「ラムリー島の戦い」ブラック・クローラー 殺戮領域 鰹よろしさんの映画レビュー(感想・評価)
ラムリー島の戦い
“その沼に足を踏み入れた兵士1000人”
“生きて還ったのはわずか20人”
こんな謳い文句が書かれてはいるけど、1000人のお話じゃないし、20人のお話でもないし、なんならその悲劇のお話ですらない。その悲劇が起こる前のお話。
1945年、イギリスは日本軍に占領されたビルマのラムリー島奪還に向け極秘作戦を展開。イギリス人3人とインド人独りで編成された4人の部隊が、島内のどこかに隠された日本軍の兵器庫(補給基地?)の位置を特定すべく島に派遣された。
...とはいうものの、ほぼほぼ素人部隊で統率はとれておらず仲違いが絶えない。それどころか隊長以外その任務を知らされていなかったと来たもんだ。
案の定おしゃべり(インド人の話術でなんとかもってる会話劇)に終始することになるのだが、やれ上官だ兵卒だと階級のお話に、特別な時に食べるんだと持ってるナニカに、俺結婚するんだとフィアンセの写真を眺めたりと、万国共通の戦争における諸々のフラグを散りばめつつ、
イギリスとインドの関係をドイツとポーランドの関係に見立てたり、彼らの島内外における境遇を日本兵にも適用させようとしていたりと、
分け隔てなく襲い来るイリエワニの存在を以て人間様の愚かな行動を見つめるお話なのかと思えば、
ラムリー島の奪還がその後の戦局を左右したという事実を以ての、日本兵を1000人近く葬ったイリエワニ襲撃事件を自己犠牲精神により引き起こした精鋭部隊を賞賛礼賛する英雄譚に仕立て上げたかっただけというなんともなお話だったとさ...
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