夜明けの夫婦のレビュー・感想・評価
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エンターテインメント!
R18作品なんですけど、これ、おもしろいです。楽しいです。
あらすじから受けたイメージとはだいぶ違いました。また、予告は観ないで鑑賞して正解でした。予告を観ての「こんな作品なのかな」って想像はハズレていたと思うし、それで先入観ができちゃってたらもったいないですもんね。
胃がキリリとする場面からスタートしたり、はじめのR18シーンをちょっとしつこく感じたり。正直なところ冒頭で「う〜ん」と思ってしまったのですが、その後の展開からだんだんくぎづけになり…。最後は突き抜けた。現実なのか夢まぼろしなのか。そういうの大好きです!
また、おもしろキャラクターばかりでクスッと笑えたり、場面の切り替わりが凝っていたり、しっかりエンターテインメントですよ!作品のタイトルもすばらしいと思います。
あと、“日本じゃ子育てなんてできない”的なセリフがあって(うろ覚えで書いています、正確なセリフではありません)、それがズドンと印象に残りました。
鄭亜美の裸体が綺麗だった
夫・康介の両親と一緒に暮らす33歳の在日朝鮮人年上妻・さらにはまだ子どもはおらず、義母・晶子はさらに対し子作りを催促してきた。しかしコロナ禍の間、さらと康介はすっかりセックスレスになり、しかも康介は他の女性と不倫していた。一方、晶子は年老いた母をコロナで亡くしたこともあり、孫の顔を見たいという強い欲求と、教え子や妹に子供が出来た話を聞き、孫欲しさで精神的に不安定になっていった。そして、義父はさらが好きで、酒を飲みにスナックに行き、帰りにさらにキスした。
てな話。
康介がなんとも沸切らない男で、観ててイライラした。
同居してる義父が嫁にキスしてそこからもっと進むのかと思ったが、それは無くて良かったのかな?
なぜ韓国人妻なんだろうと思ってたが、仕事の関係で都合が良かっただけなのかも。
妄想で裸になったり、あれは必要な演出だったのかな?
R18+作品だが、さらのトップレス以外大したことはない。
さら役の鄭亜美が1人で美しい裸体を披露してくれてて、それだけでも素晴らしかった。
あと、会社の先輩・樋口さん役の坂倉奈津子がなんともいえない雰囲気の良い味出してた。康介へのツッコミ、最高だった。
現実と超現実
"夜明けのうた"がエンディングで流れる、何とも奇妙な作品であり、シュールレアリスムな演出は戸惑いと、だが鋭い風刺で攻撃する作劇に仕上がっている
政治風刺も盛込んでいるが、それよりも単純に二世帯同居とそれによる嫁姑問題、国際結婚と浮気と男のだらしなさ、その全てにオーバーフローを起こす嫁の堕ちていく様を痛々しさと共に無常観を禁じえない
ファム・ファタールとしての浮気相手と会社内女性同僚の執拗な責めがボディブロウのように効いてくる様は、同性として身につまされる感覚に襲われる
社会問題としての"ジェンダー思想"を提起している事は明白で、この根深い問題はこの夫婦の継続案件と同様に、先送りになるのであろうか
それにしても主役の女優さんの覚悟をキチンと映像化してみせた監督と配給会社に賛辞を送りたい "脱ぐ"事は必要条件ではないが、映像の瑞々しさを演出し、"生"をアピールする最大限の力なのであるから
山内ケンジおみごと
山内ケンジさんが主催をやってる「城山羊の会」って劇団の劇は、服着てやってるけど、内容的には脱いでるみたいなもんなんだよね。だから山内ケンジ監督が撮った映画では脱いできて、なるほどなと思ったよ。
山内ケンジさんの劇は、基本は会話劇なんだね。今まで気づかなかった。だから会話にすごく気が遣われてる。普通のやり取りがほぼないの。その中で、必要な情報を少しずつ出してくるんだよね。
そのちょっと面白い会話を、裸の夫婦二人でやってるところは面白かった。シュールさがある。
旦那が浮気相手と会う喫茶店では、窓際に山羊の置物が置かれてて面白かった。ここ、浮気相手はワイン飲んでるんだよね。もうやる気満々。
それで『今日は、二人の女の人と話したよ』と旦那が言って、子供作ろうかってなるところは、普通の流れで「なるほど」となって良かった。と、油断したらファンタジー展開。浮気相手がネクタイを奥さんの枕元に置くんだよね。これ、舞台でやったら成立しない。映画だから成立するんだよね。
ここから夢のシーンや、義父が嫁の裸を見るファンタジーシーンなんかが混ぜこぜになってきて、なんだか分からないけど面白い。
それで、浮気相手のネクタイを開くと、それはネクタイではなく包丁だった! ここで奥さんが手首を切るんだけど、この流れは分かんなかったな。「なんで?」の方が強かった。
ネクタイを開かず捨てず、ずっと持ってるのは不自然だったんだよね、でもここでこの展開やりたいから引っ張ってたのか。
ラストは綺麗にまとめて終わりかと思ったら、やっぱりファンタジー展開。
なんだか訳は分からなかったけど、面白かったよ。
あと李ソジンが好きだから観ることができて良かったよ。
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