると思えば、ファイルを読んでいる暇ないし、事情はキャラの説明のみ(ムービー)になるから事件の真相とか補完されないし、そもそもこの映画に関しては黒幕がG化し、アネットは研究者でもないから誰も説明しないことを考えると短時間クリア時のゲームプレイに近いなと肯定するようになります(特に初代はムービースキップないので、終盤のウェスカーの説明以外で事件の真相わからず)。
爆発するから脱出しなければいけません、列車で。なぜ?2週目で気にしますか?気にしません。
このような見方ができると、製作者に対して相当バイオやっているなという気持ちになり、映画としての評価はともかく、バイオハザードガチの人が作ったといううれしさから、製作者とバイオ談義したいと思うようになり、映画としての評価ができなくなりますが見終わった後満足します。
映画を楽しむ前提としては
シリーズすべてプレイ済み(0、初代、リメイク、2、3、ベロニカ、4、5、6、7、8)
(4、6はプレイしていなくても大丈夫かも、0やっているとバイオに矛盾はあるものという受け入れできる)
2と3に関してはPS版とRE版プレイ済み(レオン、クレア、ジルの改変、シナリオ改変の受け入れ済み)
7と8プレイ済み(クリス改変、クリス脳筋化受け入れ済み、イーサンの悲惨さ経験済み)
あとクレア以外(クリスは初代寄り)は原作に寄せないやりかたは、狙っているのかわかりませんがうまいやり方だなと思いました。
ゲームはそもそも、トンデモ設定やご都合主義も必要なのでB級映画シナリオにユーザのプレイが組み合わさってエンディングを迎えることで完成するので、そこからユーザのプレイを抜いてA級映画にするのは難しく、オリジナルを入れればシナリオはA級にできるけど原作キャラが活躍しきれなくなるから微妙になるという問題がある気がしたのですが、前半で主となるキャラ以外寄せないことを表現しておくことで最初にハードルを下げておくのは新しいなと思いました。
もちろん寄せられないキャラ目当てで見に来ている人からしたらつまらないことですが。
冒頭にも書きましたが、「映画」としては評価低いのは正しいと思います。
私もここまでガチでやりこんでいないゲームでこの映画のような改変されたら低評価すると思います。
レビューで星5つける人は数%に満たないと思いますが、この映画はその数パーセント向けの映画です。
バイオ1、2の映画というより、バイオシリーズをクリアしたあとに有志が作ったバイオ1+2+αのオリジナルまたは新解釈のMODをプレイしていると思うと楽しめます。
私も含めて高評価つける人はたぶん脳みそがバイオに感染していますし、製作者も感染しています。
かゆい
うま