親密な他人のレビュー・感想・評価
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闇の現実と闇の心情と入り混じって、生きる気力が奪われそうになる映画...
闇の現実と闇の心情と入り混じって、生きる気力が奪われそうになる映画・・
底辺の環境でありながら淡々と律儀で質素で上品とも感じられる感性で綴られている。このストーリーならもっとドロドロした刺激的な映像のエピソードも有ればと思うが、この抑制的な表現で、観客が想像出来る限りの怖さを想起させる仕掛けだと好意的に思うことにする。
洗濯機の上に、どう考えても皿は置かへんって。
これは、ちょっと…。
黒沢あすかさんが好きなので観に行きましたが…。
俳優のお二人は、とても良かったです。
ただ、脚本、演出が苦手なタイプでした。
皿で指を切って、唇で舐めるアップのシーンが、もしかしてエロいと思っているのかしら?
もう、王道過ぎて…。
あれ、ストーリーの中で必要??
でもって、そのシーン撮りたいがために、皿割りたかったために、洗濯中の洗濯機の上に置いたん?
日常生活で置かんで普通。
さらに、あの瀬戸物のような皿では、なかなか指切らんし、
せめてグラスだわな。
今の時代、都会で子ども乗せたままのベビーカーを放っておかんって。
いいねん、そういうシーン撮りたいなら撮れば、せめて、リアル感を出してくださいな。
監督の自己満足のドヤ感シーンで、
自分の好みじゃないものが一個でもあると、あとが全部、つまらなくなってしまうのです。
※もしかしたら、男性だと気にならないシーンかもね。
バックハグの体制で、カミソリで髭を剃ってあげる、髪を切ってあげる...。
髭生えてないやん。髪型そこまで変わってないやん。
青い羽根はどうなったん?
そのシーンを撮りたい、コンテンツを入れたい!を優先するより、
まずは、ストーリーをきちんと構築して欲しい。
自分の妄想の中では、辻褄合っているのだろうけど、わたし、置いてけぼりでした。
理解力がないのかしら。
もう、なんだか、すべてのドヤ感シーン、コンテンツが女性監督の妄想って感じがしてしまいました。
それも、昭和感覚の。
ただ、黒沢あすかさんは、とても素晴らしかったです。
声のトーンが心地良くミステリアスで、非常に魅力的でした。
パンドラの扉。
行方不明の「息子」を探す母とその手がかりを知る青年。やがて秘密の同居生活を送ることになる2人。果たして「息子」の行方とは。そして青年の素性とは。開けてはいけない扉の先に待つものとは。地味に狂ってる話で私は最後までドキドキしながら楽しめました。
黒沢あすかが持ち前の艶っぽさ全開でミステリアスな恵を好演。あのなんとも言えない声もめちゃめちゃ魅力的です。もう、流石の妖艶さでございました。恵にじわじわとコントロールされてゆく雄二に神尾楓珠。ドツボにはまってゆく感じが良かったです。
段ボールが増えても恵が満たされることはない。本当に大切なものはもう帰ってこないから。だからまた求めてしまう。ラストの恵の表情は日本映画史に残るヤバさです。夢に出てきそうです。
黒沢さんオンステージ
音楽いーなー、ピアノいーなーって思ってたら、ガッキー新垣さんじゃないですか!素敵。良い味付けになっています。
さてさて、黒沢さんオンステージでしたね。その一言につきます。目の演技の豊かなこと!すごかったなぁ。また全身で演技なさってるのもよくわかります。行動がいちいちヤバヤバ感漂わせてるし。患ってるんだなーって伝わります。お見事っす。素晴らしい女優さんですね。評点のほとんどが黒沢さんですね(笑)
ただ、それが全てだったかなーって気がします。ネタバレになっちゃうので細かくは書きませんが、恵がなぜそうせざるを得なかったのか?がピンとこないんです。安易なサイコとして扱われているような気がして・・・。勿体無いのではないかなぁ?って。もっともっとゾクゾクさせられるだろうし、もっともっと悍ましくできたんじゃなかろうか?って。心理的にもっともっと攻め込んでほしかったなぁ。捻じ曲がった心を映像にしてほしかったなぁ。
結構早めに結末が見えてきちゃったので、想定外の展開が欲しかったかなぁ。
求めすぎかなぁ?
受け子ホイホイ。
お母さん壊れてる。
前半あたりからそれに気づいて、お互い生い立ち語りあうシーンで先読めてしまったが面白かった。
黒沢の演技でぐいぐい引っ張られた感じ。色んな人が言ってるが確かに彼女じゃなきゃ成立しなかったかも知れない。
容赦無いカメラも、女性の監督ならでわじゃなかろうかと思う。
新垣氏の音楽も完成度高い。
ラストは家に引き篭もってたらもう少し早い段階で気づいたんじゃ無いかと思った。
よく出来ている
新垣隆さんの音楽が凄い。人が欲望に負けて堕ちていくときには、確かにこんな音楽が鳴り響く筈だと思わせる、そんな音が随所に散りばめられている。その結果、映画全体が怪しくて危なっかしい雰囲気で満たされたように感じた。
おまけに主演の黒沢あすかが音楽に負けないくらい妖しい雰囲気である。演じた石川恵は、場末のスナックにある飲みかけの高級酒みたいで、飲めば美味しいかもしれないが、安い酒を高いボトルに入れているだけかもしれない。逡巡しているこちらを嘲笑うように誘ってくる。
不良の連中というのは、意外にまめで時間にも正確である。よく言えば働き者、悪く言えばしつこくて執念深い。一度でも不良連中と関わると、関係を断つのは難しい。どこまでも追いかけてくる。大川もそんなひとりだ。
井上は大川のパシリである。大川は嗅覚が利く。どこで何をすれば金になるかがわかっているみたいだ。分前はわずかだが、しばらくは大川の手下を続けるしかない。将来のことなど考えても仕方がないが、毎日のねぐらと食い物は確保したい。井上が考えているのはその程度だ。ほぼ野良犬と同じである。
石川は赤ん坊が好きだ。近くにいたら触ろうとする。子供用品も売っているアパレルの職場でそんなことをすればどうなるか、石川にも分かっている。しかし赤ん坊を触りたい衝動は激烈で、自制心の働く余地がない。
ストーリーが進むと石川の秘密が少しずつ明らかになっていき、その異常性も明らかになる。野良犬程度の頭しかない井上には、石川の恐ろしさが想像できない。自分のことで精一杯なのだ。
爛れたようなエロスというか、四畳半の湿った畳の上での性行為みたいなエロス。年増女のたるんだ肌が妙に誘うような雰囲気が監督の狙いだろう。しかし石川が好きなのは赤ん坊のスベスベの肌だ。だから髭を剃って肌をスベスベにしたい。石川は赤ん坊フェチなのだ。
なんとも危なっかしくて刹那的な石川と井上だが、シーンはきわめて日常的である。人は日常の中で堕ちていく。決してドラマチックではない。そこに恐ろしさがある。日常の至るところに深い穴があって、誰もが陥る可能性があるのだ。しかし作品としては逆に、日常生活を描きつつも、とてもドラマチックである。よく出来ている。
青い羽根は海難ボランティア
46歳の一人暮らしの女性が行方不明の息子の行方を知るという20歳の青年と暮らす様になる話。
1年前に息子が行方不明となった子供服販売員の女性の前に、息子のことを知るというオレオレ詐欺の受け子の男が現れて巻き起こって行くけれど、兎に角怪しいし妖しいし黒沢あすかだし。ただ、ちょっと雰囲気つくり過ぎじゃない?
ということで、意外性はあまり無かったけれど、イッちゃってる感じの気色悪さと、それを寸止めで繋いでみせていく不穏さがなかなか良かった。
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