「バンドはなくなっても曲は残る。人は死んでも偽らない心は残ると思いたい」ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
バンドはなくなっても曲は残る。人は死んでも偽らない心は残ると思いたい
ザ・スミスの熱烈なファンの女の子が通うレコード店のバイト青年ディーンがスミスの解散した日の夜に近くのメタルロック専門FMラジオ局をレコード店の万引き防止用の拳銃(弾は入ってないと言っていたが)を持って、番組ジャックして、ずっと The Smiths の曲をかけさせる話し。動機は片思いの好きな娘を喜ばせたいからでしょう。その娘(クレオ)は店のカセットテープをコートのポケットにどんどん放り込んで万引きする。ディーンが一人で店番の時だけやるらしい。なんにも言えないディーンという設定。
その日、ディーンはクレオをデートに誘うが、軍に入隊(徴兵)が決まった男の友達の壮行会をかね、仲良し四人組とパーティーに出掛ける約束があるからと断わられてしまったディーンは拳銃とザ・スミスのレコードを持ってラジオ局ジャックに向かうのだった。ラジオ局名はKISS101 だったかな?DJはKISSファンのなかなかイカしたお兄さん(オジサン)。ディーンが拳銃を撃つ真似?をしたら、弾が入っていて、ジーン・シモンズのマグカップが割れる。でも、DJはそのあと、ポール・スタンレイのマグカップを出してきた。
イングランド・イズ・マインというザ・スミスの結成前夜を描く映画を2年ぐらい前に観たのにすっかり忘れていた。そんなテイタラクのアタシですので、残念ながら、スッゴく感激するわけでもありませんでしたが、悲しくなるわけでもないので、あの頃(80年代)を懐かしむにはいい映画でした。
公開初日の金曜日のよるのシアター7は40代から50代の男性がほとんどでした。UKロックファンにはオススメします。ちなみに、87年頃、アタシが車で甲州街道を走りながら聴いていたカセットテープはZZトップとかだったような😎
The Smiths というバンドはアルバム4枚を残して1987年に解散した短命なバンドだったが、イギリスの若者の間(だけ)ですごく人気のあったインディーバンドであったらしい。ヒットチャートの2位になるぐらい。ポストメタルのオルタナティブ・ロックバンド。曲はポップで、爽やかだが、ボーカルのモリッシーの歌詞がシニカルで屈折していて反社会的なのが、労働者階級の若者からすごく支持された要因らしい。
映画の題名、Shopliftes of The World は彼らの曲の題名から。どんどん万引きやれ~❗という内容。
やるせない若者たちの一夜を描いた青春映画でした。早朝に警察署に駆けつけたクレオと不起訴で釈放になったディーンが抱き合ってキスして終わります。お巡りさんもザ・スミスのファンなので、大目にみてもらったみたい。あのデブのお巡りさんはなんかすごく既視感あったけど、誰だがはわかりませ~ん😅