劇場公開日 2021年11月19日

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「結局、人は誰かの為にしか戦わない」モスル あるSWAT部隊の戦い デイビット・ジャガーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0結局、人は誰かの為にしか戦わない

2021年12月4日
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ISISに家族を殺されたと言う理由で、SWAT部隊にスカウトされ、行動を共にする主人公と一緒に、部隊の目的達成まで、凄まじい戦闘を疑似体験させる作りになっている。
劇中、同じ目的でISISと戦っているのに反目し合っている市民軍や、イラン軍特殊部隊の存在、そして主人公がクルド人である事など、この戦争の複雑さも上手く描かれている。(イラン軍特殊部隊隊長とSWAT隊長の口論は、かつてのイラン・イラク戦争を思い出させる)
後半は、部隊の目的が判明し、この戦争の悲劇性が明らかになると、人は大義や国益などではなく、家族や身近な人達の為に、命懸けで戦えるのだと教えてくれる。この作品を見終わった後なら、国の為に命を捧げろ等と書き込みしている、ネトウヨの類が、本当に胡散臭い連中に思えてくるだろう。

デイビット・ジャガー