モスル あるSWAT部隊の戦いのレビュー・感想・評価
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どこまでが実話か分からない
実話ということですが、そういう部隊があるというだけで後はフィクションなのか、秘密の任務が実話なのか、細部に至るまで実話なのかちょっと分からないのです。
(調べても分かりませんでした)
誰が敵で誰が味方か分からない状況で、主人公の青年が仲間に入れられ、でも信用されてないという不自然な状況。ただ映画が進んでいくと他の人もそういう経緯で仲間になったんだろうな、とうかがえます。今まで裏切られなくて良かったな!
こういうミッションを持っている部隊は大抵罪なき人々が悪に晒されているとミッションと良心の間で葛藤するのですが(結局助けますけど)この映画の部隊は躊躇なく助けに行くのは気持ちよかったですね。
敵を倒すのは手段で、目的ではない。
原題は「モスル」です。
邦題は「モスル あるSWAT部隊の戦い」です。
「モスル」だけでは、何のことやらわからないので、邦題の方が良いです。
SWATは「Special Weapons And Tactics」の略語で、軍ではなく、警察で、特殊訓練を受けて、重武装していますが、治安を維持するのが役割です。
SWAT隊員たちは、ISILを「ダーイッシュ」と呼んでいます。
モスルは、イラク北部の都市で、古代からアジアとヨーロッパの交易の中継都市として栄えて、現在は石油生産で栄えて、170万人もの人が住む都市でした。
2014年6月9日、ISILがモスルの政府施設、警察署などに攻撃を仕掛けて占拠しました。
2017年7月10日、イラク首相は「モスルを完全に奪還した」と発表しました。
映倫区分は「G」なので、年齢を問わず、どなたでもご覧いただけます。
最初から最後まで、戦争の中での銃撃戦が続き、次々と人が死にます。
銃撃戦が苦手な人には勧めませんが、戦争について考えたい人にはお勧めです。
この映画を鑑賞する前と、鑑賞した後で、戦争に対する意識が変わります。
部下に重大な判断を任せたのにも理由があり、部下が下した判断は、部下も治安を守る警察官だからです。
敵を倒しただけでは、戦争は終わらないです。
「なぜ敵を倒すのか」が理解できれば、良い映画です。
パンフレットは良くできているので、鑑賞しても理解できない人は購入し、読むことをお勧めします。
事前知識に不安があり、事前知識を必要としているなら、事前にパンフレットを購入し、事前知識を得てから、鑑賞するのも良いです。
やや字幕が足りていないかなとは思うけど…。
今年177本目(合計241本目)。
今週は全般的に数が少なめで(12/3の週はムチャクチャ多い)、じっくり楽しめそうです。
実話ものベースですが、どうしてもアメリカの作品という事情もあるので、完全に平等に描き切るのも難しく、ISIS(イスラム国)の「言い分」も反映がやや足りていないかな…という印象は持ちました。
とはいえ、日本はいわゆるアメリカの「核の傘」で生きているのであり、ISISとはおよそ無関係な生活を送っていたのも事実で(一部、戦争中なのに行って問題になった人もいましたが…)、日本がいかに平和主義を大切にしているか、という点がわかります。
映画自体はやはり実話ものなので、あることないこと描けない描写で、かつ、宗教問題も含むため、かなり慎重に描写されているなという印象です。そりゃ、映画館でやってるんだから映画でしょといえばそりゃそうですが、映画というよりドキュメンタリーものという感じがぴったりくるのかな…と思います。
なお、最初に「このお話は実話に基づくものです」と最後に「この戦いで亡くなった方に敬意を表します」以外は、ほぼ映画内ではアラビア語です(英語は一切でない)。
ストーリーというストーリーが存在せず、また最初の10名のうちだれが脱落して…ということを書き始めると一気にネタバレになりますので、それらは完全にここでは省略します。
ドキュメンタリー映画であるため、深い知識は求められませんが、「イスラム教」「ISIS問題」などのキーワードで前日に予習しているだけでもだいぶ違う感じです。
採点は下記が気になったところです。
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(減点0.2)上記通り、最初と最後に英語で「このお話は実話ベースです」など出る以外は大半全部アラビア語で、字幕はないものの、街の看板(移動距離としては隣町に移動している程度か、10kmもなさそう?)も何も翻訳がない状況です。
ISISとの戦闘を描く映画で、ISISの「言い分」も入っているのか、「イスラム教を信仰しましょう!」とか、「コーラン(クルアーン)は毎日読みましょう!」とか書いてあるんじゃないかと思うのですが(そこそこ長文なことが書いてある看板も多数ある)、全部翻訳がないのでよくわからない状況です(そして、多くの日本人は誰もわからない…)。
また、セリフの一部が字幕に起こされていない部分があります(これももう、誰でも翻訳できるという映画ではないので、多少の訳漏れは仕方なしという判断)。
(減点0.2)この手のISISを扱う映画は最近よくみますが(2020年にもありました)、できるだけ「両者の言い分」を平等に描くべきところ、ISISが「世界中の敵」みたいに描かれているのは、理解はしうるものの、ちょっとな…とは思えました。
実際、ISIS(イスラム国)が「国だ」と主張したのは、さかのぼれば20世紀初頭のイギリスのサイクス・ピコ協定(これがイスラエル問題を引き起こし、連鎖的にアラビア諸国にも広まってしまった。イスラエル等が不可思議な国境線になっているのは、こうしたイギリスの20世紀初頭の矛盾した協定の妥協の産物)であり、映画の趣旨的に「イギリスを叩く映画」にするのは変ですが、イスラム国として「彼ら・彼女らの言い分」は当然あるのであって、その部分が一切なく、あたかも「復讐しておしまい」みたいな感じなのは、それはそれで、「広い意味で」イスラム文化に対して良くない影響を与えてしまう(広い意味で、イスラム教に対する誤ったヘイトを溜めさせてしまう)のではというところです。
(減点なし)とはいえ、ISIS(イスラム国)を扱った映画は2020年からありますが、やはり女性差別が激しい思想です。1か所だけですが、かなりどきつい表現もでます(表現のみ)。日本も完全に男女平等を達成しているとはいいがたいのですが、それどころか「女性の人権すら考慮されていない」という状況です。
この部分は、実話ものであり、実際にISISの主張でもあったのですが、その部分の補足がないので、やや配慮不足かな…というところです(「ISISの主張であり、本映画の主張ではありません」くらいはあってもよさそう)。
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映画というジャンルを超えた凄まじい戦争作品
このポスターから想像しうる内容を遥かに凌駕した衝撃だ❗️冒頭から徹頭徹尾緊張感がハンパなく高く一瞬たりとも休ませてくれない。しかもロケーションも戦闘シーンも超絶リアルなのだ。演出はとてもハイレベルで余計なものを一切排除している。ここまでやるともはや映画というエンタメを超えた作品といえる。今まで観てきた戦争映画のすべてが緩く見えてしまうほどだ。しかし本当の戦地とはこういうことなのかもしれない。また、こういう作風がアメリカで制作されたことは意外だ。アメリカ映画はどうしてもエンタメ性が入り込んで隙間が生じる。その定石を完全に度外視して作りあげたスタッフさんと役者さんには脱帽。物語は事実に基づいている。ISISと戦うイラクのSWAT部隊。彼等は秘密の任務に向かってひたすら突き進む!戦闘シーンのリアルさだけでなく束の間の休息シーンも今まで観たことがない角度から描く。これがまた印象的なのだ。セリフも事実に則しているからか素っ気なかったり、意外なことを口走ったり。それに若き主人公カーワの変化もすごい。あの目つき、ほんもんや。俳優さん全員が兵士になりきり人を殺した目をしている😅まあ、とにかく圧倒されたわ。こんなに引き込まれてしまう映画はなかなかない。よくぞ制作した‼️
イラク人視点での対IS戦
現地のイラク人たちがISもアメリカも他国も、全てを信じられなくなっている心境を表現しており、同時に国や家族に対する愛も感じさせる内容でした。
ただリアルさを重視した戦闘シーンの描写が続き、ドキュメンタリーにしたいのか、エンタメにしたいのか、どっちつかずの演出不足な仕上がりという印象も。
SWAT部隊の戦う理由(任務の内容とその意味)が映画のオチのため、何のために戦っているのかずっと説明されず、観客には分からない存在に感じてしまうのが惜しいとも。
ラストまで明かされない任務
アベンジャーズの監督が!…という謳い文句だったので、てっきり悪をやっつけるSWAT部隊の活躍が描かれる、エンタメ寄りのアクション映画のイメージでしたが、
実際にはドキュメンタリータッチの緊張感と息苦しさに包まれる映画でした。(ルッソ兄弟はプロデュース^_^;)
よくわからない状況に、どんどん精神がすり減っていき、とにかく早く終わってほしかった。。。
最後の最後に任務の内容が明かされるのですが、“戦争の大義”についても考えさせられる映画でした。
序盤から何を信じたら良いのかわからない。
「本当は嘘なのでは?」と思い出すとキリがなく、SWAT部隊そのものも怪しさ満載。
傷心のなか、なかば強引なスカウトでSWAT部隊に入る主人公ですが、任務の内容をずっと教えてもらえないまま物語が進んでいきます。
ともするとSWAT部隊がただの復讐集団に見えてくる。
実際に家族を殺された警官たちで構成されているし。
行く先々での突発的な戦いはともかく、あきらかに個人的な思いで人助けをしてみたり…任務遂行が第一優先ではない印象がつきまとい、味方からも追われる立場であることが徐々にわかってくる。
仲間の死や裏切りを経験して、戦う覚悟を決めた主人公にとって、もはや任務の内容は関係なく、ただ復讐のスパイラルにハマっていく気がしました。
一瞬も気が抜けないストレスが続くので、ラストの解放感が沁みますが
それでも、仲間との絆は絶対なのね。
「国家や民族の為」「愛する家族を守る為」などの大義名分を掲げた人殺しと、個人的な復讐の人殺しとでは、どちらが罪深いのだろう。
(どっちも人殺しはダメですが)
そんな、戦いの不毛さを感じる映画でした。
脚本家として活躍なさっている監督だけあって、ちょっとした伏線の回収も見事でした。(←習性が悲しい)
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