君は行く先を知らないのレビュー・感想・評価
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意味不明
理解力のない私にはサッパリ分からない。時間の無駄でした。
今後は分かりやすい映画を選んで観よう。
最後まで観れたのは、何か最後にある筈と期待をしていたから・・
結局登場人物の誰にも共感もなく、ポンヌフ以来かなぁ面白くなかった。
婉曲的過ぎる体制批判
イランのこと何も知らずに見るとサッパリわからない映画だ。
なぜこの家族は子どもに行き先を告げずに走り続けるのか。何に怯えて慎重に行動しているのか。
事前知識や想像力が必要
・原因不明の骨折でギプス姿の父親
・そのギプスに隠されている携帯電話
・ストレス障害のような長男
・死ぬ間際の飼い犬
・途中で出会うアームストロング選手に憧れる自転車選手
・アームストロング選手のドーピング騒動に関する会話
・終始天真爛漫にふるまう少年と反抗期のような言動や行動
何を象徴しているのか、いかようにも解釈しえる。見る人の教養を試しているかのような手法に不快感さえ覚えた。映画自体は体制批判との指摘を恐れて作られたかのような作りだ。果たして監督が伝えたいメッセージは本当に伝わるのか。何かに力を与えることができるのか。大いに疑問に思ってしまう。こんな映画に仕上げてもイランでは裁かれるかもしれないほど人権状況が深刻なのだ、とでも理解すれば監督は満足なのか。見る人の理解力とか共感力に頼り過ぎている気がして、クライマックスでも悲しみを共感することができなかった。
幸せとは
映画で届けるべき真髄がここにあり。どんな制約や悲しみがあろうとも屈しない家族の姿。飾らないありのままの姿だからこそ突き刺さるメッセージの数々。命懸けのロードムービーが問いかけるものとは…。子供の底知れぬパワーにきっと未来は明るいと信じたい。
わりと同感⁉︎の人も居て,珍しく邦題はピッタリ⁈
この作品の主役は,何と言ってもあの洒落た服着た可愛らしい子役のお陰で、作品自体が成り立っちゃっている様に感じ取れた作品である!と感じ取れた。 と云う処。
すごいぞ、この映画‼️
ロードムービーながらに、サスペンスさを感じるのは、舞台がイランだったり、周囲の景色が砂漠地帯だったり、家族としての絆を確実なものとして感じられないところに、最初に放り込まれる。特に父親の長男に対する言動はイジリを通り越しているようにも思う。そして長男が弟よりと比べると圧倒的に影が薄い。飼い犬のジェシーよりも。この作品がどこに向かうのかますます気になる。
そんな長男が運転する家族を乗せたパジェロは、とある目的地に向けて走る。家族の会話の中で物語の輪郭を読み取りながら、じわじわと解像度が上がっていく。
全ては長男のために決断した家族の物語。生きるための選択を求められる社会体制の中、父親とリンゴを分け合うシーン、そして母親のまっすぐな愛には泣きそうになる。対象的な次男の無邪気さに切なくなる。
ジェシーがなぜ死ななければならなかったのか。そこだけが謎。
旅は自由をめざす
パナー・パナヒ監督「君は行く先を知らない」をシネ・リーブル梅田で観る。イランが舞台の家族4人のロードムービーの秀作なんだけど、直接的には全く触れずにイラン社会に存在する権力による抑圧への批判の映画になっていて、父親譲りでさすがだなと拍手。
あと子役のラヤン・サルラク君が素晴らしくて、これは本人のキャラクターを生かした自然な演技なのかなと思ったら、ラストでそうではないと分かるシーンがあって驚愕。天才ですね。
観たい度◎鑑賞後の満足度◎ 【一目で観たいと思わずにいられない男の子のポスター。で、実際小憎らしいしうるさいけど実に可愛い…旅の果てに待つものに憂いを隠せない大人達と天真爛漫な次男の対比の塩梅が見事】
①お兄ちゃんの行き先については現代イランの実情がわからないとピンと来ないだろうとは思いつつ、やはりピンと来なかったので、普段は余程のことがない限り買わないパンフレットを購入。
やはり思った通りではあったけれども、ここまでして家族の一人をを国外に脱出させたいと思う現代イランという国とそこで生きていかねばならない人達のことに日本人の感覚ではなかなか理解が及ばない。
②「一人で来いと言ったのに」というオートバイの男と、「1日~2日隔離された後、もう一度会えるから。そこで別れを告げられるから。」という長男の言葉の矛盾で、“これはもう会えないな”と予想外できるが、もう一度会えると信じて待っていたのに裏切られたお母さんの落胆し慟哭する背中がせつない。
③愉快なお父さんだが時折見せる鋭い眼差しが印象的だ。
④お兄ちゃんが映画好きというのは映画ファンとしては嬉しい限りだが、“どの映画が世界一と思う?”というお母さんの問いに“『2001年宇宙の旅』”と答えるところは、映画通と思えると共にこれからの自分の行き先に対する不安と期待とを問わず語りに表していたのかも知れない。
最初はよくわからない
正直最初は何を描いてるのかよくわからない。
家族の会話や、外の人とのやり取りで
少しずつ何に向かって走っているのか
どのような未来にむかってるのか
わかってくる。
ざ、ロードムービー。
国の事情がわからないと
ピンとこないかもしれない。
全編を通して時折流れる
短調のピアノの音楽と
ただただ見晴らしの良い砂漠
カラッとしたコミカルな次男の様子が
うまくマッチしていて面白い作品。
ややわかりにくい点もあるものの…。
今年300本目(合計950本目/今月(2023年9月度)10本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
シネリーブル梅田で放映されていたので見てきました。
イランを舞台にしたロードムービーというカテゴリになります。
…が、何の趣旨のロードムービーかがはっきりとせず(ただ単に国内を移動しているという意味から、国外脱出という重いことを扱っているように見える)、わかりにくい…という点はどうしても言えます。
一方でイランといえばイスラム教にせよ何にせよ宗教が厳格ですが、この映画に関してはそこまでの趣旨はなし(せいぜい「イスラム教」程度の語しか出ず)。むしろ、イランにせよサウジアラビアにせよ「砂漠ばかり」という思い込みもあるなか、ある意味日本でも地形としてはありうる「ずっと平地ばっかり」(北海道の高速道路みたい…)というのが正しいようで、そこは良かったです。
なお、イラン映画であるという事情もあるため、最初と最後にアラビア語??が表示されますが、読みようがないのでどうしようもないです(多分原題タイトルと、勝手にコピーするなとか何とかといういつもの話?)。
採点は以下のようにしましたが、フルスコア扱いです。
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(減点0.2/「家の譲渡証券」「家を抵当権に入れた」)
これらのことから、不動産の得喪(日本民法177条)を彷彿とさせますが、「当事者では有効でも第三者に対しては登記しないと効果なし」(日本、フランス)、「当事者であっても登記しろ」(ドイツ、韓国)の2つのパターンがあり、イランはさらにこのどちらにも当てはまらないようにも見え、一方でイランにも「抵当権」という民法の用語はあるようで、何を言いたいかわからない部分があります(この辺、ドイツにせよフランスにせよ書籍が多いものなら、「比較法学」という分野で調べることは可能ですが、イラン等の法体系を詳しく記した書籍はないものと思います)。
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コメディタッチのヒューマン系ロードムービー
ゲーム『デス・ストランディング』みたいな何もない荒野、を車で行く、イラン産ロードムービー。
ゆるいコメディタッチながら、心に問いかけるようなヒューマン系です。
最後まで観て、すごくシンプルな事を遠回りしながら盛って盛って描いた映画だなと思い、肩透かしくらいましたが、
たぶん、ほとんどの方は、同じような気持ち、何じゃこれ感、を味わうのでは?(笑)
観たあと色々と調べてみたら、政府が国民を弾圧しているイラン情勢など、イランの事を知ってないと、分からないとの事。
イラン情勢を調べてから観ても、僕みたいに観てから調べても、
イランの事を知るキッカケに、なるんじゃないでしょうか。
ゆるく笑えるヒューマン系です。
眠かった…(笑)
子供は子供という独立した種族。
最後まで旅の目的は明確に明かされないので、てっきり国外就労にでも行くのかと思ってましたが、ちょっと違うようですね。他の方のレビューにもありましたが「君は行く先を知らない」は、我々に対してのメッセージも兼ねているとしたら、観客も目的地を知らない方が良いかも知れないですね。少なくとも私はそちらのスタンス(予備知識なし)で観た事で、時々家族が見せる翳のある表情など、視点が共有できて楽しめました。貧しくとも愛情豊かな両親、日本とは違ったイランの荒涼とした自然の景色のスケール感と美しさも良いエッセンスになってましたね。そしてこの子役!上手すぎでビビりました。無邪気な子供はどこにいてもどこの国でも変わらなくて、国境や文化を簡単に乗り越えられるとても大切な存在なんだなと思いました。
お兄ちゃんと別れるなんて思っても居ない。。。
次男役のヤラン君が、無邪気でめちゃくちゃ可愛いです。でも。。。お兄ちゃんと別れなければならないのです。それは、イランの情勢、政治、厳しい環境によって。。。涙。ヤラン君家族は、お母さん、お父さん、お兄ちゃん、ヤラン君の四人家族ですが、その4人の感情、葛藤、情景がリアルに描かれてて胸に刺さります。この映画は、何気ない日常を何不自由無く、家族と共に暮らせる事が「シアワセ」なんだ!と思い知らされる映画だと思いました。
いい邦題
英語題は『Hit the Road』。家族4人によるドライブでのロードムービーそのもののこと指しているかと思えば、語られる会話の内容と展開から、それは運転手をしている長男のこれから起こることについて言っているのだと解ります。とは言え、特に説明もないし、事情も詳しくない日本人には次男に対する『君は行く先を知らない』が「いい邦題」を付けていると感じました。
映画が始まって早々、無邪気なのに妙に大人びたことを言う次男が兎に角愛らしく面白く、悪さをしても憎めないいいキャラクターです。また、それに対する父親と母親がまたいいリアクションです。どこまで本気なのか真顔で平然と辛辣に返すも、ちゃんと愛と優しさを感じる対応が微笑ましく幸福感があります。
それなのに、時折見せるどこか不穏さや、多くを語らないまでもいかにも秘密めいたやり取りに、これが単にのどかなドライブでないことは判ります。
ふと気づく携帯電話の存在に(この時点では)過剰と思える反応からの処置や、「さっきから後をつけられている気がする」と急に後続車を気にしたり、また中盤では怪しさを隠し切れないバイクの登場人物など、邦題さながらに、家族の行く先が気になってしょうがなくなります。
さらに、家族たちそれぞれの表情にも気持ちが見え隠れします。運転しながら不意に涙する長男や、落ち着いていられず時折狼狽しつつも、息子には安心させるために愛情深く接する母親。また、終始平然と振る舞い続けるも、誰も見ていないところでば怒りの表情で一点を見つめる父親の顔は印象的です(公式サイトのCast紹介の写真でも使われています)。
正直、全ての事情が理解しきれていませんし、相変わらず考察はせずに映画評を書いている私。(私が思う)『Hit the Road』の本当の意味とその先のことについて、確かなことは親子が車で移動しながら過ごす1日に、家族ならではの遠慮のないやり取り込みで、とても深い愛情を感じることが出来ます。何より次男の存在感ですね。多分、長男にもこんな時代があったのでしょう。母親が運転をしながら涙するシーンは、自分も息子として母親にもっと愛を返さなきゃいけなかったな、と思わされました。なんて、自分の事はさておいても、最初から最後までてっぱんの愛らしさで癒してくれる次男(ヤラン・サルラク)、彼だけでこの作品を観る価値ありだと思います。それにしても、君はよくそんな歌知ってるねw(勿論、私もオリジナルは知りませんが、歌詞を見る限りでは子供が歌う歌じゃありませんw)
私たちは表面しか知らない
イラン当局の厳しい検閲と戦いながら映画制作を続けるジャファル・パナヒ監督の息子パナー・パナヒ氏の長編デビュー作。国境の町に向かう長男に同行する両親と弟と愛犬の旅を追ったロードムービーである。
口下手で不器用な父、塞いだ息子、はしゃぐ弟、ピリピリした母が、それぞれの別離に向かい車を走らせる。
ポスタービジュアルの明るさとロードムービーというジャンルのイメージに反し、本編は皆まで言わないシーンの連続で、娯楽性に乏しいように見えるかも知れないが、イランで映画を制作するためには世相の描写はこのくらい抑えた表現にせねばならず、検閲を通りやすくするために記号的に入れた方がいいポイントもあるとのこと。描きたいものを描くためにこの形に纏めた制作陣の苦労が伺える。
例えば現代イランを描いた最近の公開作品「聖地には蜘蛛が巣を張る」の制作陣が、イランにルーツを持ちながらヨーロッパを拠点に活動しそこから作品を発信しているように、イランでは本物のイランを描けないのだ。
そういう視点で見ると、家族の元を離れる決意をした長男とそれを支援した両親の葛藤、真実を知らないうちに兄と愛犬と別れた次男の今後、そして非合法な方法で別れた家族のそれぞれの暮らしなど、描くことを許されなかった部分に想像を掻き立てられる。深堀りすることで味わいが深まる作品である。
邦題の意味が中盤から分かってくる
人によっては最初から分かるだろう。『君は行く先を知らない』の邦題の意味を。
両親と成人した兄、歳の離れた6歳ぐらいのヤンチャな男の子、死が間近に迫った愛犬との一家の旅。
次男が車の窓ガラスに落書きしてしまったり、ロードレース中の旅人にちょっかいを出したり助けたり……
音楽に合わせて戯けてみせる母、ギブスをはめた父と、破天荒な次男の中、運転をする長男だけは沈痛な面持ちでいる。
今回の旅の理由を知るのは長男と両親の三人。“長男のお嫁さん探し”と聞かされる次男は本当の目的を知っていない。そして私たち観客も。
父親や母親が羊飼いや仮面をつけた男との交渉するシーンや、親子間のやり取りから、この度はとてもシリアスかつ、イランの国事情が絡んでいることが徐々にわかってくる。
旅とともに描かれる“愛する人との別れ”。
一方は永遠の別れ。そしてもう一方も二度と会えないかもしれない(僅かな希望もあるが)。
イランの荒野、トルコとの国境の地、延々と広がる景観は美しかった。
警官の美しさと、無邪気な次男の存在や、ラストの歌に合わせた彼のダンスが哀しみを和らげていた。
母親の気持ちを思うと胸が潰れそうだ。
今日も同じような家族が涙を流しているのかもしれない。
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