「特典ビデオ?」ジェームズ・ボンドとして odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
特典ビデオ?
47分と短尺ですが6代目ボンドにダニエル・クレイグさんが選ばれた経緯や、金髪のボンドへの批判、マスコミの下馬評の酷さと手のひら返しのようなその後の高評価、ダニエルさん自身の作品への向き合いなどプロデューサーとの対談、本編映像などを交えて回想しています。
DVDの特典ビデオ程度の内容なので作品として評価するのもどうでしょうか・・。
失礼ながら私の中ではボンドと言えばいまだにショーン・コネリーさんなのです。
ロジャー・ムーアやピアース・ブロスナンさんでは軽すぎて興醒めでしたが6代目のダニエル・クレイグさんが出てきて渋さが復活の感、期待も高まりましたが脚本というか世界観が酷過ぎてお気の毒としか言えません。
キングスマンの中で悪役が「007は悪者が主役、悪いほど面白い」とウィットに富んだセリフを言っていましたが言い得て妙、核心をついた慧眼ですね。
その視点でみると製作陣の悪の捉え方が変っている、所謂、武器商人、マフィアやテロリストのような社会的な巨悪と言うより何をしでかすか分からない狂人、気味悪さに走っているように思えます。
スカイフォールあたりから顕著なのは悪玉が屈折した変質者ばかりで拷問ばかりか女性をいたぶったり子供を脅したりとやり口も陰湿化、ダブルオーセクション不要論など自壊的な描き方がエスカレート、葛藤するし泣きも入るボンドの人間臭さが際立って従来の単純明解、爽快スパイアクション・エンタティンメントとは似て非なる別路線になってしまいました。
そういう意味では演技派のダニエル・クレイグさんが適任だったのかもしれませんね。
最後のノー・タイム・トゥ・ダイでは黒人女性(ラシャーナ・リンチ)が007を襲名していましたが、もはや007といって良いものか、先が読めません。