「映画とはファンサービスの為の娯楽ではありません」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 冥土幽太楼さんの映画レビュー(感想・評価)
映画とはファンサービスの為の娯楽ではありません
往年のバイオファンである身としては、
本作のpvをみた段階では相当な期待を抱いていた。
ゲーム版バイオファンにとって
旧映画版バイオハザード シリーズというものは、
後半になるに従って有名ホラーゲーム原作という看板を借りただけの異能力バトルモノという全く違うジャンルの作品になってしまったため、バイオ実写として素直に認めることごできなかった。(映画のヒットはゲームの知名度の向上、ゾンビホラー映画復権の一躍を担ったといっても過言ではなく、そういう意味で旧作は偉大である。それにアクション映画として質も3作目までは悪くない)
そういうこともあって、正当なリメイクを期待する声も少なくなかった。
そしてpvをみた限り、あれもこれも原作を忠実に再現しようという気概に溢れており、期待度マックス!!
しかし蓋を開けてみれば、現実はラクーンシティの惨劇より悲惨であった。
そもそも、1と2を一つの映画の尺で収めようとするところに無理がありすぎる、その時点で企画は破綻していたのだ!!アンブレラの研究ばりに!!
それを無理矢理脚本に収めようとしている時点でいくらファンサしたところで、愛がないんだよ。
時々ファンサをするにしても、だ。
キャラクターの性格や人間関係がゲームの人物とあまりにも違いすぎるせいで全てが台無しである。
敵も味方もb級ホラーによくいる小物に改変されており、レオンもクリスもウェスカーもクソダサすぎて、
そこが一番の恐怖ポイントであった。
ホラーの演出もb級以下で恐怖を感じるポイントがいちいち古臭く、何千万回も焼き回しされた表現しかみられない。
更にいうならマーベルなどに見慣れた現代では、
通用しないお粗末なレベルのCGが散見されており、
b級役者のb級演技との相乗効果で見るに耐えない。
いくらファンサしてみたところで、映画として最低レベルでは意味がない。
雰囲気とセットだけ原作に忠実な分、中身がこれだと思われるとカプコンの株の暴落にも繋がる危険性が高い為、アンブレラ或いはカプコン本社は今すぐ公開をやめさせて、ハンクあたりに監督とプロデューサーの暗殺を依頼した方がいい。
彼らはぜひタイラントの人体実験に使おう。
それが嫌なら関係者は、ホラー映画としても、ゲームの実写化としても、低予算でも完璧な出来であったサイレントヒルを見習って千回みてくれ。