「小さな町での、ささやかで、偉大な物語」スワンソング Sakikoさんの映画レビュー(感想・評価)
小さな町での、ささやかで、偉大な物語
老人ホームで特に面白いこともなく、唯一の楽しみは隠した煙草で一服すること。友人の死化粧を依頼されたことから、町に戻り、旧知の友人や場所を訪ねながら、自身の人生を振り返っていくロードムービー。
パット役のウド・ギアーがよかった。表情や煙草をふかす仕草は色気あってとてもカッコいいのに、一方で、リュックを背負って、ちょぼちょぼ歩く姿はなんとも可愛らしい。町でゲットしていく帽子や衣装に身を包み、堂々とした様に変化していくのも素敵。
恋人や友人やそれを取り巻く人々との間のわだかまりや、心残りのようなもの、つらい感情のようなものを、今回の旅で、みんなからの色々な形での愛情を、確認でき、これまでの人生を少し違った風に書き換えることができたのではないでしょうか。
「靴だけは趣味がいい」リタからこっそり靴を拝借し、それを見つけたリタの孫がくすっと笑うシーンは、心がほっこりしました。
コメントする