「ただただ、懐かしい思いで鑑賞した」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
ただただ、懐かしい思いで鑑賞した
ビデオゲームの「バイオハザード」は大変な人気だったから、遊んだことのある人は多いと思う。かくいう当方も「バイオハザード2」の発売当時に、知人のプレイステーションで遊んでハマってしまい、自分でもプレステを購入。新しいバージョンが出たのに合わせて、プレステ2、プレステ3も買った。「バイオハザード6」まで買い、その他に「コードベロニカ」や「アウトブレイク」も買って遊んだ。
本作品はゲームで遊んだ人にとっては懐かしさを覚える作品である。主に「バイオハザード2」のストーリーを中心にして、それに「バイオハザード1」を足して物語を組み立てている。ふたつのゲームのつぎはぎみたいなストーリーだ。
クレア・レッドフィールドの兄のクリスを登場させる以上、レオン・ケネディをあまり活躍させる訳にはいかなかっただろうし、エイダ・ウォンが端役になってしまうのも仕方がない。ピアノで「月光」を弾くのがジル・バレンタインでもレベッカ・チェンバースでもなくてウェスカーなのもなりゆきである。ただひとつ残念だったのは「バイオハザード2」の「タイラント」が登場しなかったことである。
ゲームではタイプライターのある場所でインクリボンを使うとそれまでのプレイデータをセーブできるのだが、一度でもセーブするとゲーム終了時に「Sランク」が取れない。だからセーブなしでゲームを進めるのだが、殺されれば当然ゲームオーバーで、セーブしていないから最初からやり直さないといけない。だから強力な敵が怖い。
ゾンビはよけて走ればなんとかなったのだが、警察署にいた「リッカー」と研究所の「イビー」がとてつもなく強くて怖かった。何度も殺されてゲームオーバーになったことを思い出す。そして壁をぶち破っていきなり現れる「タイラント」は、最初にゲームしたときは度肝を抜かれた。つかまったらゲームオーバーになるので、なんとか逃げるしかない。思えば「バイオハザード2」は逃げながら謎解きをしてストーリーを進めるゲームだった。
ゲームに慣れて「Sランク」が取れると、無限に撃てるマグナムや、無限ロケットランチャーが手に入る。それらが欲しくて一生懸命にゲームをするのだが、取ってしまうとゲームが簡単になりすぎて面白くない。だから手に入れても使わずにゲームをした。
映画になるとゲームオーバーで最初からやり直すという訳にはいかないから、タイラントを登場させるわけにはいかなかったのだろう。主要人物は当然誰も死なないし、巨大バイオ企業「アンブレラ」も倒産していない。ウェスカーはこのあと何をするのか、エイダ・ウォンの正体は何なのか不明のままだ。物語は本作品のあとも続く。しかし続編の映画が製作されるかどうかはわからない。本作品の興行成績次第かもしれない。
ゲームの「バイオハザード」シリーズを一度も遊んだことのない人には意味不明の感想ばかりを書いてしまった気がする。ただただ、懐かしい思いで鑑賞した。ある意味で感激したとも言えそうだ。同好の士にはご納得いただけると思う。