「ようやくわかったよ、古代。」宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 STASHA equinoxさんの映画レビュー(感想・評価)
ようやくわかったよ、古代。
スターシャの語った、遥か昔イスカンダル大帝国の
悪行の数々には正直恐れ入った。
ガミラスはイスカンダルの悪行の
後始末をさせられていたのも、自らの“ 誇り ”だったらしい。
結果奴隷の住まいとしてポンコツになった星の為に
宇宙に覇権を広げ血で血を贖う真似をしていたとは。
そしてヤマトが、沖田が・・・。
デスラーが何かにつけてずっと臣民諸君に向けて
堂々と掲げていた「イスカンダル主義」とは何だったのか。
「宇宙の恒久的平和を実現するには、
イスカンダル主義の拡大と浸透が必要である!」
「それは神の意思であり、我らガミラス民族に課せられた
崇高な使命なのである!」
「それは唯一つ、希望だ!」
「民族の悲願、我々の宿命、それは
ガミラスとイスカンダルの大統合という希望だ!」
ガミラス人はイスカンダルへの畏怖を克服したかったのか?
いや、彼は彼なりに違った、
全く純粋な理想を抱いていたのか。
デスラーが怒り悲しみ、古代が泣いた気持ちが
何回か観てきてようやく理解出来た。合点がいった。
金縛りにあったみたいだった。
今迄約束を果たそうと潰れそうになってた自分は
一体何の為に、何を守ろうと、
何を滅ぼそうとして来たのかが全て砕けて
無くなってしまいそうに思えたのか。二人とも。
かーなり重かった。
今までこんなに「2205」が重かったとは
気付かなかった。こんな残酷な話あるか?
ずっと宇宙を彷徨ったり、ずっと戦争してたりしたのに。
今迄6年はとてつもなく長く重かったはずだ。
いや、戦争はもっと前からか。
ガミラスはもっと前、統一戦争よりも遥か昔なのか?
いや地球にだって内惑星戦争があった。
が、地球人は異星人との初の邂逅からずっと試されていた。
その苦難苦行の一切の価値を何と今、失くしてしまった。
それが「大人になる」と云う事か。
それが「修羅の道」を歩むと云う事か。
それでも「汚い大人」になって
何も感じずに生きる事は出来ない。
でもランハルトや守や大公に語らせるなんて
そりゃスターシャさんズルいにも程があるよ。
みんな頑張って生きて来て、「見つけちまったんだからよう」
故に己を戦いに投じた結果行っちまった
イイ人達ばかりじゃないか。
(いや、戦争を行い、どちらが先制攻撃を仕掛けたかで
揉めるような連中だ。確かに語弊は認めよう。)
恒久の平和って?それでも生き残らなければ?
デスラーよ。
確かにオマエは、総統に相応しい最高に強い人間だ。
古代よ。
確かにオマエは、どんな困難にも立ち向かう正義に貫かれた
最高に強い人間になった。
しかし結局は、
苦しくて虚しくて、切ないなあ、
オマエ達の、いや、全ての人の生き様ってーのはよ。
その愛だけは固く握って、手放したく無かったんだな。
その愛に殉じてしまいたくなっても仕方ないンだよ。
でも、解ってた事だったんだろ。夢だったンだって。
ああ、語り過ぎました。ごめんなさい。
やっぱり切なくて立ち直れません。
「新たなる」のリメイクである「2205」が
シリーズの中で如何に重要な通過点(折り返し点?)で
あったのか、認識させられました。
