「偽りがないって怖い」偽りのないhappy end とみさんの映画レビュー(感想・評価)
偽りがないって怖い
見終わって、あたまがぐるぐるグルグルして止まらない。
星ゼロの人もいるだろうなと思う内容。
わかりやすくて面白いという部類の作品ではない。
ストーリーとしてはサスペンスっぽいけども、サスペンスを作ろうとしたものではないのは明白。
主演の鳴海唯が凄すぎるのがこの映画が分かりにくくなってる最大の理由だと思う。
過去のトラウマを抱えてたりするが、そんなことはなかったことにして、東京で何とか幸せに生きてる姉。
妹がいなくなって姉は真剣に心配してる、、、、つもり。
親友がいなくなったのも、妹がいなくなったのも、店長が沈んだのも、この映画の中の主要イベントのほとんどはエイミが引き起こしたもの。
「あなたがいなければみんないなくならなかったのに!」という主人公の言葉はブーメラン。
そして、それを本人が気づいていない。
気づいていないことがホラー。
鳴海唯があまりにも普通を演じるので観客もわからない。
鳴海唯はこれを意図的に演じ切っている。
次から次へと美しい女優さんが出てくるので、女優鑑賞会みたいになります。
美しくて上手な俳優さんたちと、綺麗な映像を見続けて、最後に?????となってぐるぐる回るのを楽しむ映画かな。
主要キャストがほぼ女性だけで完結しますが、女性中心に描いた映画として秀逸だと思う。
男性の監督・脚本ですが、ありがちな気持ち悪い男性目線を感じない。
例えば海街diaryは女性ばかりがでる映画ですが、視点は男性。
それがこの映画には感じませんでした。
性的な対象として女性を描く空気がしません。
風俗店の描写は出ますが、女性が一人で生きる場所としてこういうところを使うことがある、という感じの扱い。
衣装も普通の女の子が普通に選びそうな服。そして服装でキャラクターの個性が上手く表現されています。
次は大作にチャレンジされることを期待します。