劇場公開日 2022年5月6日

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「極悪人がいないのがかえって辛い」マイスモールランド デブリさんの映画レビュー(感想・評価)

極悪人がいないのがかえって辛い

2022年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

池脇千鶴、韓英恵、サヘル・ローズって、これで私が観に行かなかったらおかしい。キャスティングありがとう。奥平くんも素敵だったし、主演の嵐さんも学校のシーンとかすごく自然だった。

誰かものすごく邪悪な人がいるんじゃなくて、無関心だったり少しだけ偏見を持っていたりする人たちがいて(聡太母の反応の仕方、怖い)、これはかなりリアルな描き方なんじゃないかなと思った。難民問題のリアルを私が知っているわけじゃないけど。悪いのは特定の誰かではなく制度で、だから問題は根深く大きいのだということを理解させられる。

苦しい環境だからシンプルなガール・ミーツ・ボーイが輝くし、そこが輝くから苦しさもより伝わる。聡太のどうしようもないノンキさに少し腹立たしいような気持ちにもなるけど、そこに救われるサーリャもいたんだろうな。

マズルム父さんは、日本語を話すときのほうが、クルド語のときより高圧的でなく穏やかな気がした。“彼は日本での生活に自信がない”という演出意図だったかもしれないけど、私は日本語を高くて優しい声で話すときのお父さんのほうが好きだったな。

デブリ